第421話.気になった音楽(142)アジサイの季節に聴きたい曲 懐かしのネオアコシリーズ The smiths『Please Please Please Let Me Get What I Want』

2020-07-19 18:03:26 | 気になった音楽
湖畔人です。

さて、またスミスの曲紹介、今回最後の曲のご紹介です。

スミスの三曲目は、『Please Please Please Let Me Get What I Want』と言う曲です。
"真面目に生きて来たつもりだし、これまで多くを望まずに生きて来たけど、でも今回だけは何とか願いを聞いて欲しいのです。こんな願い事をするのは初の事だし、それは神様も知っている事です。でも今回だけは何とか願いを叶えて欲しい。でないとこんな真面目な男もグレてしまいますよ?イイんですか?"と言う、懇願のような、ある意味脅しのような祈りの曲なのです。

この願いを掛けている対象が神様であれば、"神を脅す気か?不遜な!願いを聞くどころか天罰じゃ!"と神様にキレられそうですが、一体誰に願いを吐露しているのか、ちょっと気になる所です。

でもまぁまるで讃美歌のような雰囲気で、とても美しい曲に仕上っており、まぁ彼らの名曲の一つかと思います。お薦めです。

では、アジサイの季節に聴きたい曲 懐かしのネオアコシリーズは、この後(後日?)、少しだけETBGとスタカンのさわりだけをやって、一旦終了としたいと思います。

それでは、また。

湖畔人

第420話.気になった音楽(141)アジサイの季節に聴きたい曲 懐かしのネオアコシリーズ The smiths『Cemetry Gates』

2020-07-19 17:56:12 | 気になった音楽
湖畔人です。

さて、またスミスの曲紹介の続きです。

スミスの二曲目は、モリッシーの敬愛するオスカーワイルドが歌詞に出て来る『Cemetry Gates』です。晴れた日に、墓地、霊園の入り口で待ち合わせて一緒にお墓に行きましょう。君の傍らにはキーツとイェーツ(二人ともイギリスの文学者)の霊が付いて、僕の傍らにはオスカーワイルド(言わずと知れたイギリスの、と言うかアイルランドの詩人で作家で劇作家で男色の罪で牢屋に入れられた大作家)の霊が付きますからね、と歌う不思議な曲です。

歌詞の中では、亡くなった方々に同情してみたり、盗作はいけないよ、自分の言葉で語るべきだ、君は誤魔化せると思っているかもしれないけど、君の言葉の参照元はもうバレバレなんだよ、とか、誰か(キーツ?かイェーツ?)を念頭に置いた文学論的批判を展開しており、最後には、僕にはワイルドが付いているので僕の勝ちなのでどうぞ宜しくと言い、何か自慢げで何故か上から目線な歌詞を展開している変な一曲です。

でもなんか気に入っているのです。お勧めです。

スミスの曲紹介は後一曲次話でやりたいと思います。

それでは、また、直ぐに。

湖畔人

第419話.気になった音楽(140)アジサイの季節に聴きたい曲 懐かしのネオアコシリーズ The smiths『William, It Was Really Nothing』

2020-07-19 17:35:51 | 気になった音楽
湖畔人です。

さて、また、アジサイの季節に聴きたい曲 懐かしのネオアコシリーズの再開です。

そして、とうとう変人モリッシーが率いたザ・スミスの曲についてのお話です。自分的には、ついにこの時が来たか!って感じなのです。なにせ、まぁモリッシーは世界遺産級の変人ですからね。もう、ハンパ無い変人です。

スミスは、と言うかモリッシーは、当時のUKの鬱屈とした多くのヘタレな若者達の代弁者、職も希望もとりえも金もなんも無い、そしてオタクで弱くてウジウジしている子達に熱狂的に支持されたロッカー⁇、ロック界の異端児?変態?、まぁ変人って言葉が一番ピッタリ、シックリ来る当時のUKの時代のアイコン的な人物の一人だと思います。でもなにか忘れられない癖の強い存在なのです。

