チャコちゃん先生のつれづれ日記

きものエッセイスト 中谷比佐子の私的日記

小暑、そして七夕

2023年07月07日 10時36分54秒 | 日記

想いあう人が会える宵になるのか?

「恋に落ちる」という表現はよく言ったもので、いきなり恋が芽生えることがある

わが社にスタッフのが大勢いた時期がある

そのころは毎日忙しく撮影に明け暮れていた

撮影で組む相手は大御所で、そういう人には助手が何人かいた

ある時当社の新人をスタジオに連れて行ったとき、その写真家の一番古い弟子に紹介したら、二人が一瞬すごい集中力で見つめあった

「アッ恋におちた!」

とさりげなく二人の様子を観察していたら、その弟子の動きがいつもと違う、優秀であるとは思っていたけど、先生の指示の一秒前の動きがいつもより切れがいい

そういう変化をいち早く察した先生は私に目配せして「?」と聞く

「多分あの二人が恋に落ちたみたい」

と小声で告げると、なるほどと深くうなづく

 

その日の撮影が助手たちの手際の良さで水の流れのように進んでいき、出来上がりも満点

後日写真選びに写真家の事務所に行き、そこにも新人を連れて行った。件の弟子は至れり尽くせりのもてなしで、私たちを居心地よくする。わが新人もそれに応えて弟子の手助けをしている

その二人の動きを見て見ぬ振りしながらわれらは写真選びに専念している風

われら二人はベテランだからもうとっくに写真選びは終わっているんだ!

 

そして初デートの日曜日、デート場所に急ぐ彼女は車にはねられ救急車で運ばれた

病院から連絡を受けた私はすっ飛んでいったが、意識のないこの新人は彼に連絡はできないし、私もしらない、名刺を持っていたので会社に電話が来たのだが、たまたま日曜日でも地方からのお客様がいたので、私は会社にいたが、いなかったらどうなっていただろうと背筋が冷えた

幸い手当てが良く、意識も戻りほっと安心したところ、いきなり彼女はわんわん泣き出した

「どうしたの?」

今のようにスマホがあるわけではなく彼との連絡はとれない、そのころの若い子は喫茶店で待ち合わせるなんてしゃれたことはしない、わかりやすい街角での待ち合わせだ、約束の時間から3時間。物は試し「行ってみるわ」

 

いました!!!

事の顛末を話すと彼はその足ですぐ彼女の元へと走った

もちろん二人は恋を愛に高めていき結婚した。試練の後の幸せは格別だ

コメント
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