帰り途
には
霧が
立ち込めていた
速度を落とし
姿勢を正し
慎重になる
信号の青
が
薄暗い
鍾乳洞の中に
ねむる
秘宝の原石
みたいに
美しくて
ハザードをつけて
しばらく
其処で
眺めている
勢いに任せて
進む
潔さ
いまは
持ち合わせていない
見えるモノ
を
頼りに
見えないモノ
に
敬意
や
配慮
を
持つ
それを
この夜は
諭してくれているのだろう
か
霧は
やがて
はれる
感覚を
研ぎ澄まし
ながらも
緊張を
溶き解し
ながら
帰ろう
術
も
辿り着くべき場所
も
解っている
そう
それが
大切だと
いうコト
も