チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

比佐子つれづれ

2011年05月28日 17時21分00秒 | 日記
今年の比佐子つれづれは
「きものってなあーに?」
をテーマにしている

先ず初回は出席者に
「どうしてきものを着たいの?」
という質問からはじめた
皆さんそれぞれ色んな意見があってとても面白かった
詳しくはフリーペーパーの比佐子つれづれに載せているので
そちらをご覧戴くとして

その後は
足袋を履く、湯文字をつける、長襦袢と基本から一つ一つを解剖している
今日は
今私達が着ているきものの形はいつからなのだろうか?
というところにフオーカスした

幸いバブル絶頂期の頃
或る企業の仕事で古代から現代までの衣装を写真に撮ったので
その資料を中心にしてお話ができた

考えたら日本の衣装は奈良時代から平安に移って
がらりと形が変わっている
奈良時代は洋服のようにズボンやブラウスを着る二部式や
今は妊婦さんが着るようなストンとしたワンピース形

しかし平安時代に入ると今のようなきものの形となり
何枚も何枚も重ねて着るようになる
男はやんごとなき方たちより武士のお洒落がお見事!
大紋だ、素襖だ、狩衣だ、指貫だなどなどもう山ほどの衣装が並ぶ

戦時に華やかな陣羽織までつけて
なんとなんとお洒落なのだろうか
戦もこのように衣服改めましてといういでたちだと
戦意はどうだったのだろうか

そんなことを話題にしながら話は進む
何のことはない
今着ている女の衣装のほとんどは男の常用着

更に庶民のカッコいい衣装は手を変えて武士の衣に生まれ変わったり
明治以前の日本の男たちは装うことがかくも好きだったのかと驚く

アア其れなのに
またも話題にするが
花嫁の婚礼衣装
花嫁は武家夫人の打ち掛け姿
男は町人の紋付
これじゃあ結婚する前から男は家来じゃあないの

せめて肩衣に袴を着ければ少しは格もでようというもの

日本の衣装は
それぞれの階級や職業によって着るものが違ったので
なぜそうなのかを追求すると
日本と日本人の思考が見えてきて面白い

ほんとうにきものはいろんなことを教えてくれる

今日はまた昔ポーラと呼んだシルクウールの段絽織りの
渋いきものをお召しになった方がいて
それは紳士ものだが
昔の人は着るということをとても楽しんだのだなあ
とつくづく思った

冷たい雨なのに大勢いらしていただき感謝
次回は6月26日
コメント
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