朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

第102回出没!ラクゴリラ

2013年03月02日 21時04分20秒 | 落語・講談・お笑い
水曜は「ラクゴリラ」へ。

開場時の集まり具合を見ていると客の入りはあまり良くないか、と思っていたのだが、
結局80人程度は入っていたかな。


「寿限無」(眞):△+

「女性っぽく見えない」ことから子どもの話をしてネタに入る。
自分の容貌をネタにするのは安易であまり好きではないのだが、
客と共通認識は持ちやすいだろう。

ネタは九雀ラインのもの。
出世魚、チャーリー田中や、
途中での「呼びに来る」「試験」「緑のペン」など、そのまま。
もう少し遊びも入れて欲しいところ。
前座だから仕方ないかも知れないが。
「言い立て」ではなく、「長い名前を巡ってワアワア言うネタ」であり、
それはそれで良いと思う。

和尚さんが色々名前を紹介していくところ、
「五劫の擦り切れ」や「海砂利水魚」の説明は入れていなかったのだが、
「説明する→くさす」の繰り返しと
その後の「全部付ける」転換を利かせるためにも、
入れておいた方が良いと思う。

全体に表情が豊かと言えば豊かなのだが、
表情の付け方や変化の激しさなど、
若干不自然と感じるところもあった。
声が大きいのは良い。


「寄合酒」(生喬):○-

ラクゴリラのメンバーが「2人2人で別れることが多い」という話。
タカラヅカの話を出さなかったのは、個人的には良かった。

酒を飲む人と飲まない人、といった話からネタへ。
松喬ライン(ドモリが出てくる)をきっちり演っている印象。
最近時折気になる「待つ間」もあまりなく、
個々のギャグだけでなく、リズムと繰り返しでウケをとっていた。
ドモリに対して、松喬に比べて少しキツいツッコミが入っている、
とも感じた。

「喰らわす」ところは個人的にはけっこう不自然に感じることもあるのだが、
普通はあまり気にならないものなのかな。
よくウケていた。
「すりこ木」までやらず、
「鰹節」まで。


「池田の猪買い」(文三):○

マクラで師匠文枝に色々叱られた話。
文枝のボキャブラリーの面白さを上手く伝えている。

全体に声が小さく、
仕草や表情付けも後ろの方までは伝わっていなかったのでは、とも思うが、
細かい部分に色々工夫をして面白くしていた。

ただ、最初の「体がのぼせる→灸では治らない(そりゃそうだ)→猪が冷えに効く」
あたりがよく分からない。
結局アホは体がのぼせているの?冷えているの?
灸はどちらに効くの?猪はどちらに効くの?
というところがあまり整理されていないように思う。

アホというよりイチビリ、「要らん事言い」が自然に出ているのは良い。
「七回転んだ」で「七転び八起き」と言っている、とか、
「池田行く道分かっているか?」に対する「大体分かっている」の言い方や
後の「友達が行った」と混ぜ返す団子理屈、
本当に急いでいる「産婆はんを呼びに行く」男に対する喋り掛け方。
牛を連れた百姓との会話も引っ張る。
或いは山に上がって「ははあ」と言う六太夫さんの手を掴んで
「ほほう」と返したり、
狙いを定めている六太夫さんに対して喋り掛けてしまうところ。
ずれている感じがよく出ていた。
そこがしっかり描けているので、
それに対するツッコミを少し冷たくしても「仕方ないな」と思える。

「鮨屋で食うと思うか食わんと思うか」を入れていなかったが、
あくまでも「甚兵衛さんに教えてもらったことを確認する」スタンスだから、
入れなくて済むのであれば入れない方が良いと思う。
この日の運び方、アホのズレが滲み出て伝わっている高座ならば、
特に入れる必要もないだろう。


