喜久家プロジェクト

日本一細長い半島、四国最西端「佐田岬半島」。 国内外からのボランティアとともに郷づくり「喜久家(きくや)プロジェクト」。

第14回 地域教育実践交流集会の閉会挨拶 ~Well-being(ウェルビーイング)について~

2021-12-06 | 地域づくり

 12月4日(土)、第14回地域教育実践交流集会がオンラインで開催された。

副代表ということで、閉会挨拶の大役が回って来た。

さて、どんな話をしたらよいものか。

 

 今回のテーマは、Well-being(ウェルビーイング)。

Well-being(ウェルビーイング)とは、「幸福」のことで、心身と社会的な健康を意味する。

満足した生活を送れている状態、幸福な状態、充実した状態などの多面的な幸せを表す言葉。

瞬間的な幸せを表す英語Happinessとは異なり、「持続的な」幸せを意味するのがウェル・ビーイングだ。

 

 15ある分散会、そして全体シンポジウムでも「地域教育とウェル・ビーイング」について様々な切り口で考えていった。

途中、閉会挨拶のことを意識しながら、参加していた。

そうして思いついたのが、「高校と地域のつながり」からウェル・ビーイングについて話そうと考えた。

以下のような話だった。

 

 『みなさんがイメージするウェル・ビーイング(幸福)は何色ですか?

黄色やオレンジ色をイメージする人は多いのではないでしょうか。

私が暮らす愛媛県伊方町は、本格的な冬に近づいていますが、山々は柑橘の鮮やかなオレンジ色に彩られ、実りの季節を迎えています。

本日の交流集会も実り多いものになったのではないでしょうか。

 

 今回のテーマは、Well-being(ウェルビーイング)ということで、高校と地域とのつながりについてお話したいと思います。

現在、愛媛県の多くの高校は分校化の危機にあります。

分校が何年か続き、入学者が少ない場合、廃校となってしまいます。

地域から高校がなくなる!

これは、地域にとって大変なことです。

地域の衰退は一気に進むことになるでしょう。

そこでそんな危機にある高校は、魅力化に取り組んでいますが、共通する取組は、地域との連携・協働です。

そのことがお互いにとってのWell-being(ウェルビーイング)につながるからです。

 

 そんな中から地元にある愛媛県立三崎高等学校について紹介します。

10年ほど前から入学定員の半分に満たない年が出始め、分校化の危機がささやかれ始めました。

そしてついに崖っぷちの状況に陥ってしまいました。

その間も地域との連携・協働の取組は続いていきます。

モデルのローラを感動させた裂織り、全国こんなものあるんだ大賞を受賞したみっちゃん大福、マーマレード世界大会アマチュア部門での最高賞受賞、

地元の海から塩を作りスイーツに利用したカフェなど。

 

2年前からは全国募集も始まり、何と分校化の危機を乗り越え、現在はV字回復している状況です。

地域づくりのカギを握るのは、「若者・よそ者・ばか者」と言われます。

様々な所から集まった高校生たちがまさに大活躍しているのです。

 

 最近の特徴的な取組を2つ紹介します。

1つは、みかんアルバイトです。

地域の柑橘農家は収穫時期を迎え、人手不足で困っています。

そこへ高校生たちがアルバイトとして手伝い、地域課題の解決に一役かっています。

これは高校生たちにとっても、農家にとってもWinWinとなっています。

 

2つ目は、秋祭りの出し物についてです。

昨年・今年とコロナ禍により秋祭りは中止されました。

そこで、地元の高校生をリーダーとして、一緒になって秋祭りの出し物を練習し文化祭で披露したのです。

唐獅子、五つ鹿踊り、浦安の舞を見事に踊りました。

会場からは、感動の声が上がり、「来年はうちの地区に来て、踊ってほしい」などの希望も出ました。

      

 

これらの取組は、誰一人取り残さない、持続的な幸せであるWell-being(ウェルビーイング)へとつながるものです。

 

最後にお知らせがあります。

現在、愛媛県南予地方の柑橘システムは日本農業遺産に認定されています。

それを今年度から世界農業遺産の認定を目指し、ネットワークづくりや取組が進んでいます。

学校、大学、行政、企業、農家、地域などが連携し、

農業、生物多様性、まちづくり、起業、環境、教育など、いろんな立場・視点から農業遺産をほりさげて、未来へつなげていきます。

 

本日の「かかわりをチカラに、つながりをカタチに」し、

来年は是非みなさまとお会いできることを楽しみにしています。

本日は大変ありがとうございました。』

 

        岬人(はなんちゅう)

 

 



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