僕たちは一生子供だ

自分の中の子供は元気に遊んでいるのか知りたくなりました。
タイトルは僕が最も尊敬する友達の言葉です。

国民栄誉賞を竹馬の友に

2020-05-04 | Weblog
私には竹馬の友がいる。
今私は62歳。高校生の頃からの付き合いだからもう50年近いということになる。
その友は6年か7年前に大阪から故郷である徳之島に戻った。
理由はひとりで暮らしているお母さんの面倒を看るためである。
大阪での仕事をやめ、全く初めての農業を始めた。
始めた頃は仕事が終わるとクタクタになって、帰ったら玄関に倒れ込んでそのまま寝てしまったこともある。
お母さんは御年93歳。今年彼の家に寄せてもらってお話しをさせていただいたが、
50歳位の方と話をしているような錯覚に陥るほどお元気でなおかつ聡明で柔軟なお母さんだ。
彼の兄弟は兄さんが二人。そのお兄さんたちはお母さんに毎日電話をすることをもう数十年欠かしたことがない。
奥さんは一人(ま、普通(笑))。初めての農業を手伝い、主婦業をこなし、お母さんの面倒を看るスーパーウーマンだ。

友は口数が多くない。メールや電話もほとんどしない。
でも私が苦しくて苦しくてどうにもならない悩みがあった時、毎日戦場のような畑で作業をしている中必ず私の電話を取ってくれた。
お母さんは私に生きる勇気をくれる言葉をいくつもくださった。
彼のすぐ上のお兄さんには一時期非行に走った娘を助けてもらった。
奥さんは見てるだけで気持ちがいいほど働きもので尊敬に値する。

60歳を前に全てを捨て、徳之島に戻り、年老いたお母さんを大切に大切に守りながら、地を這うような生活をしている人がいる。
そして彼らは皆、決して愚痴などこぼさず、できない理由など探さず、自然を大切に、人の心を大切に人の尊厳を守りながら生きている。

今年の農業での収入は数十万だったそうだ。なんとか生きてるよと彼は笑う。

今まで国民栄誉賞を受けてこられた方々を決して非難するつもりはないが、
国民栄誉賞とは本来このような人たちに贈られるものではないのか。

橋下さんじゃないが、この非常時(2020年5月、まだコロナ恐慌の真っ最中)に、ロクに仕事もしないで数千万の給料をもらっている人たちがいる。
竹馬に乗っていた頃を思い出してよく考えて欲しいものである。