「喧嘩長屋」(花丸):△+

マクラで「長屋ネタ」とお願いしたらこのネタを付けて貰った経緯。

ネタは、喧嘩が激しくなり、広がっていく感じが弱かったように思う。
夫婦の喧嘩が盛り上がる
→家主が入って少し収まるが、話す内に先程よりさらに盛り上がる
→他の店子が入って少し収まるが、また先程よりさらに盛り上がる、
と徐々に波が高くなる必要があると思うのだが、
それぞれの喧嘩での盛り上がりが不足していること、
他の人が入って収まった時に収まり過ぎてしまっていることから、
喧嘩を繰り返すに連れて盛り上がりが大きくなる、
という感じにならなかった。

それぞれの喧嘩の中で「もう一遍言ってみい」のような
怒りを表から内側へ引っ込める科白があるのだが、
そこで引き過ぎたり、抜けてしまったりしているのが
充分に盛り上がっていかなかった原因の一つではないか、と思う。
あくまでも怒りの感情は強く持ったまま、
内側へ引き込む時に密度を高める必要があるだろう。
また、表に出して盛り上げていく際も
徐々にスピードを上げたり間を詰めたりする、
といったテクニカルなものが必要なのでは、と感じた。

あまり演り慣れておらず、感情の押し引きや如何に見せるか、というところに
気を回せていないのかも知れない。
細かい科白には面白いところもあったのだが。


「愛宕山」(南天):○

軽くネタ下ろしの会などに触れて、ネタへ。

最初に春の情景をさらっと描いて見せるのだが、
これが非常に楽しげなこと、絵画的であること、がこの人の良いところ。
暖かい空気がふわっと浮かぶ。
これは枝雀を写しているところなのだろう。

ネタは一生懸命演っているのだが、山登りで体力を切らしてしまい、
後半に押さえが効かなかったり、単調になってしまったりした、という印象。
気持ちで進めるから仕方ないところはあるし、
無論、あまりしんどくなさそうに登り切ってしまうより遥かにマシではあるが。
山登りでは、疲れ始めるまでがけっこう長い気がする。
もう少し早く疲れ始めた方が良いのでは、と思う。

大坂の幇間と京の旦那、という対比だが、
個人的には、
京の旦那はさして大坂の人間を気にしていないが
大坂の幇間が勝手に意固地になって喧嘩を売る、という空気が
もう少し濃い方が好み。
若干京の旦那も大人気なく応対していたように思う。
「大坂には山がない」とか、
もう少しフラットに言っても良いかな、と感じた。

かわらけ投げで旦那がけっこう大人気なく楽しんでいたが、
もう少し軽く余裕を見せてやる方が良いかな。
その方が大人げのない幇間との差が出るだろう。

飛ぶ際の逡巡や実際に飛ぶところ、
拾って上がってくるところは少し単調だったかなあ。
これは体力配分の問題かも知れない。

全体には、やはり絵が見えるのが良かったと思う。
遥かに見える京の町、
緑の中に立つ的、
その後では小判が緑の中で光っている様子など。

熱演、だった。
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3月1日(金)のつぶやき その2

2013年03月02日 01時22分50秒 | つぶやき

クーンの「社会構成論」。真理に抵抗する頑迷な既成権威を破壊する、といった破壊力は望むべくもない。私自身は学問が「役に立たなければならない」という前提に懐疑的だから、「夢と禁欲」と言われれば夢を忘れるな、と思ってしまうのだけど。


啓蒙期の科学が教会的学問に見た「組織護持」の退嬰。そして、科学が組織護持を優先しているように見える現代。「批判精神」を取り戻す必要はないか?或いは求められている「有用性」なるお題目が、近視眼的、状況依存的なものであることを抉り出す必要はないか?


