電車やバスに乗っていて「席」を譲られることがある
「うーーんなんかなあ」
一般的に見て
「あんたは老婆」
ということなんだろうなあ、ま、実際そうなのだが荷物たくさん持っていて席を譲ってくれるのはありがたいしうれしい
そうでなくて小さなバック一つしかもっていないとき、席を譲られると
「そうか老婆なのだ」
と自分自身を納得させる
そうかと思うと若い子が空席めがけて素早く座って、スマホをいじくりまわす、しかも優先席であることも知らんぷり
こういう時周りを見渡し、席を必要としている人がいると
「あの方と席変わって差し上げて!」
と依頼する。快く席を譲る子もいるが、多くは知らんぷり(逆に勇気あるなあと感心する)
若いとき率先して席を譲っていたが、または重い荷物を持っている人に「お荷物持ちましょう」とも声をかけていた
授業さぼって早退して電車に座って本を読んでいたら、目の前に乳飲み子を抱えた婦人が乗ってきて「どうぞ」と席を立った
暫く車窓から移り行く景色に気を取られていたが、ふと眼下の親子に目を移すと、子供は頭を振り振りお母さんの胸元で何かしている
しっかり目を凝らすと
なんと!きものの脇(身八口」からおっぱいだして子供に乳を飲ませていた!
だけど外からはお母さんのおっぱいは絶対見えない
見てはいけないものを見ているのだけど、目が離れないーーとお母さんと目が合った!お母さんはニッと笑って子供の頭をなぜている
「ああーびっくりした」
という顔で私も笑い返し、二人の間に深い親しみがわいた
今でも思い出す、紺地の絣模様の着物を着て、オレンジ色の帯をしていた、胸元ゆったり着付けていたように思う、ひょっとしたら年も当時の私とそんなに違わなかったのかもしれない。きものだからできたことなのだな!きものってすごい
ただ単に「老婆だから席を譲ろう」という礼儀正しさが多分落ち着かないのかもしれない
というより自分で老婆ということを認識できていないのかも、苦笑