チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

お針がもてない

2014年06月19日 14時24分07秒 | 日記
昭和初期までの女にとって針仕事は必修であった
針をもてない女は女として認められなかった
昔のお姫様や華族達の姫君達も
「お手草み」として人形の衣裳を造ったり
お手玉などの遊び道具を縫ったりしていて
その作品?はいまでも博物館などで時折展示される

貧民の娘であっても上流階級の姫君であっても
お針をもてないことは女として恥ずかしかったのだ

もう何十年も前だけど
徹子の部屋がまだ始まっていない時期に
黒柳徹子さんとチョット時間の長い番組を何本かご一緒したことがある
そのとき黒柳さんが
一回目に着た洋服に袖口にカラーをつけ
衿にもう一枚衿を縫い付けて待った阿口が右表上の洋服に作り替えて出演

「これこの前の洋服よ」
「エッ全然違うみたい」
「そうでしょう?私昨晩縫い付けて全く違うものにしちゃったの」
「すごい!」
半衿つけもおぼつかないチャコちゃん先生の驚歎
「あのねおしゃれって自分で針もてなきゃあダメネ」
たしかにーーー

それ以来チャコちゃん先生もできるだけお針を持つようにしている
昭和40年前の女達は
着物の袖を縫い代えたり
袷から単衣にしてみたり縦横無尽にお針を使って
おしゃれ心を堪能していたのだと思う

ときどき押し入れから母の手作りの腰紐が出てきたりする
それはチャコちゃん先生が小さい時に着ていた錦紗の羽織だったりする

コメント
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