文学付きで、特にオスカーワイルド好きで、ジェームスディーンが好きで、菜食主義者で肉食は殺人と一緒と言い放ち、女王は死んだとも言い、English is mineとも言ってしまう、それでもなんか許されている不思議な人物で、飛行機嫌いで、顔は若かりし頃の長嶋茂雄さんに似ていて(当時は)、髪型はサイドを短く刈り上げた2ブロック的なデフォルメされたリーゼントで、ジミーもかけていた様なクラシカルな眼鏡をかけていて、何故か壊れた補聴器を片耳に付け、何処で買ったの?と言うような古着を着こなし、胸元をはだけ、首には数珠みたいなネックレスを巻き付け、何故かジーンズの裏ポケットにはグラジオラスを指して、興奮するとそれを振り回しながら歌うスタイルで、普段は自転車と読書を愛する暗い文学青年、そんなモリッシー率いる変わったバンドがスミスだったのです。

そのスミスの音楽性は?と言えば、歌はウマいと言えばウマいのですが、モリッシーの唱法は、歌を歌うと言うよりはまるで詩を吟じているようでして、まぁ、ロックと言うよりは、あれは詩吟ですね、詩吟です。あれはね。

ただ、尺八の代わりにジョニーマーの超、超絶旨い、川のせせらぎか、鳥のさえずりかって言うような、軽やかで繊細なギターにのせて歌う、当時のUKスタイルの詩吟でしたね。

はじめて聞いたときは、"何じゃこりゃ?これがロックか?"って感じで、かなりの衝撃を受けて、これは懐古主義、音楽の後退、UKも終わった、と思ったものですが、それが聴いていると段々と耳に残る事残る事、段々と癖になって来て、恐るべき中毒性で耳に残って行くのです。そしてまた聴きたくなる。そんな中毒性の強い不思議な曲達がスミスによって沢山量産されましたね。

今動画で見ると、腰をクネクネしながら歌うモリッシーは、"ここはゲイバーか?"と言った感じの歌い方でして、まぁクネクネした感じはもう殆どウナギ犬のようでして、自分的にはかなりキツくて見ていられないのですが、当時は、今みたいにyoutubeも何も無いのでロッキングオンみたいな音楽雑誌の写真と記事からしか情報ソースが無くて、少なくともフォトジェニックだった当時のモリッシーもマーもエラくカッコよく見えていたものでした。でも、もし今みたいに動画で彼等を見る事が出来たなら、もうその見た目のインパクトで敬遠して縁が無かったかもしれませんね…。

そもそもバンド名がザ・スミスですから変です。日本で言ったら鈴木家、田中家、と言うのと一緒ですしね。それ自体が変です。モリッシーは、バンド名をザ・スミスと呼ぶことに決めた理由は、最もありふれた名前だからで、普通の人たちが顔を見せる時代が来たと思うから、と理由を述べていますね。なるほどですね。

また、彼等の特徴の一つが、そのセンスの良いレコードジャケットのデザインもありましたね。基本モノクロかツートーンで、古い映画のワンシーンを切り出した写真を使用する場合が多くて、それも彼等の特徴であり、とてもカッコ良かったのを憶えています。

政治思想は、当時のロッカー達の多くと同じく反サッチャーの左寄りで、皇室にも否定的な感じでした。でも今はナイジェルファラージや彼の政党から分離独立したアン・マリー・ウォーターズ率いるフォーブリテンと言う政党を支持しており、極右に変わったと批判されています。まぁ、嘗てチャーチルが、"若いうちに左翼に傾倒しないのは情熱が足りんし、でもイイ歳こいても左翼をやり続けている輩は頭が悪過ぎる"的な事を言っていた事があったかと思うのですが、国を憂う気持ちがあれば、当然そうなりますよね。当たり前の話です。

僕の周りでは、僕がアステックとスタカン推しで親戚の兄貴がスミスとエコバニ好きで、と、好みが分かれていたのですが、親戚の兄貴はスミスなんてもう何十年も聴いていないけど、何故か自分の方は未だにたまにですが、無性にスミスの曲が聴きたくなる自分がいます。

