「見ーつけた」
という気持ちが、やはりあります。
知ってみれば、わざわざ同列に考える必要もない、という意見もあるのですが(それはそうです。人が違うのですから)、
でも、でも、
どうも謎だったキースのルーツの大きな、一つが、
このジョン・コーツ・Jr.というピアニストであることは、間違いないと思います。
キースには、あまりルーツといいますか、影響を受けた人の話が無いのです。
勿論、キース自身があえてミステリアスにしているというか、単に語らないのだとは思います。
どんな人だって、まったく誰の影響も受けていないということはないわけですからね。
はい、キースをある程度聴きこんだ人なら、この動画で聴けるジョン・コーツのピアノに、「あ」と思うのではないでしょうか。
もう、最初の出だしからして、「あ」ですよね。
しばらく聴き進んでも、ちょっと油断すると(という言い方は極めて変ですが)、「キースの演奏を聴いているのでは」、とすら思ってしまう。
知ってみれば、まだ10代の頃のキースが、地元のライブハウスで、目の前で何度も聴き、セッションもしたというジョン・コーツ(・・・ちなみに、ジョンがピアニストですから、キースはドラマーとして参加したそうです)。影響を受けなかった、という方が不思議ですよね。
もう、思わず、ぽちっしてしまったCDが、写真の「アローン・アンド・ライヴ」です。
ちなみに、上のYouTubeの動画で、(今の)キースは多分やらないよね」という部分(演奏方法)は、全体の5%くらいではないかと思います。
あとの95%は、「あー、やりそう!」と思ってしまうプレイ、そして、何よりも、この、
・・・タッチ。
こんなにキースみたいな、・・・いえ、逆なんですけどね、キースの先輩にあたる人ですから、でも、先にキースを聴いてしまっておりましたので、
ピアノを弾くピアニストは、これまで僕は知りませんでした。
なんか、振り返ったら、突然、目の前に解答があったような感じがしております。
キースね、色々と聴いておりますと、「これ、なんか、チックコリアみたいだな」と思うものがありました。
「Ruta & Daitya」というアルバムの中のある一曲なのですが、
よくよく考えてみたら、ちょうどマイルスデイビスと一緒にツアーを周っている頃で、
マイルスのバンドには、チックがいたわけで・・・(笑)。
これまた、影響を受けているのが、はっきりわかるんですよ。
なんだかね、キースも、人の影響を受ける人間なんだ、ということが、
当たり前なのでしょうけれども、そんなことが分かって、
とっても嬉しい今日子の五郎です。
……今日この頃です。
以下、ジョンコーツの「アローン・アンド・ライブ」の紹介文です。
最初は動画からだったんですが、このアルバムにたどり着いた時は、すんごい盛り上がっちゃいましたよ。
ちなみに、以下にコメントを寄せているフィル・ウッズという人は、アメリカの有名なジャズ・サキソフォニストなのですが、
実は、ビリージョエルの「素顔のままで」で、あの、ポップスというジャンルにおけるサックスソロでは、間違いなく世界のポップス史上3本指に入るであろう名演、一度聴いたら忘れられない、聴いたことの無い人にも有名なんじゃないかというくらいの(笑)、超美しいサックスソロを吹いた人なんですよ。
いろいろ繋がって、面白いです。
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若き日のキース・ジャレットに多大な影響を与えた伝説のピアニスト、ジョン・コーツJr.の代表作
デイヴ・ブルーベック、ボブ・ドロー、アル・コーン、クラーク・テリーをはじめとするそうそうたるミュージシャンから絶賛されながらもジャズ・ファンの前から姿を消した幻のピアニスト、ジョン・コーツ。当時日本のリスナーから熱狂的に支持されコーツ・ブームを巻き起こしながらも今日まで復刻されることもなかった悲運の名盤が、発表から30数年を経て奇跡のCD化!! 【オリジナルLP紙ジャケット仕様】
★「私達の住んでいるエリアで、ジョンといえば「最高のジャズ」の代名詞だった。そして、謙虚であるがゆえに無名であった多くの素晴らしいミュージシャン達と同じように、ジョンも彼が受けるべき注目と称賛を受けてはいなかった。日本では良く知られていたし、ヨーロッパも彼に注目をしていたにもかかわらずだ。でも、ミュージシャン達、それも絶対的な影響力を持つ素晴らしいミュージシャン達は、誰だってジョンを知っていた。キース・ジャレットに聞いてみればわかる。ゴードン・ベック(イギリス出身の素晴らしいピアニスト。彼と私はヨーロピアン・リズム・マシーンで一緒だった)に聞いてみてもいい。そして今ジョンの演奏を聴く貴方は、なぜ私達がジョンの音楽を愛するのかを知るだろう。」・・・フィル・ウッズ
★「ジョン・コーツは純粋なミュージシャンだ。普通なら“キースに影響を与えたのは私なんだ”といってもよさそうなのに、そんなことには無頓着だった。野心さえあればビル・エバンスやキース・ジャレットのように名声を高めることができたに違いない」・・・児山紀芳(スイングジャーナル78年8月号より抜粋)
「オリジナル曲がどれも魅力的に輝いている。微風のようにひらりと響く明快でクラシカルなタッチに、幅広い音楽性がうかがえる「Prologue」。ジャズというよりはポピュラー・ミュージックの手触り、さらにいえば同時代のキャロル・キングのようなシンガー・ソングライターの作風にも通じる「Never Have Known An Esther」。リズミカルなタッチに胸躍るゴスペル風の「Sketch」。ノスタルジックで人懐っこいメロディーが、作曲家としての才能を十分に感じさせる「Mixed Feelings」。繊細な心の動きを鍵盤に映したロマンティシズムあふれる「Homage」。古き良きアメリカン・ミュージックのルーツを垣間見られるラグタイム風の「Something Kinda Silly」。やはり「Never Have Known An Esther」と同様に、コーツの温かな人柄さえ伝わってくる「The End Of The Beginning」。光と影を巧みに描き分ける色彩豊かなメロディー、そして自由に飛び回るようなピアノ・タッチも印象的な「The Prince」。聴き終えた時には、瑞々しい気持ちがこみ上げて、安らかな余韻が待っている。」・・・山本勇樹(ライナーより抜粋)
メディア掲載レビューほか
孤高のピアニスト、ジョン・コーツJr.の代表作が復刻!
