昨夜はあまりにもお月様が美しく
二時間も月光浴をした
梅雨空の中
月がこんなに美しいのも久し振り
空高く星も見え星に負けじと夜行機もひっきりなしに飛んでいく
この中にユーホーがいればもっと楽しい
かなり前になるけど
箱根に大好きな旅館の女将がいた
彼女はいつも結城縮みを粹に着ていてただ者ではないなと思っていたら
やはり
一部上場のオーナー社長の囲い者で
其の社長のもっている老舗旅館の経営を引き受けていた
いつも其の旅館で着物の撮影をさせてもらっていて
チャコちゃん先生すっかりなじんでいた
「比佐子さん信じるかどうか解らないけど最近ユーホーが頻繁に現れるのよ」
だからゆっくり仕事抜きで会いにいらっしゃい
とお誘いを受け
どうせなら月見もかねてと月の綺麗な夜に二人して縁側でユーホーを待った
白み始めるまで待っていたけど現れないので
眠い眠いとチャコちゃん先生は床についた
そして朝二人で庭を散歩して
「じゃあまたね」とロマンスカーで帰途についた
次の朝息子さんから
「母が亡くなりました」
「ウソでしょう?」
「ーーーー」
聞くとチャコちゃん先生と別れたその夜
「母は縁側で一人ユーホーを待っていたんです」
そして珍しく夜中に洗濯器を回し洗濯をして
「おやすみ」
と自分の部屋に入った
その朝いつもの時間に起きてこないので部屋に入ったら
静かに息を引き取っていたという
「ユーホー」に連れて行かれたのだととっさに思った
月を見るたびにその女将さんの佇まいを思い出す
二時間も月光浴をした
梅雨空の中
月がこんなに美しいのも久し振り
空高く星も見え星に負けじと夜行機もひっきりなしに飛んでいく
この中にユーホーがいればもっと楽しい
かなり前になるけど
箱根に大好きな旅館の女将がいた
彼女はいつも結城縮みを粹に着ていてただ者ではないなと思っていたら
やはり
一部上場のオーナー社長の囲い者で
其の社長のもっている老舗旅館の経営を引き受けていた
いつも其の旅館で着物の撮影をさせてもらっていて
チャコちゃん先生すっかりなじんでいた
「比佐子さん信じるかどうか解らないけど最近ユーホーが頻繁に現れるのよ」
だからゆっくり仕事抜きで会いにいらっしゃい
とお誘いを受け
どうせなら月見もかねてと月の綺麗な夜に二人して縁側でユーホーを待った
白み始めるまで待っていたけど現れないので
眠い眠いとチャコちゃん先生は床についた
そして朝二人で庭を散歩して
「じゃあまたね」とロマンスカーで帰途についた
次の朝息子さんから
「母が亡くなりました」
「ウソでしょう?」
「ーーーー」
聞くとチャコちゃん先生と別れたその夜
「母は縁側で一人ユーホーを待っていたんです」
そして珍しく夜中に洗濯器を回し洗濯をして
「おやすみ」
と自分の部屋に入った
その朝いつもの時間に起きてこないので部屋に入ったら
静かに息を引き取っていたという
「ユーホー」に連れて行かれたのだととっさに思った
月を見るたびにその女将さんの佇まいを思い出す