神経痛の痛み止めにも
マムシグサとは、花(仏炎苞)の先が蛇の舌に、直立した茎の模様が毒蛇のマムシのおなかに似ていることからついた名です。その名の通り、基本的に有毒ですが、アイヌ民族の人たちはラゥラゥと呼び、晩秋、茎の付け根にある毒の部分を取り除き食用として、また、球根をすりつぶして神経痛の痛み止めとして、幅広く使っていました。北海道の自然と共存して生きてきたアイヌ民族の人々の知恵と知識にあらためて脱帽させられます。漢方でも、その塊茎は天南星と呼ばれ、二朮湯、清湿化痰湯、導痰湯などのさまざまな漢方薬に配合される大切な生薬です。春の芽出しから、晩秋まで観察し続けてきたマムシグサ。そのピラミット状になった実が上から順番に熱し、赤、オレンジ、緑が混ざり合っている姿は、漢方が説く「容平」の過ごし方、「急がず慌てずに、一つ一つゆっくり成熟させる」ことの大切さを視覚的に教えてくれます。=秋編おわり=(堀田清・北海道医療大准教授=写真も)