さて、そんなインパクト絶大の変人モリッシー率いるスミスの曲を今回3曲セレクトしてお伝えしようと思います。まずこの回では1曲のみご紹介します。

まず一曲目は、『William, It Was Really Nothing』です。激しく降る雨の歌詞で始まる曲なのでまぁ梅雨時に合う曲なのかもしれません。ジョニーマーの川のせせらぎのような軽やかなギターにのせて、多分、結婚生活に失敗して失意の淵にある友人のウィリアムに、"ウィリアム、まぁあの女性は今一つだったし、まぁ、あんまり気にするなよ、独り身は最高だよ?"と励ましている感じの曲ですね。でもゲイ疑惑が常につきまとうモリッシーに対して、周りの幾つかの意見としては"あれはどうせモリッシーがお気に入りの男友達の一人がまた自分の近くに戻って来てくれたので、彼は単にそれを喜んでいるだけであって、別に励ましなんて言うご立派なもんじゃないよ"と穿った見方をされている方達も当時結構多かったようです。実際、モリッシーは以前男性と同居していた事を認めていて、でも"僕は別にホモセクシュアルではないです。厳密に言うと、ヒューマセクシュアルなんです。人間が好きで、人間に惹かれているだけなんです。"と否定していますね。まぁ、多分彼の敬愛するオスカーワイルドも、そのモリッシーに近いスタンスだったのでは?と思われるので、まんざら嘘を言っている訳でもない気がしますね。個人的にはね…。

では、スミスは後2曲、次話以降でやって行きたいと思います。

ではまた直ぐに。

湖畔人

第418話.気になった音楽(138)(139)星にまつわる音楽 山口百恵『乙女座宮』 & John Lennon『Nobody Told Me』

2020-07-19 03:55:34 | 気になった音楽
湖畔人です。

星にまつわる音楽の最終回です。

以前"VIVAニューミュージック"と言う事で松山千春さんとか山口百恵さんの曲を紹介した事があるのですが、その頃、山口百恵さんの曲を色々と聴いていて、その中で気に入った曲が幾つかあって、その内の一つが今回ご紹介する『乙女座 宮』と言う曲だったのです。この曲も宇崎竜童さんと阿木燿子さんの御夫妻が手掛けた曲なのですが、こうした品の良いブギ―調の曲はなんか格好がイイですね。宇崎さんがダウンタウンブギウギバンドの出身なせいなのかなんなのか理由は判りませんが、このブギ―調の曲はとってもカッコイイと思います。UKのグラムロック、T.REXみたいな魔界と通じたような怖い感じのブギ―ではなくて、品の良い明るい世界と通じたブギ―ですね。とってもイイですね、こういうの。百恵さんの曲には他にも品の良いブギ―調の曲はございますね。『夢先案内人』とかね。いつか"品の良いブギ―特集"なんて言うのもちょっとやってみたい気がします。

歌詞ですが、はじめは生まれた生年月日からあの人は何座生まれ、この人は何座生まれ、みたいな色んな月(星座)に生まれた色んなタイプの男性に恋をする恋多き女性の話なのかな、と思っていたのですが、どうもこの曲はホントに幾つもの星座を渡り歩く宇宙のプレイガールの話みたいでして、星座の地図を頼りに流星に乗って旅をし(それを銀河大陸横断鉄道と呼んでいるらしい、なんじゃそりゃ?)、宇宙を渡り歩いては様々な星にて恋愛を繰り拡げる大変スケールの大きな宇宙の遊女の恋愛行脚のお話のようなのです。何かとってもシュールですね。でも一方で、夜空に輝く星達は皆生きているんだ、などと言い、まるでメシア格を持つ霊格の高い女神のようでもあります。"恋する命のトキメキだけが乙女座の祈り"と言うこの女神様の出身星の価値基準は恋愛至上主義なのかもしれませんね。地球だとちょっと叱られるタイプかもしれません。いま彼女が夢中だと言う獅子座の彼も、もう少しするとフラれてしまう定めなのかもしれませんね。何か可哀そうです...。でも宇宙には色んな価値基準がありそうで何か面白いですね。あと、この曲のコーラス、なんか漫才のツッコミみたいでとっても面白いです。

次は、ジョンの『Nobody Told Me』です。
没後の83年にリリースされた曲ですね。何故この曲かって?それは、歌詞にUFOが出て来るからです。ジョンは74年8月にNYでUFOを目撃してますからね。

曲ですが、音自体は、アレンジがどこか間抜けで、何かおかしくて、でも品があり、音も高品質、と言う、とてもジョンらしい曲になっていますね。
歌詞は、皆色々やるけどピントがずれていて的外れだし、表面的だし、本当に大事な事を扱えていない、何か変な時代だよね?、空虚な時代だ、こんな時代が来るなんて聞いてなかったぞ!UFOがNY上空を飛んでいても別に何も驚か無いよ、だって世の中自体が変だからね、何でもありの世の中だ。でも、世間には、もっと大事な事、もっと語るべき大切な事がある筈だ、みんなそこに早く気が付くべきだね、もっと本質を扱うべきだよ、と、啓蒙家のジョンらしい世間に向けて?マークを投げ掛けた曲ですね。

