僕たちは一生子供だ

自分の中の子供は元気に遊んでいるのか知りたくなりました。
タイトルは僕が最も尊敬する友達の言葉です。

時代の竹馬

2020-05-09 | Weblog
徳之島にいる竹馬の友とは高校一年生の頃、偶然同じクラスとなり出会った。
なんとも自然に人の心に入ってくるヤツだった。
何百人も友達がいるんじゃないかと思う位、全ての人を惹きつけるヤツだった。
とてつもない運動神経の持ち主で、ラグビーの名門高校だったが、特に運動部に所属していない彼のほうがラグビー部員よりラグビーが上手かった。
普段は至って見かけも言動も普通なのだが、学校の悪ガキ達からも一目置かれるほど喧嘩が強かった。一緒に電車に乗ったら明らかに性質悪そうなヤンキーにメンチを切って相手に目を逸らさせた。私はその傍でドキドキしていただけだった。
本当に肝の据わった男。男の中の男とはたぶん彼のことを言うに違いない。
読書家で国語が得意で国語だけは全国模試でも結構上位に入っていたなぁ。
たばこも酒も全部彼から教わった。母はだから最初彼を嫌っていたけど(いつの日か認めてくれていたが)。
女の子とのことも悪いことも何もかも一緒にした。
女の子にはもちろん、男にもとにかくモテた。
卒業し、初めて彼が買った車がカローラDX。デラックスちゃうねんぞ、これはディーエックスと読むんや、などとほざいていた。
二人で夜な夜な車で走りに行って、人には言えないようなこともした。この頃になるとドキドキはするものの、一緒に悪さができるようにもなっていた。

同じ大学に通い、私は中退して社会人に、彼は卒業して社会人になった。二人共偶然今の伴侶と出会い、私が一足早く結婚し、彼もほどなく結婚した。偶然子供はどちらも二人ずつ。どちらも女の子が二人。そのあとはこれまでのブログにも書いてあるように、彼は大阪での仕事を捨て、本当に何百人もいたであろう友人を捨て、徳之島に戻りお母さんの面倒を看ながら農業をして生きている。

先日、久しぶりにラインをしたら、大きな問題を抱えて苦しんでいるようだ。なぜか私も全く同じ時期にほんとによく似た問題を抱えて悩んでいる。偶然何もかもが彼と同じように私の周りで動いている。

私たちは本当に竹馬に乗って一緒に遊んだ訳ではないが、共感や発見、希望や失望という竹馬に乗って一緒に歩んできた。
彼に出会ったのは偶然だったし、その後起こったことも偶然なことが多い。だだ、偶然は意思の力で必然に生まれ変わる。
彼も私もどうやったら人として全うに生きていけるのかを考えていない日はない。だから彼と私は必然的に同じような道を辿っている。
同じ苦労を抱えるのが必然ならば、それはこの時代の私たちに与えられた竹馬だ。友よ、また一緒に乗っていこうじゃないか。


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