こんにちは。
販促経営コンサルタント、藤田です。
本日は2回目の投稿です。
このカテゴリーは基本的にフィクションです。
販促経営コンサルタントの本田というわたしの分身を登場させて、様々な経営再生の様子を描写していきます。
内容はフィクションですので、モデルそのものはありませんが、実際に自分が経験したことも混じっていますので、これを読むあなたにもずいぶんと参考になることが出てくると思います。
あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
(なお配信は原則毎週1回水曜日にと思っていますが、基本的にランダム配信です)
「マニュアルレストラン」
自動ドアが開くと、すぐに店員の声が響いた。
「いらっしゃいませ! ○○へようこそ!」
なに、たまたまここに、このレストランがあったから入っただけで、わざわざここを目的に来たわけではない、と本田は胸の中で言った。
腹が減ってきたから、何か、なんでもいい、足しになるものをとにかく腹の中に入れておこうと思ったら、たまたまこの店の看板が目に入っただけのことだ。
「少々お待ちくださいませ。お客様、お一人様でしょうか」
ああ見た通りの一人だ。
本田は頷いた。
「それではお席にご案内いたします。お客様、煙草はお吸いになりますか」
「いや」
「それでは禁煙席でよろしいでしょうか」
「うん」
「それではこちらにどうぞ」
ああ、やっと席に座れた。
何でさっさと客に選ばせてくれないのだろう、この手のレストランは面倒くさいなあ、とあまりファミレスにいかない本田は思った。
「こちらが季節のメニューになっています。そしてこちらがレギュラーのメニューです。お決まりになりましたら、こちらのボタンを押してください」
はい、はい、と。
なるほど、季節のメニューか。
うん。
でも、まあ、考えることは考えてるけど、食べてみたいと思うようなメニューはないなあ。
こり過ぎなんだよなあ、最近は。
他所と違った季節メニューなんてことばかり考えてるから、結局へんてこなものになってしまうんだ。
やっぱり定番メニューがいいや。
「あ、すみません」
ちょうど通りかかった店員に、本田が声をかけた。
「あ、はい?」
「あの、この」
「申し訳ございません。そのボタンを押して係の者をお呼びください。すぐにまいります」
彼女はにこやかに返事をすると、そそくさと離れていった。
何だよ、いいじゃないか。
それがマニュアル通りなのか。
別に他のテーブルの皿を持ってるわけじゃないのに。
えい!
本田は少し頭にきて、強くボタンを押してた。
カウンターの方でピンポンッと鳴ったのが本田の席まで聞こえてきた。
すると、なるほどすぐに係員がやってきた。
しかしやってきた店員を見ると、先ほど下がっていった彼女だった。
なんだ、さっきの奴じゃないか。
そんなことならその場で聞きゃいいじゃないか。
客を馬鹿にしてるのか。
注文を打ちこむターミナルを持ってこなくたって、注文のひとつやふたつぐらい覚える頭があるだろうが。、という腹立ちまぎれの声は封印して、本田は注文に入った。
「ハンバーグランチください」
「はい、和風、ハワイ風、フランス風、北海道風、イタリア風がありますが、どちらになさいますか」
えっ、えっ、そんなにあるのかよう。
俺、普通のが食べたいんだけど。
「普通ので」
「普通と言われましても。すみません、和風、ハワイ風、フラッ」
「ちょっと待って」
本田ははあわてて止めた。
また全部繰り返されたらさらに長くなる。
「いいよ、和風で。それが普通なんだろ、たぶん」
「いえ、普通というのはありません。当店のハンバーグは、和っ」
「ストップ! いいよ、だから和風で」
「はい、かしこまりました。ただいまランチはライスの大盛りサービスをしていますが、いかがでしょうか」
「うん、じゃあ、大盛りで」
「はいかしこまりました。お飲物はコーヒーと紅茶が選べますが」
「コーヒー」
「すぐにお持ちしますか、それとも食後に」
「食後」
もういいから、早くしてくれよ。
腹減ってるんだよ。
本田は、これもすべて腹の中に収めた。
それだけで何だか腹がいっぱいになりそうな感じだ。
「かしこまりました。それではご注文を繰り返します。和風ハンバーグランチお一つ。ライスは大盛り。お飲物はコーヒーを食後に、ですね」
そうなんだけど、間違いはないけどぉ。
どうして大きな声で言うの?
