チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

紗の雨ゴート

2014年06月30日 09時44分40秒 | 日記
「比佐子さん其の色はお品がない」
とエメラルドグリーンの地に白のよろけ縞を染めてほしい
ちくせんの前社長に頼んだら厳しく止められた
しかし
そこで引き下がるチャコちゃん先生ではなく
こっそり染め方の人に話をつけ染めていただいた
できあがった着物を着て社長に見せにいくと

「比佐子さん似合うね夏はそれくらい強い色でも良いね」
「そうでしょう?」
「でも図に乗らないように寒色だから好いんだよ」

と物議を醸しながらも梅雨明けに意気揚々と着て歩いていたが
ある日フト歩いている姿の自分を見ると
「きゃーちんどんや」
と思ってしまった
つまり体型と其の色が合わなくなっていた

「お品がないよ」
と言う意味がハッキリ分かった瞬間

解いて洗いドウしようかと思っているうち年月が経った
うっとうしい雨の続く日々
「そうだあの強い色を雨ゴートにしよう」
と考えつき防水をして雨ゴートをつくってみた

「いいよいい」
何より軽くて涼しい
其れに色が華やかなのが好い
なぜなら暗い雨の中パット元気を与えられる

しかも晴れてしまっても軽いのでたたんでしまえば荷物にもならない
「お品がない」どころか
涼しげで好いじゃん
天国の社長もきっとにこにこ笑ってみていると思う
コメント
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