明日5月11日は、母の日。
「さあて、何か贈り物を・・・でも、何がいいかなあ」と、うっすら思っていたところに(こういうことは、回数がそれなりになると、マンネリにもなりますしね(笑))、
たまたまなのですが、午前中に、
「今日と明日、絵の展覧会があるのだけれど、時間があったら」
と、折よく、あちらから連絡がありました(個展ではなくて、いくつかやっているらしい集合展の一つでした)。
今日は、スペース緑も予定ははいっていたことから、緑ちゃん倶楽部のレッスンも無かったので、
「いくよー」
「あら、嬉しい」
というやりとりがあって、形ばかりではありますが、気持ちばかりのカーネーションの花束を買って、行ってまいりました。
出展していた二つの絵は、知らなくても「ははあ、これだね」とわかるもので、
そういう意味では、母は、もう、しっかり自分の絵を見つけているのだなあ、と思うと、少し羨ましくもありました。
もう、と言っても、・・・まあ、ト〇の話は、これを読んだりしたら怒られるので書きませんが、でもね、僕の親ですからね(笑)。
でも、そういうもの=自分らしいもの、を生涯の中で見つけられるというのは、素敵なことだよなあ、と、
これは親がでなくても、誰であっても、思います。
無くて七癖、
・・・何をやっても、字を書いても、料理をしても、ピアノを弾いても、
勿論、その人らしさは、出ますけれどもね、
それを「自覚的に使える」というのは、やはり、それなりに積極的な「意志」というものがないとできないことだと思いますので、
何と言いますか、それは強さでもあるのだよなあ、なんて、つらつら思いながら、絵を眺めさせて頂いて、帰ろうかと思ったところ
「ちょっと時間あるから、お茶でもしようか」
というので、デパートの屋上にいって、僕は、ビール、母は、コーヒーを。
何を話すということはないのですが、
でも、
「なんか普段、『あ、これ訊いておこう』と思うことが、よくあるんだけど。僕が生まれた頃の話とか、生まれる前の話とか・・・、ピアノを習ってた頃の話とか、まあ、(僕が2歳の時に亡くなっている)お父さんの話とか・・・。なんでか、何を訊きたかったのか、忘れちゃうんだよね。」
「あらそう。実は私も『今のうちに、伝えておかなきゃ』と思うことが、最近あるのよ。」
「・・・そう。でもまあ、長生きしてもらってね」
ということで、今日も、とりわけ、何も訊けず、聞けず、
帰ってまいりました。
・・・そう、これこれ。これを、まだ聞いて無い、と思うことの一つを、ここに書いておきましょう。
・・・春巻きの作り方。
えらく手間のかかったものだったのは知っているのですが(下ごしらえからですと、軽く半日はかけて作っていたような・・・)、
一体、あれはどうやって作るのやら。
夕食の食卓に、具だくさんの巨大な春巻き(たぶん、18㎝くらいはあったはず)が、20~30本、大皿に山盛りで出てきていたのです。
あれが普通と思っておりましたら、家を出て以来、外で春巻きを頼んで、あるいは買って、・・・であったことがありません。
いつも、「えっとねえ、そのう・・・」と。
あの巨大春巻きが、この先、一生食べられなくなってしまっては、大変なのです。
それは、僕だけではなくて。
伝えておいてもらわなくては。
料理でも、音楽でも、言葉でも、知識でも、
ちゃんと、伝えてもらっておかなければ、
そして、伝えておかなければ、
・・・なのですよ。
残してほしい大切なものは、例えばお金なんかじゃ絶対になくて、
その頭の中にある、知識や、記憶なんです。
途絶えてしまっては、大変なのです。
これは人類にとっても、
あるいは、
・・・もう本当に、世界中にある、一つひとつのそれぞれの家族全ての歴史の中に、
そいいうものがあると思うのですが、
それに依って、人間は、一人ずつ、出来上がっていくのですからね。
もしも、これを読んでいたら、
とりいそぎ、あの
・・・春巻きのレシピを書いておいてくれませんか。
あと、訊きたいことが、たぶん、料理だけでも、まだ、かなりありますので、
とにかく取り急ぎ、頼みます。
他に訊きたいことは、また、忘れないようにメモっておきますのでー。
そろそろ、物忘れをするようになっているのです(笑)。
きっと、最初から見ている貴方にとっては、ホヤホヤの赤ん坊だった、僕も。
でも、まだまだ頑張りましょう。
お互いに、元気で。
ではー。