「遠い世界に旅にでようか、それとも赤い風船に乗って雲の上を歩いてみようか・・・」
このフレーズは、団塊の世代を中心に、中年ではこの歌を知らない人はおそらくいな
いであろう、西岡たかしさんの名曲「遠い世界に」の歌いだし。
それとも赤い風船に乗って雲の上を・・・は一般的にはちょっと分かりにくい例えではあ
るけれど、遠い世界のイメージとしては、実に分かりやすい表現やなぁ、と俺は思って
きた。
それは、“それとも”という接続詞はこの場合、“Or”ではなく“Is”に近い意味で、精神
的にも物質的にも、遠い世界への旅は赤い風船に乗って雲の上を歩くというほどに
遥か彼方にある憧れであり夢である、ということを言っているように思ってたから。
ところが最近はどうなんやろね。精神的な話はややこしいので、まず物質面の距離的
な話だけすると、世論で言われてるように、ITの普及で“遠い”世界がどんどん身近に
なってきて、誰も遠い世界へ“赤い風船に乗って”などという情緒的な発想をしなくなっ
た。行きたければ必要なインフラは十分に整理されてるし。
次に精神的なことを少し含んだ物質面で考えると、憧れの遠い世界で起こることには、
夢や希望というより、切なさを感じることのほうが多い。
たとえば、何百億と稼いで毎月何千万と使って遊び回って、5回も6回も離婚を重ね
てる人の図なんかは、雲の上から見たいもんやないわな。
そんな中、今もなお、赤い風船に乗って雲の上から見ていたいなぁと思う世界ががひと
つある。
前にもブログに書いたことがあったけど、最近嫁と嫁の友達・知人の間で大流行してい
る化粧品のこと。それを使っている人は皆明らかに肌がきれいになり、シミのあった人は
シミがとれ、黒ずんでいた肌が白くなり、という嘘みたいな話が目の前で起こっていて、
俺もにわかには信じがたいんやけど、間違いなくそれは現実。
こないだも、その化粧品を使ってる後輩の奥さんが久しぶりにウチにやってきたんやけど、
数ヶ月前に会った時より明らかに肌がきれいになったのが分かる。嫁が美容院に行って
俺の目の前で髪の毛をバサバサ揺らしても、それに気づかん俺が気づいたくらいやから
その効果のほどはえらいもんや。
その日は別の友達家族も含め、3家族が集まってたんやけど、嫁達はお互いを「きれ
いになったねぇ~」などと褒め称えながら、その化粧品の正しい使い方を勉強したり、
その周辺の話をしたりで約3時間くらいしゃべり続けたはった。
旦那達は、嫁達が市販の化粧品より高いとはいうものの、法外な価格でもない化粧
品を使うだけできれいになっていくのに異論があるはずがないので、皆それを笑いながら
ボーと見てたけどね。
女性にとって、「きれいになる」というのは、何よりも優先される夢であり憧れであるので、
その効果は計り知れない。当然きれいになれば自信も生まれ、自信がさらに自分をき
れいにする。性格が暗かった人も明るく社交的になり、元々明るく社交的やった人は
もうアホかというくらい明るくなることやろう。当然ご機嫌もよくなるから旦那への風当た
りも扇風機の超微風程度になる。ただ、強風が欲しい時に超微風やったりすることも
あるけど、それはまぁ甘んじて許さねばなるまいて。
そして、その効果を肌で感じているうちに、俺の頭頂部の肌も何かを感じ始めていた。
「ひょっとしてこのメーカーのシャンプーを使ったら毛が生えるんちゃうん?」と。
まぁ、ホンマに150%カミに誓って今更髪の毛なんか欲しくはない。前にも書いたよう
にシャンプーは手っ取り早いわ、散髪代はいらんわ、笑いはとれるわ、で俺にとっては
髪がなくて困ることなんて、その昔におねえちゃんにハゲはキライと言われたこと以外に
何もない。
でも、世の中ハゲで悩んでいる人は数多く、俺のような考え方をしてる人はハゲの中
でも超少数派。もし、髪の毛が生えるシャンプーがあるなんてことになろうもんなら、そ
らものすごい反響があるに違いなく、俺は一躍、彼らのカミとして崇められることになる。
それってとっても楽しそうやん。きっとオカネも儲かるで。毎日のシャンプー代なんて、わ
ずかなもんやし、大体生えんで元々やねんから、何も失うもんはないし。
ということで、そのシャンプーを始めました。これから毎日シャンプーの前に頭部の写真
をデジカメで撮り、その記録をつけていく予定です。このブログにも最初の状態と、途
中経過を掲載します。
「遠い世界への旅」それは、赤い風船に乗って雲の上から、俺は嫁達の起こす風を
感じ、嫁達は俺の頭頂部を見学すること。ささやかでバカバカしいけど、そんな世界
なら少しくらいは見ててもええやん?
まぁ、この旅が終わる頃、俺の頭頂部は間違いなく「終着駅」やとは思うけど。
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