朝寝-昼酒-夜遊

日々感じたことを思いのままに書き散らすのみ。
※毎週土曜更新を目標にしています。

らくご道(2013年3月初日)

2013年03月07日 05時08分57秒 | 落語・講談・お笑い
月・火と2日連続で「らくご道」へ。

「ワッハ上方」の閉鎖、というか改築が決まり、
会場である4階「上方亭」がなくなるため、
それに合わせて「らくご道」も3月で(いったん)終了。
そのため2日連続で開催された。

月曜は18時に4階に上がったのだが、既に20人近く並んでいた。
「最終回が近付くに連れて客が増える」という、
如何ともし難い状態。
結局かなり補助椅子も出て、50人以上入っていたのではないかな。


前説(生喬)

軽く宝くじの話、
「米糠酵素風呂」を体験した話をたっぷりと。
感情をかなり強調して語り掛けてくるのだが、
客も気になっている箇所なので、スムーズに受け入れられている印象。


「煮売屋」(南天):○-

第1回からの「らくご道」の会場の移り変わりなどに軽く触れる。
徳徳亭に触れていなかったんだが、何かあるのかねえ。
単に忘れただけなのかな。

ネタはごくあっさり、程好くきっちりと。
「愛宕山」同様、地の喋りで春ののどかな雰囲気を出すのが
この人の魅力。
会話のリズム、喋り方、ツッコミの押し、引きのタイミングも恐らく習ったままで、
特に感情を強く出す訳でもなく、
個々のシャレやギャグを受けさせるために過剰に押してくることもなく。

酒を頼む前に小拍子を打つのだが、まあ、良し悪しだなあ。
食べ物を受け取ってさらっと「酒はないのか」と聞けば良いのでは、と思うのだが、


「らくだ」(生喬):○

駱駝の説明を軽く振ってネタへ。

全体的には、
酒を飲み始めるまでが非常にしんどく、
飲んで転換するところは良かった。
ただサゲ前の部分はあまり良いとは思えない、という感覚。

酒を飲み始めるまで、笑福亭の「らくだ」は30分あると云い、
実際にそうなのだが、これが非常にしんどい。
ただ同様に30分以上かかっている6代目ではしんどさを感じないので、
「30分」という時間そのものが理由ではないと思う。
1つには、自然な会話と言えばそうなのだが、
聞き返したり言い直したり返事をしたり、といった応酬で科白数が増えていること。
そして、それらの言葉もあまり軽く流さず言っているため、
全体に平板になっているように感じられてしまうこと、が原因では、と思う。
この人の芸風として、押すところが多いのだが、
押さない部分があまりないので強調するためには強く押し続けなければならない、
結果強弱の差が小さくなっている、という感じ。

「らくだが死んだ」話を聞いた3人の対比、
全員がいきなり喜ばずに一瞬疑って見せるのだが、
誰か一人くらい最初から喜んでしまっても良いのでは、とも思う。
家主が因業な、この貧乏長屋に巣食って嫌がられている感じ。
「裏に回れ」くらいを言っても良いかも知れない。
また、「かんかんのう」に向けてらくだを担ぐ際や
踊らせる際の重さの描写がけっこうリアルで良かった。

飲んで転換していくところ、
表の店から裏長屋に逼塞して新しい嫁さんをもらう、といった話は
若干長くてしんどいところもあるのだが、
前の嫁さんを「25」で死なせてしまったこと、
娘が酒を割ってしまって、といった話で「己への反省」のようなマイナスの感情が出る、
これで「感情を抑えていた」歯止めがなくなる、
そこから熊に対する感情もそのままぶつけるようになる、という流れで
これはこれで違和感なく聞けた。
全体に紙屑屋が俯き加減で、酔っていく表情をあまり見せないのは少し勿体ない。
また、熊に対して「良い死に方しない」といった本音を言っていくところで
若干の遠慮がけっこう後まで残っている感じ。
また、紙屑屋の話が熊が話しかけたことに対して応答して進んでいくところがあるが、
それなしに、勝手に酔ってぐずぐず言っていく方が好みではある。
元々の店を潰してしまった理由も「相場に手を出した」と言っているのだが、
個人的には酒だけで潰してしまう、と言う方が好み。

