福岡伸一の本は知的好奇心をくすぐる。
記憶とは何か。脳の中にレコード、磁気テープに類するような記憶物質があるのだろうか。否。生命現象は絶え間ない分子の交換の上に成り立っている。ほんの数日に分解されてしまう生体分子を素子として、その上にメモリーを書き込むことなど原理的に不可能なのです。
人間の記憶とは、脳のどこかにビデオテープのようなものが古い順に並んでいるのではなく「想起した瞬間に作り出されている何ものか」なのである。
つまり過去とは現在のことであり、懐かしいものがあるとすれば、それは過去が懐かしいのではなく、今懐かしいという状態にあるにすぎない。
では一体記憶とは何だろう。記憶とは細胞と細胞とが形作る回路にある。説明していくと全部引用しないといけないので詳しくは本を読んでください。この他にも最初の「脳にかけられたバイアス」だけでも目から鱗が続出。
続けて健康食品について。肌の調子をよくするというコラーゲン食品、関節の痛みをとるというコンドロイチン硫酸、ヒアウロン酸、頭がよくなるというグルタミン酸、いずれも消化管の中でいったん完膚なきまで解体されてしまう。
食品として摂取されたコラーゲンは消化管内で消化酵素の働きでばらばらのアミノ酸に消化され吸収される。吸収されたアミノ酸は新しいたんぱく質の合成材料になる。しかしコラーゲン由来のアミノ酸は、必ずしもコラーゲンの材料とならない。むしろほとんどはコラーゲンにはならないといってよい。
世にあふれる健康食品の類のいかに嘘っぽいことよ。
最初の2章の中から抜き出しましたが、250ページほどの本の最初から最後まで知的好奇心が刺激されます。
「生命とは動的平衡状態にあるシステムである」この概念は自分の死生観というか生命観について深く考えさせられてしまいました。
でも文章は読みやすく結構どんどん読めてしまいます。
この本を読んだ人は是非「生物と無生物のあいだ」を読んでみて下さい。
記憶とは何か。脳の中にレコード、磁気テープに類するような記憶物質があるのだろうか。否。生命現象は絶え間ない分子の交換の上に成り立っている。ほんの数日に分解されてしまう生体分子を素子として、その上にメモリーを書き込むことなど原理的に不可能なのです。
人間の記憶とは、脳のどこかにビデオテープのようなものが古い順に並んでいるのではなく「想起した瞬間に作り出されている何ものか」なのである。
つまり過去とは現在のことであり、懐かしいものがあるとすれば、それは過去が懐かしいのではなく、今懐かしいという状態にあるにすぎない。
では一体記憶とは何だろう。記憶とは細胞と細胞とが形作る回路にある。説明していくと全部引用しないといけないので詳しくは本を読んでください。この他にも最初の「脳にかけられたバイアス」だけでも目から鱗が続出。
続けて健康食品について。肌の調子をよくするというコラーゲン食品、関節の痛みをとるというコンドロイチン硫酸、ヒアウロン酸、頭がよくなるというグルタミン酸、いずれも消化管の中でいったん完膚なきまで解体されてしまう。
食品として摂取されたコラーゲンは消化管内で消化酵素の働きでばらばらのアミノ酸に消化され吸収される。吸収されたアミノ酸は新しいたんぱく質の合成材料になる。しかしコラーゲン由来のアミノ酸は、必ずしもコラーゲンの材料とならない。むしろほとんどはコラーゲンにはならないといってよい。
世にあふれる健康食品の類のいかに嘘っぽいことよ。
最初の2章の中から抜き出しましたが、250ページほどの本の最初から最後まで知的好奇心が刺激されます。
「生命とは動的平衡状態にあるシステムである」この概念は自分の死生観というか生命観について深く考えさせられてしまいました。
でも文章は読みやすく結構どんどん読めてしまいます。
この本を読んだ人は是非「生物と無生物のあいだ」を読んでみて下さい。