湖畔人です。
最近、ニューミュージックにハマっていると申しましたが、実際高頻度でニューミュージックの名曲を聴きつつ、実は時々ジョンの曲、特にソロになってからの曲をよく聴いて過ごしています。よって、最近のローテーションはニューミュージック時々ジョンです。
ビートルズの後半以降のジョンは、霊的人生観の拡散をする思想家としての側面、愛と平和の尊さを推奨する平和運動家的な側面もあり、音楽を通してその両方を表現する存在になって行ったかと思います。特に、東洋思想に理解を示したジョンは、ほぼ我々と同じような思想の持ち主であり、人間皆神の子、転生輪廻を通しての霊的進化と言う考えをハッキリと持っていたことが伺えます。まぁ時々フラフラッと神の定義に関しても霊的人生観においても迷いが生じた時期もあったかと思うのですが、大方近い考えの持ち主であったかと思います。そして、"Love"と言う概念を最上位の価値とし、慈悲を説いた釈尊、与える愛を説いたイエス、無償の愛を描いたオスカーワイルドにも似たものを持ち合わせた方だったかと思います。エキセントリックな行動をする点も彼等に共通する点だったかと思います。
その彼の思想、人間皆神の子、輪廻に関する思想の片鱗を感じさせる曲として『Instant Karma! (We All Shine On)』 と言う曲があります。インスタントなカルマです。カルマとは因果応報の"因"、"業"の事、いわゆる"行い"の事ですね。成した事(カルマ)全てに反作用(カルマの刈り取り)があると言う考え方です。イイ事をすれば良い報いが自分に返って来て、悪い事をすればその報いを罰として受ける、と言うものです。インスタントとは、すぐにできるとか、手軽な、手短な、みたいな意味なので、民族的なカルマみたいな大きなカルマではなくて、もっと日常にありふれた身近な因果応報の事を指しているのだと思います。まぁ、人に笑顔で挨拶すれば、された方は嬉しいだろうし挨拶した人を気に入るだろうし、人を誉めれば誉められた方は嬉しくて誉めてくれた相手に好意を持つだろうし、意地悪をすれば意地悪をした人は嫌われるだろうし、我々の日常は小さな因果応報の集積で出来ているかと思います。そうした全ての身近なカルマを含め、成した事は全て自分に跳ね返ってくると言うカルマの思想を意識して丁寧に生きる事の大切さをジョンはこの歌を通して示したかったのではないかと思います。因みに、私の尊崇する宗教家の率いる団体のサイトによれば、カルマとは人の発する様々な思いや行いが段々とその人の魂に刻まれ、次第にその人の心の傾向性になってしまう、その心の傾向性がカルマと呼ばれるものであり、カルマの刈り取りとは、その傾向性、特に間違った傾向性を修正する為の人生体験を指す、と言うような主旨の説明をされていましたね。ご参考までに。ジョンはこの歌の中で、全ては君次第、君の選択次第なんだ、恐れと不安に囲まれた世界に生きる事を望んで生まれて来た訳ではないでしょう?と歌っています。信頼出来る世の中を作るべく、自分なりの善き"因"となるような善き種を蒔いて行くべきでしょう?、とジョンはこの歌を通して言いたかったのかもしれませんね。また、ジョンはこの歌の中で我々は皆光輝いた存在なんだと歌います。多分、我々は皆全員例外なく皆神の子達なのであり、皆、神の一部分でもあり、はじめから輝き祝福された存在である事に共に気付き、共に喜びあい、共に祝福しあおう、と言いたかったのかもしれませんね。
プロデューサーは大瀧さんが尊敬し、でも後半生は酒と薬に溺れ破滅的な人生を送った天才音楽家フィルスペクター、ギターはジョージハリソンです。
曲は、当時の流行りの音風(グラム風?)なアレンジなんでしょうけど、歌詞は普遍的な真理を歌ったスゴイ歌かと思います。
カッコイイ曲です。お薦めします。
湖畔人