月曜夜は動楽亭へ。
数ヶ月に一度の小鯛の勉強会。
30人程度の入り。
開演までお囃子などでなく、何故か米朝の落語が掛かっていた。
「二人ぐせ」(小鯛):△
マクラで軽く「21時までに終わる」話、
そのために前座をカットした、という話など。
最近「野外の仕事が続いている」という話とその余興の辛かった話を軽く振り、
「くせ」の付き物のマクラを振ってネタへ。
ネタは可もなく不可もなく、というところ。
羊羹を待っている小林先生の描写など少し変えていたが、
特に特徴的と言える程のものはなかった。
全体には、やや流れ気味。
やはりこのネタ、大ウケするのは難しいなあ。
「天狗さし」(二乗):△+
後輩の会に呼んでもらったゲスト、という話。
「かませ犬」など、若干自嘲気味な点もあるが、
全体に楽しそうに喋っている。
少し米紫にも見られる語尾の「ね」を押す喋り方が引っかかる。
ネタはアホ(イチビリ)のニンや押す様子が良く、
それを受ける甚兵衛さんの聞きつつツッコむバランスも良かった。
テキストとして
京都で「天狗の出る場所」を聞く際に「天すき」を出すのは
その前後の「天すき」を隠す台詞回しや気持ちとは整合性がとれておらず
違和感がある。
またこのネタ、京都の人には大阪弁ではなく京言葉を喋らせるイメージがあったのだが、
それはやっていなかった。
まあ、ここはどちらでも良いかな、と思う。
捕まえた「天狗」を持って街に降り、
坊さんと絡めて「天ぷら屋にする」というサゲ。
悪くないが、「天すき」に拘ってきた流れからすると少し違和感があった。
ここは持っていき方によって特に違和感なく聞けるとは思う。
「新作」(小鯛):△+
軽く「優しい先輩」二乗について触れてネタへ。
先生が学校で答案を返して、
一人の生徒の変な答えを紹介し、そこにツッコむ。
翌日は授業参観で、体育の予定だったが雨のため「保健体育」になる。
昨日変なことを答えた生徒が、
保健体育では人が変わったように細かいところまできちんと答える。
まあ、ベタと言えばベタな作りではある。
前半はどうしても羅列的になるし、
「何の科目の先生」という疑問も持ってしまう。
面白い間違え方もあったが、
ベタでどう間違えるか想像できる問題もあったし。
一つ、祇園祭の始まった年号を「ていかん」と言っていたが、
貞観は「じょうがん」だと思う。
マクラで言っていた通り、
「よく覚えた」が先に立つネタだった。
「竹の水仙」(小鯛):○
特にマクラを振らずにネタへ。
全体に登場人物がそれぞれ存在感を持って描写されており、
安心して楽しめる出来。
特に甚五郎と宿屋の亭主が非常に良かった。
甚五郎は口調や表情に浮世離れしている様子がよく出ているし、
宿屋の亭主も
おかみさんや甚五郎、大槻玄蕃に振り回される人の良さがよく出ていた。
最初に甚五郎に「金がない」と言われた場面での表情付け、
かなり濃い目だが面白く作られていた。
おかみさんも、まあ良かった。
細川越中守と大槻玄蕃は大名や侍の大きさ、おさまった雰囲気が弱く、少し不満。
ただここはテクニカルな部分も大きいと思うので、
今後見たら変わっているのでは、と思う。
テキストは梅團治ラインのもの。
細川越中守の行列でハメが入るのは、
(生喬は以前否定的に言っていたが)まあ、構わないかな、とも思う。
甚五郎と分かった亭主の「あの方をどなたと心得る」、
それに対するおかみさんの「水戸の黄門様か?」という会話は
ウケていたが個人的に好みでない。
野暮だ、という感覚がある。
サゲはおかみさんの「私の心に刻んでくれた」。
まあ悪くないが、
おかみさんを出さずに甚五郎と宿屋の亭主の会話で完結する方が、
場面転換が減るので個人的には好みである。
結局、20時40分頃に終演。