熊も屑屋に対して「弱くなっている」というより、
単に酒が回っている、という感じで良かった。
膝を立て、それをらくだの頭に見立てて剃るのは松喬が始めたのかなあ。
やけにそこだけリアルになり、これはこれで面白いが、
そのために袴を付ける手間に見合うとは思えない、という感覚。

早桶を担いで出る。
途中のお店で香典代をせびるあたりは良い。
後で拾うタイミングではなく、
橋の上を通りかかって落とすタイミングで「願人坊主」の説明をするのは
少し早いかなあ。
拾った時に蓋を底にしてその上に願人坊主を乗せるのは良い。
あと、早桶を火にかけて番人、熊、紙屑屋の3人で飲んだり、
番人がらくだの話を紹介したり
「冷や」の仕込みかも知れないが歌ったりするような設定は好みではない。
特に、紙屑屋が番人に対して弱くなっている様子があり、
折角逆転したのにここで戻すのはあまり筋が良くないと思う。
別に熊と紙屑屋が帰ってしまった後で
番人と願人坊主の2人の酔っ払いの軽い絡みでサゲを付ける、でも
良いと思うのだが。

個々の人物では、
熊にしてもらくだにしても「鼻つまみ」どころか
別世界に生きている人間なのだと思うのだが、
そこまで「触れれば切る」冷たい空気をまとった人間、という感じではない。
熊が紙屑屋を脅す際も、力を見せ付けるのではなく、
「何をするか分からない、底知れぬ不気味さ」メインで、
ところどころで力を見せる、という作りの方が好み。
紙屑屋は最初の「くずたまってん」がやけに軽く、
「へっつい幽霊」の若旦那みたいに感じてしまったのだが、
この段階から、酒で身を持ち崩し、
人に下に見られる「紙屑屋」にまで身を落としている汚れ、
元々は船場の主人である、という矜持と、
それを発揮できない鬱屈のようなものがあるのが、
このネタの本来の姿なのかな、と思う。
それがウケにつながるかどうか、はまた別の話だろうけど。

# 「らくだ」というネタって、
 らくだの死をきっかけとして
 「堅気の衆とヤクザが交流せざるを得なくなってしまった」悲喜劇、
 というのが私の印象か。
 「出会うはずのない二人が、出会ってしまった」のような。
 その中で紙屑屋は、
 カタギでもあり、ヤクザと共感できるような鬱屈も抱えている、という
 位置付けだと思う。


対談「夕焼け日記」(生喬・南天)

ネタの話を軽く。
「いろいろ考えて手を付け、結果裏目に出る」経験も
若いうちは要る、というのは面白いな。

あとは「ワッハ」の話から、
「海の時空館」など、他の閉鎖される施設の話。
コメント
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3月6日(水)のつぶやき

2013年03月07日 01時22分40秒 | つぶやき

0-5で敗れたのが大きかったのだろう。若干、「ざまあみろ」と感じなくもない。竹島を正式に日本に引き渡せば、日本の代わりに二次予選に進出させてやる、とか(笑)>時事ドットコム:台湾、オランダが2次Rへ=前回準優勝の韓国は敗退【WBC】 jiji.com/jc/zc?k=201303…


