僕たちは一生子供だ

自分の中の子供は元気に遊んでいるのか知りたくなりました。
タイトルは僕が最も尊敬する友達の言葉です。

おおっ!

2012-02-07 | Weblog
ローザンヌバレーコンクールで、日本の高校2年生、菅井円加(すがいまどか)さんが、優勝した。

私はバレーの「バの字」も知らないが、何度か知り合いの子供さんバレー教室の発表会やテレビでのバレーを見ていて、その美しさには興味があり、ローザンヌが国際的なコンクールであることぐらいは知っていた。そこで、日本人が最優秀に輝くのはあの熊川哲也さん以来2人目だというのだから、そのすごさが分かろうというものだ。

選考に当たっていた吉田都さんの言葉が菅井さんの才能を物語る。
「特にコンテンポラリー(現代舞踊)では音楽をうまく使い、体のコントロールもダイナミックで、審査員の誰もが『おおっ』とうなりました」

『おおっ』には言葉の壁もなにもない。地球上の全人類誰もが皆、予測を超えた感動を覚えた時にはこのひとことで、十分他人に伝えられるし、また、それ以外の言葉も出てこない。
彼女の1位は、満場一致だったらしいが、世界の名だたる審査員たちが、思わず『おおっ』と唸った瞬間にそれは決まっていたのだろう。

昨日テレビで、ローザンヌ優勝の先人である熊川哲也さんが菅井さんに以下のメッセージを贈っていた。

「ローザンヌは、世界を目指す若きダンサーたちが夢から覚め現実を直視する初めての試練の場だ。アーティストとして通過点であることを心に留め、真にプロフェッショナルなダンサーとして世界に羽ばたくことを願っている」

名だたる世界的コンクールであるローザンヌ優勝を、「夢から目覚め現実を直視する場」とは、私のようなお調子者には予想もできない言葉であった。
バレリーナとしての彼女はようやく孵化した蝶にすぎないのだろう。“たかが”ローザンヌ優勝くらいで浮かれるな、という熊川氏の言葉に、思わず『おおっ』と唸ってしまったのは、私だけだろうか。