職人とアーティストの違い。技芸とアートのせめぎ合い。ただ作品は没後も残るが、残らないものに生涯を賭けるアーティスト、というのはどのように評価されるのか。時代との切り結び方。


日本で中国製品の不買運動をやっても同じことになりそう。尤も「感情に任せて行動するのは困る」と言わずにむしろ煽るバカ新聞社は、彼らが嫌う韓国にも劣るけど。>時事ドットコム:不買運動の開始宣言=国民冷静、掛け声倒れも-韓国 jiji.com/jc/zc?k=201303…


バカ丸出しですな。しかし、京都府警の亀岡警察署内で逮捕とは、大阪府警もなかなかえげつないことをやりますなw >恐喝容疑の49歳警部補は既婚、交際の女子大生には「京都在住の不動産業者」 - MSN産経ニュース sankei.jp.msn.com/west/west_affa…

kkmaruさんがリツイート | 25 RT

「映画の中で説明しない。説明すると意味が限定されてしまう。観ている人にもっと想像して欲しい」。これは映画に限らず、落語でも同じこと。

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「間抜けの構造」(ビートたけし)読了。お笑い、テレビ、映画といった自身で体験してきたものから、スポーツ、さらには人生論まで「間」を視座に語っていく。客観的、俯瞰的に自身の「間」を捉えられるか、といったあたり。一読の価値はあった。最初の「間抜けな」弟子の話はなくても良いかな。


グレン・グールドは1932年生まれ。ブレンデルが31年、マゼールが30年、アバドが33年生まれ。早く亡くなっているからでもあるだろうが、もっと若いイメージがある。


そこそこCDをiTunesに落とせた。明後日試験だってのに(笑)シフラが6枚、ルービンシュタインが3枚、アラウが2枚、その他バックハウス、グルダ、フライシャー、パスカル・ロジェ、内田光子。


IOCのエラいおっさんが東京視察のため来日して、それを旗降って出迎えしてる小学生の一団、周りの笑顔の大人達、というニュースの絵を見ていると何とも微笑ましい気分になり、ぜひ東京五輪、みんな頑張っているのでぜひぜひ落選してはしゃいでる奴ら全員ズッコケて欲しいという抑えがたい欲望が…。

kkmaruさんがリツイート | 13 RT

多数の意見は隠して外国向けに子どもに旗を振らせるとは、まるで北朝鮮のようだわい。


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3月1日(金)のつぶやき その1

2013年03月02日 01時22分49秒 | つぶやき

起床。2月は逃げ、去ると云う3月に入りぬ。まずは今週末の試験、その後は読書などで生活リズムを安定させていかねば。


現実的なのかも知れないが、非正規→准正規の待遇改善ではなく、正規→准正規の待遇改悪が進みそうな気もする。>「准正規労働」で待遇改善、無期雇用で賃上げ : 社会 : YOMIURI ONLINE(読売新聞) yomiuri.co.jp/national/news/…


毎月の「クーリエ・ジャポン」と「コーチング」(落合博満)を購入。前者は特集は私が求めるのと違う方向なんだが、通常連載が良いので買っている。後者は落合の監督就任前の本で、これも良さそう。じっくり読んでいきたい。>「コーチング」 [楽天] a.r10.to/h7BeV5


将棋:名人戦順位戦A級 きょう最終局 羽生、2期連続挑戦決まるか mainichi.jp/feature/news/2…


芸者の意気、「おきゃん」への憧れ。明和安永の文人の仕掛け、という側面もあり、元ネタは明末清初の美妓たちの振る舞い。


小野小町に代表される驕慢な「拒む女」の系譜。白拍子や遊女を経て、江戸の町芸者に行き着く。


独立した原子力規制委員会による安全確認が大前提。そこが歪むと、結局震災前の原発植民地の犠牲の上の繁栄、砂上の楼閣が復活することになる。>東京新聞:原発再稼働を首相明言 施政方針演説「安全確認後に」:政治(TOKYO Web) tokyo-np.co.jp/article/politi…


「教える側は教えることに、教えられる側は教えられることに慣れ過ぎている」。時間効率性を求めて「指導」し、「答えを求める」。「ゆとり教育」は時間的な余裕を与えることで、自ら学ぼうとするようになる、という狙いだったと思っているのだけどなあ。


