10日ほど前、沖縄に住む長女が40度を越える高熱を出し、グロッキーしてしまった。
この時期に、しかも沖縄ということで新型インフルエンザが心配やったけど、そうで
はなく、どうも扁桃炎やったみたいで、昨日ようやく熱が引いて話せるようになった
らしい。久しぶりにテレビ電話で見た顔は痩せていて、ゴホゴホせきはしてるし、食
べ物もまだちゃんと食べられないということやったけど、とにかくほとんど寝たきりで
過ごしていたことを考えるとそれでも元気になったんやろう。
明日からは仕事に復帰せなあかんということで、大丈夫かいな、とは思うけど、それは
本人が決めることやし、親としては見守るのみや。
このことで、俺達親の気持ちについて少し書きたい。
まず最初、嫁にその旨の電話があり、嫁から俺に行ってやったほうがいいのかな?
という相談があったんやけど、その時俺は「行かなくていい」と答えた。
その理由は「一人暮らしの厳しさは病気の時に一番痛感することができる」から。
もちろん親として、40度以上の熱を出してる娘が心配じゃないわけがない。できること
ならすぐに飛んでいってやりたいし、辛そうにしている娘の声を聞いた嫁にしてみれば
いても立ってもおられへんかった気持ちもよく分かる。
でも何度も言うけど、親というのは「子供を成長させること」を何より第一義に考えなけ
ればいけない。今回のことは「遠い所で一人で暮らす苦しさを知る」という貴重な経験
をするには、ある意味「絶好の機会」でもあるわけやから、親が簡単に助けに行ったら
その貴重な経験をさせてやれないことになる。
メールは打てるし、病院にもなんとか一人で行ける。友達が見舞いに来てくれて、なん
やかやと身の回りの世話をしてくれる。冷静に判断すれば必ずしも安心、ということで
はないにしても、およそ命に別状があるほどの病状・環境ではなさそうなことが分かる。
ならば、苦しい経験と共に、病気が移ることも恐れず見舞いに来てくれる友達のありが
たさを知る上でも、親が行くべきではないと思ったのだ。
幸い、病状は回復に向かってはいるものの、CAという仕事上、マスクをして仕事をする
訳にはいかないらしい。だから今後も新型インフル感染等の心配は消えないが、なん
とか病気にならず頑張って欲しい。
昨日のテレビ電話では「頑張ったな」としか言ってやれなかったが、この一言には、こ
れだけの思いが詰まっている。このことをいつか親になった時に理解して子育てに生
かせてくれたら親冥利につきる。
いくつになっても、成長した子供の姿を見るのが親としての最高の喜びなんやから。