ジョン・コーツJr.――久しくその名を耳にしなかった孤高のピアニストのアルバムが、ついにCD化復刻発売されることとなった。本作は、コーツが本拠地とした、ペンシルヴェニアの老舗ジャズ・クラブ「ディア・ヘッド・イン」でのソロ・ピアノで、1977年に録音されたもの。当時日本でもリリースされ、コーツが「キース・ジャレットに影響を与えたピアニスト」だとして大きな話題となったアルバムだ。確かにコーツとキース、ふたりの共通点はいろいろ感じられ、7歳年下のキースが影響を受けた可能性はあるのかもしれないと思わせる演奏であることは確かだろう。2以外はオリジナルで、ルーツ・ミュージック的曲想からうなり声とともに盛り上げていく1、華麗に鍵盤を駆けまわる右手と、様々に展開する左手の動きが聴き手を引き込む2、アーシーでダイナミックな3、グルーヴィな左手の力強いリズムの上で、ハミングしながらテクニカルなアドリブを聴かせる4、煌めくような繊細なタッチの6、ラグタイム風なリズムの上にユニークでキャッツイーなメロディを載せた7、歌詞を付けて歌にしたくなるような名曲8と、曲想の豊かさ、テクニック、どれをとっても素晴らしい。中央に出て行けば名声を得たであろう凄腕のピアニストがひっそり田舎町に意志をもって潜んでいたという事実は、サリンジャー(彼は名声を得たが)の生き方をふと思い出させた。 --「ジャズライフ2月号」2014/01/14
良き時代のアメリカン・スピリットを写し取った様な、瑞々しくも力強く懐の深い、その心和むピアノ音楽。
ジョン・コーツJr.四半世紀ほど前、無名の彼は若き日のキース・ジャレットに影響を与えた男として、一躍脚光を浴び、アルバムも日本でベストセラーを記録した(来日公演も果たす)。しかしそれも長くは続かず、その後消息は途絶えてしまったが、今回嬉しくもその出世作が復刻される運びとなった。これによってジャズをコアに、ラグタイムからゴスペル、カントリー迄も包括し、良き時代のアメリカン・スピリットを写し取った様な、瑞々しくも力強く懐の深い、その心和むピアノ音楽に、再びファンの関心が集まりそうな気もする。 不幸なことにこのシャイな偉才は、キースとの相関で語られ過ぎた。確かに初期のキースと彼との間には、通底する部分も感じ取れるが、志向する音楽は違う。故郷にもほど近い“ディア・ヘッド・イン”に於ける、等身大の珠玉ソロ・ライヴが、そのことを物語っている。ブルーベックからフィル・ウッズまで、様々なミュージシャンが彼に賛辞を寄せているが、特に最近のジャジー・ポップ路線に惹かれる、若いファンに聴いて欲しい。 --「ジャズ・ジャパン2月号」2014/01/22
伝説のピアニスト、初CD化
ジョン・コーツJr.は70年代後半に話題の人となり、その後、忘れ去られた感のある伝説的ピアニスト。ペンシルベニア州の片田舎にあるディア・ヘッド・インというクラブを拠点に活動したローカル・ミュージシャンのため知名度は低いが、キース・ジャレットに影響を与えたともいわれる作風とタッチは独特の味わいがある。1977年録音の『アローン・アンド・ライヴ』は日本で最初に発売され、コーツ・ブームの引き金となったアルバムで、「ホエン・イッツ・スリーピー・タイム・ダウン・サウス」以外はすべてオリジナルを演奏しているソロ・ピアノ作品。『ザ・ジャズ・ピアノ・オヴ・ジョン・コーツJr.』は、それより前の74年に録音されたトリオ作品で、こちらもビートルズの「イエスタデイ」以外はすべてオリジナル。ゴスペル調だったりカントリー風だったりするところもキース的といえばキース的。ともかく、この人のCDは皆無だっただけに、この発売は大歓迎だ。 --「CDジャーナル2月号」2014/02/01」
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ちなみに、今朝ポチしたら、帰ったら、もう届いていた、という。
アマゾンって、凄いですねえ。
便利すぎて、怖いくらいです(笑)。
ではー。