すぐに結果を求めないのが重要。ある意味、プロよりも「3年」や「4年」と年限が限られている学生アマチュアの方が早い結果が求められ、結果的に体罰に繋がりやすいのかも知れない。だからと言って部活動廃止、もないと思うが。


悪い部分と悪い部分が上手く補い合って良い形になっている場合もある。悪い部分を矯正することで、最終的な形が崩れてしまう恐れ。


デフレ克服とは物価上昇。しかし賃金は上がらない。「賞与で対応」と言っても、非正規雇用者には賞与は支給されない。「三本の矢」は次々と貧乏人を貫くのか。>時事ドットコム:デフレ脱却へ「光明」=三本の矢で強い経済-甘利経財相 jiji.com/jc/zc?k=201302…


元々、芸者には美貌は求められていなかった。主役である遊女の「引き立て役」であり、色気のない帯・紋付小袖、帯は解く必要がないのだから後ろ結び、島田髷は若衆の髪の結い方。

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【更新情報】商品続々値上げ スーパー各店、「脱デフレフェア」はじまる kyoko-np.net/2013030101.html

kkmaruさんがリツイート | 142 RT

雲行きが怪しいので外出せず、制度概要やら税額計算やらの問題解き終了。まあまあ。明日と明後日の午前で、間違えた箇所の見直しや説明問題の練習、参考書の方に付いていた事例をやってみる、など。


客観的に、或いは俯瞰的に見られないのが「間抜け」。他者との間の取り方が拙い。


本を読みつつ、iTunesに落としていないCDの処理中。何枚くらいあるのだろう…。


次は「対馬を正当に日本が取得したことが確定するまで、対馬は韓国が占領する」とか言ったりして。北朝鮮と国交正常化して、韓国に圧力をかけるのも手(笑)>時事ドットコム:対馬で盗難の仏像「返還ダメ」=地裁が仮処分、外交摩擦も-韓国 jiji.com/jc/zc?k=201302…


@oka_panda 保全権利の存在の疎明がねえ。「うちの寺で作られた」だけを主張しているのか、何らかの不当な略奪があったことも言っているのか。


漫才の間の調整、コントロールはツッコミの役割。ボケがボケつつ全体のコントロールを始めると、相手は「うなづき」「相槌」だけの人になるのかな。


個人的にはジーコの「唾吐き」退場。ヴェルディが読売であり、憎たらしいほど強かった頃。>【日刊SPA!】Jリーグ開幕20周年記念【4大ニッチ事件簿】 nikkan-spa.jp/396269 @weekly_SPAさんから


「こうやれば客が笑う」マニュアル的思考ではなく、笑わなかったときに「ここが悪かったのでは?」と考えて潰していく思考。消去法的に。


漫才のスピードアップ。ボケのみならず、ツッコミのスピードも早くなり、手数が増えている。それがダイレクトに面白さにつながるか、というと、単調になる場合もあって難しいところ。速い≠間が良い。


弁護人GJ! RT @saltmater: 私のiPadです。大活躍。“@nobu2794: 勝訴アプリ使ってるの初めて見ました(笑) bit.ly/Wv6BhQ  RT 八田さん、無罪会見にゃう pic.twitter.com/97JJnwykN9

kkmaruさんがリツイート | 128 RT

漫才は舞台では普通に喋るのではなく、怒鳴っているくらいの感覚。息も大きく使うので、大きく吸わなければならない。息継ぎのタイミングも考えておく必要。


「名妓の夜咄」(岩下尚史)読了。戦中から戦後に掛けて活躍した新橋の芸者の聞き書き。その前後に歴史的な話なども付く。新橋メインであり、特に上方ではまた違う部分もあるかと思うが、一流の土地での芸者のあり方、客との関係、芸者に求められることなどが書かれている。

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