俺が注文した者がみんなに分かっちゃうじゃない。
なんだあいつ、ごちゃごちゃ文句言ってるわりは、580円のハンバーグランチかい、なんてね。
いやだなあ。
ほら、あの窓際にいる中年の女なんて、露骨に俺の方を見て変な顔してる。
なんで、客の俺の方が小さくなんなきゃいけないんだろ。
しばらくすると、ハンバーグがやってきた。
大盛りライスもついている。
本田はそそくさと脇目も振らずに、口に押し込んだ。
味なんてもうてんで分からない。
ただ単に空きっ腹を満たしただけ。
「ありがとうございました。またどうぞ」
と言うマニュアルの笑顔で送られて、本田は逃げるように店を出た。
もちろん、もう二度とこのレストランには来ないし、このチェーンの他の店にも行かないつもりだと、本田はこれだけは最後に口に出していった。
おわり
(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)
それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
藤田販促計画事務所、お客様力(ぢから)プロデューサの藤田でした。
あ、そうそう、下記のメルマガ「繁盛店になりたいか!」をぜひお読みください。
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あなたの経営改善のヒントにご自由にお使いください。
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「マニュアルレストラン」
自動ドアが開くと、すぐに店員の声が響いた。
「いらっしゃいませ! ○○へようこそ!」
なに、たまたまここに、このレストランがあったから入っただけで、わざわざここを目的に来たわけではない、と本田は胸の中で言った。
腹が減ってきたから、何か、なんでもいい、足しになるものをとにかく腹の中に入れておこうと思ったら、たまたまこの店の看板が目に入っただけのことだ。
「少々お待ちくださいませ。お客様、お一人様でしょうか」
ああ見た通りの一人だ。
本田は頷いた。
「それではお席にご案内いたします。お客様、煙草はお吸いになりますか」
「いや」
「それでは禁煙席でよろしいでしょうか」
「うん」
「それではこちらにどうぞ」
ああ、やっと席に座れた。
何でさっさと客に選ばせてくれないのだろう、この手のレストランは面倒くさいなあ、とあまりファミレスにいかない本田は思った。
「こちらが季節のメニューになっています。そしてこちらがレギュラーのメニューです。お決まりになりましたら、こちらのボタンを押してください」
はい、はい、と。
なるほど、季節のメニューか。
うん。
でも、まあ、考えることは考えてるけど、食べてみたいと思うようなメニューはないなあ。
こり過ぎなんだよなあ、最近は。
他所と違った季節メニューなんてことばかり考えてるから、結局へんてこなものになってしまうんだ。
やっぱり定番メニューがいいや。
「あ、すみません」
ちょうど通りかかった店員に、本田が声をかけた。
「あ、はい?」
「あの、この」
「申し訳ございません。そのボタンを押して係の者をお呼びください。すぐにまいります」
彼女はにこやかに返事をすると、そそくさと離れていった。
何だよ、いいじゃないか。
それがマニュアル通りなのか。
別に他のテーブルの皿を持ってるわけじゃないのに。
えい!
本田は少し頭にきて、強くボタンを押してた。
カウンターの方でピンポンッと鳴ったのが本田の席まで聞こえてきた。
すると、なるほどすぐに係員がやってきた。
しかしやってきた店員を見ると、先ほど下がっていった彼女だった。
なんだ、さっきの奴じゃないか。
そんなことならその場で聞きゃいいじゃないか。
客を馬鹿にしてるのか。
注文を打ちこむターミナルを持ってこなくたって、注文のひとつやふたつぐらい覚える頭があるだろうが。、という腹立ちまぎれの声は封印して、本田は注文に入った。
「ハンバーグランチください」
「はい、和風、ハワイ風、フランス風、北海道風、イタリア風がありますが、どちらになさいますか」
えっ、えっ、そんなにあるのかよう。
俺、普通のが食べたいんだけど。
「普通ので」
「普通と言われましても。すみません、和風、ハワイ風、フラッ」
「ちょっと待って」
本田ははあわてて止めた。
また全部繰り返されたらさらに長くなる。
「いいよ、和風で。それが普通なんだろ、たぶん」
「いえ、普通というのはありません。当店のハンバーグは、和っ」
「ストップ! いいよ、だから和風で」
「はい、かしこまりました。ただいまランチはライスの大盛りサービスをしていますが、いかがでしょうか」
「うん、じゃあ、大盛りで」
「はいかしこまりました。お飲物はコーヒーと紅茶が選べますが」
「コーヒー」
「すぐにお持ちしますか、それとも食後に」
「食後」
もういいから、早くしてくれよ。
腹減ってるんだよ。
本田は、これもすべて腹の中に収めた。
それだけで何だか腹がいっぱいになりそうな感じだ。
「かしこまりました。それではご注文を繰り返します。和風ハンバーグランチお一つ。ライスは大盛り。お飲物はコーヒーを食後に、ですね」
そうなんだけど、間違いはないけどぉ。
どうして大きな声で言うの?
俺が注文した者がみんなに分かっちゃうじゃない。
なんだあいつ、ごちゃごちゃ文句言ってるわりは、580円のハンバーグランチかい、なんてね。
いやだなあ。
ほら、あの窓際にいる中年の女なんて、露骨に俺の方を見て変な顔してる。
なんで、客の俺の方が小さくなんなきゃいけないんだろ。
しばらくすると、ハンバーグがやってきた。
大盛りライスもついている。
本田はそそくさと脇目も振らずに、口に押し込んだ。
味なんてもうてんで分からない。
ただ単に空きっ腹を満たしただけ。
「ありがとうございました。またどうぞ」
と言うマニュアルの笑顔で送られて、本田は逃げるように店を出た。
もちろん、もう二度とこのレストランには来ないし、このチェーンの他の店にも行かないつもりだと、本田はこれだけは最後に口に出していった。
おわり
(このストーリーは、リアル体験を元にしたフィクションです)
それでは今日はこれで。
あなたの一日が今日もいい一日でありますように。
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