ジョンはPVでは屋敷さんと同じくキャスケット帽をかぶっています。New York Hatのビッグアップルというモデルですね。レコードジャケットでは黄色っぽい色のフレームのサングラスをしていますが、あれは日本製ですね。上野にある白山眼鏡のジョン仕様のサングラスです。ジョンは亡くなる前の数年間はずっと日本で夏休みをお忍びで過ごしていたようで、服も原宿でよく買っていたようです。ジョンは、そこの原宿のお店でこの白山の眼鏡を見付けて、とても気に入ってしまったようなのです。その後、その原宿のお店の仲介で白山眼鏡はジョンが滞在していたホテルに呼ばれる事になり、近視のジョンに合わせた調整をしてジョン仕様に仕立てたサングラスを幾つか納めたようなのです。ジョンは亡くなった時もこの白山眼鏡のサングラスをかけていたようですね。

ジョンはとてもオシャレな人なのです。

では、星に纏わる音楽は一旦これでおしまいにしたいと思います。この後は、またネオアコ話を再開したいと思っています。

では、また。

湖畔人

第417話.気になった音楽(136)(137)星にまつわる音楽 Simply red『Stars』&Boy meets Girl『Waiting for a star to fall』

2020-07-19 02:24:28 | 気になった音楽
湖畔人です。

では、また星にまつわる音楽の二回目を行きたいと思います。

前回は、地球には、他の惑星出身者達もどうも多くて、その魂の出自は多分相当古くて、中には他の惑星でその星が亡んだり、または激しい争いがあって、それらの星を捨てて出て来ざるを得なかった悲しくもツライ過去を持つ方々も少なく無くて、そんな出自を想定させるかのような悲し気な雰囲気を纏う星に纏わる曲を幾つかセレクトしましたが、今回はうって変わって、全く違ったもっと軽めの曲を幾つかご紹介したいと思います。

まずは、Simply redの『Stars』です。この曲については"第191話. 始源の神の目に似たもの"で一度触れていますが、歌詞は女性に翻弄され傷付いた男心を歌ったようにしか聞こえない歌なのですが、どうも反サッチャーのメッセ―ジソングのようでして、何度聞いても"どこが?"と思うのですが、どうもそう言う事らしいのです。サッチャーファンの自分としては悲しいばかりなのですが、残念ながら当時のUKのアーティスト達の多くは殆どがアンチサッチャーですね。

この曲では主人公が星から降りて彼を翻弄し無意識に傷つける罪深い女性の所に今直ぐにでも飛んで行きたいと言う設定でして、自分はスターだって言う設定なのかもしれませんが、自分をスターって言ってしまうその神経が何かスゴイなと思うのですが、確かにこの曲を歌うミック・ハックネルは当時既にスターだったんでしょうけど、でも、彼はこの曲でもって大スターに格上げになったんですけどね…。
以前も触れましたがこの曲には元MELONの屋敷豪太さんがエンジニア兼ドラムとして係わっており、この時期はシンプリーレッドの正式メンバーにも成っていて、Simply redの絶頂期を支えましたね。当時の屋敷さんがUKで拘わった曲達はSouL II SouL他メガヒットばかりで、まぁ東洋から来た背の高い謎にセンスが良い幸運のラッキーボーイみたいな存在として映っていた事でしょうね、きっとね。まぁ日本の誇りですね。あのトレードマークの帽子もカッコイイですし、あれ、何て言うんでしょうね、ああいう帽子、キャスケット帽?って言うんでしょうか?何かとても格好がイイです。また彼のドラミングも、イイ感じに力が抜けていて、あのハイハットの使い方も超カッチョイーです。

さて、次の星に纏わる曲は、USでして、Boy meets Girl『Waiting for a star to fall』です。Boy meets Girlは、ホイットニーヒューストン等のヒット曲を何曲か手掛けたジョージメリルとシャノンルビカムの二人によるソングライティングチームなんですが、Boy meets Girl名義で、自分達でも曲を出していて、まぁある意味唯一のヒット曲が、この『Waiting for a star to fall』と言う曲になります。
皆のアイドル的な女性に恋した男子が、君の心を捕まえるのは流れ星を捕まえるのと同じくらい難しい事だけど、その日が来ると願っていると言う切ない曲です。
80年代らしい爽やかな曲ですね。AOR枠でヒットしました。お勧めです。

星にまつわる音楽はあと一回やりたいと思います。
では。

湖畔人