日曜は大淀町の「あらかしホール」へ。
前売2000円でざこば・南光二人会は割安なので。
12時半開演、という奇妙な時間なのだが、
11時半頃着いたら既に200人くらい並んでいる。
まあ、大きなホールであることもあり、後ろの方に席をとった。
「動物園」(小鯛):△+
丁寧な前座。
ところどころに手を付けているが、程好いところ。
最初の条件付けで
徐々に「働きに行くのにムチャな条件を付ける」という印象を
与えられるのが流石。
悪そうな男の子を驚かせるのに犬で吠えてしまうのは普通だが、
その後ライオンが入ってきたときも同様に吠えてしまうのは良い工夫。
自然で良い。
「かわり目」(南天):△+
ベタな酔っ払いのマクラからネタへ。
最近はあまり俥では帰ってこないのかな。
「終わらない歌」を歌って帰宅。
酔っ払いのうだうだは普通。
特に不快にならずに聞けた。
おかみさんのことを色々言うあたりは
少し長く濃いかなあ。
もう少しあっさり演る方が好み。
「義眼」(南光):△+
ぎんさんの娘4姉妹の話や医者の話などからネタへ。
以前にも聞いたことがあるネタだが、うーん、あまり好みではないなあ。
親切と言えば親切だが、ちとクサい。
「新しい目を入れておいたのですが、ガタガタしませんかな」という入りについて
色々説明したり、
松島で隣の酔っ払いが「全部飲み干したろ」と言って
水と義眼を飲み干したり、
「物理的に妨げている」とまで医者が言ったり。
丁寧に説明されている分、個人的には少しグロテスクに感じてしまう場面があった。
「豊竹屋」(米左):△-
久し振りに見た。
マクラで歌舞伎の話、義太夫の話。
基本的に早口で小声、文末だけ声を張る不自然な発声、
特に大ホールで反響するので非常に聞き取りづらい。
細かい部分で頭で作ったようなギャグを足しているが、
聞き取れなければウケるはずもない。
ネタはクサく作られている。
もっと自然に「義太夫」「三味線」が滲み出てくる人、だと思うのだが、
語ろうとして語っている感じ。
まあ、そんなことを言うと
二人で掛け合う部分の話の内容そのものが不自然だから、
何を言っても仕方ないのかも知れないが。
ネタのために設定を作っているようで、好きになれないネタではある。
どうせならば、掛け合いの部分でオリジナルのギャグを足すべきだろう。
「青菜」(ざこば):○
家庭で嫁さんや娘に相手にされていない、といった話をして、
特に繋ぎの科白なしにネタへ。
このマクラの内容が「青菜」の夫婦関係と重ね合わせになっており、
さらっとテーマに関わるマクラを振るところが流石。
ネタは隠居さん、植木屋の「酒好き」なベース、
植木屋さんの職人らしい武骨さや愛嬌が自然で良い。
特に強くギャグを押す訳でもないが、
科白が自然に出てくる感じによくウケていた。
「まっちゃんが風呂誘いにくるので」といった真似をする設定を
隠居さんにまで喋る必要はないかな。
少しクドく感じる。
帰宅していきなり「膏薬張り替えて」も自然で良い。
おかみさんを中に押し込めての植木屋さんとまっちゃんの掛け合いも
「嬉しがってやっている」感じがよく出ていた。
まっちゃんの「植木屋はお前や」の繰り返し、
科白を入れる前に上下を振って表情を付けるだけで
ウケを取れるまでに持っていけていた。流石。
「義経」に対する「弁慶」、
単に「弁慶」ではなく少し科白を足していた。
本来は単に「弁慶」がベストだと思うのだが、
おかみさんが「義経」まで言った時にけっこうウケが来てしまったので
言いそびれてしまったのかも知れない。