録画や録音を拒否するのは取調べが下手くそなのがばれると困るからだ、と思われちゃうよ、検察官様。>【PC遠隔操作事件】警察も検察も、これで大丈夫なのか…(江川 紹子) - Y!ニュース bylines.news.yahoo.co.jp/egawashoko/201…

kkmaruさんがリツイート | 78 RT

起床。落語会×2、歌舞伎の感想を早めにまとめておきたし。


年金アドバイザー試験、表紙でアンケートがあるのだが、そこで「参考までに」と「社労士の資格を持っていますか?」と訊かれたのが興味深かった。意識しているんやねえ。


「ユシチェンコが毒を盛られて、短期間で変貌してしまった」話を思い出す。ウィキリークスに期待しつつ、合掌。>時事ドットコム:チャベス大統領死去=がん闘病、復帰かなわず-反米の盟主・ベネズエラ jiji.com/jc/zc?k=201303…


金・土・日と同一プログラムの定期演奏会をやり、月曜に同一曲をレコーディングするバーンスタイン。コンサート前のリハーサルにレコーディングを組み入れておくカラヤン。レコーディングやライブをどのように捉えるか、スタンスの違いが興味深い。


「シンフォニー・オブ・ジ・エアー」って名前は聞いたことがあるが、トスカニーニのために作られたNBC響がその引退によって解散させられたため、そのメンバーが自主結成したもの、なのか。その後、これも解散。


グールド+バーンスタインNYフィルの「ブラームスPC1番」。バーンスタインのスピーチの内容と、「ピアノ協奏曲」スタイルにおけるピアニストと指揮者の関係、という二つの次元。「事件を好むか」は性格だけでなく、「集客」に対する意識の違いもあるのかも。


言葉(ここでは方言、の意味か)が作者の体に染み込んできた時、初めて人間が書ける。登場人物が動き、喋り、お互いが会話を始める。


同化と異化。緊張と緩和、或いは「どんでん」「合わせ」との関係。


他人事の不条理劇と、日常の台詞の応答を通して不気味な世界へ行ってしまう不条理劇と。身体の奥底が揺すぶられる気持ちの悪さ。喬太郎に感じることはあるな。

1 件 リツイートされました

移植された人間が移植された臓器を使いこなすのではなく、移植された人がその臓器に支配される。逆転の思考。


肖像権を最高裁がはじめて認めたのが京都府学連事件であることを考えると、しみじみする。RT @kettansai: デモ中の写真を撮られた在特会が「肖像権の侵害だ、写真撮るな」と主張してる模様。いやぁ・・・まぁ、その・・・何というか・・・

kkmaruさんがリツイート | 22 RT

1票の格差訴訟:12年の衆院選は「違憲」判断…東京高裁 mainichi.jp/select/news/20… あー、事情判決の法理かー…。分かるのはわかるが、この問題についておよそ司法の解決を放棄するってことだよなあそれ

kkmaruさんがリツイート | 1 RT

これで各裁判所は安心して判決できますね。「別紙東京高裁判決記載の通り。」

kkmaruさんがリツイート | 9 RT

フルトヴェングラー夫人のエリザベートさん102歳で死去。bild.de/unterhaltung/l…

kkmaruさんがリツイート | 49 RT

「グレン・グールド」(中川右介)読了。コンサート活動をしていた頃メイン。J・ディーンやプレスリー、サリンジャー、サガンなども示し、グールドが活動する時代のイメージを膨らませている。演奏家によるライブの位置付けの違いなども興味深い。仕方ない点はあるが、尻切れトンボの感はある。

2 件 リツイートされました

なんか新しいラブプラスはソーシャルゲーらしいが、課金しないと進展しない彼女とか現実と一緒じゃん・・・

kkmaruさんがリツイート | 13 RT

どうも、「けしからん、処罰しろ」と正義面することができないんだよなあ。その被疑者を処罰しようがしまいが私には関係ない、と思ってしまう。処罰したところで、私や私の周囲の者が被害を受けなくなる、とも思えない。


「マインドコントロール」と「洗脳」の違い。物理的、身体的に強制的な方法を用いるか否か。


ブックオフで簿記1級の仕訳の本を買ってしまった。チェックシート形式になっている物。別に勉強する心算ではなく、何か辞書的に使えるんじゃなかろうか、と思ってのこと。2級と重なる部分もあるんやね。


コメント
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