食物繊維取り運動で改善=樽見 研
慢性便秘の中で結腸性便秘は弛緩性便秘とも呼ばれ中高年の女性に多く、結腸の緊張が緩んでいてぜん動運動が弱くなってしまうことが原因で起ります。虚弱体質や内臓下垂の人、運動不足の人、多産のため腹筋が弛緩している女性などに起りやすい便秘です。結腸性便秘になると腹部膨満感、食欲の低下などの症状が見られ、頭痛や肩こり、手足の冷え、全身倦怠感など一見便秘と関係なさそうな症状を伴うこともあります。また便秘なのに必ずしも便が硬くはなく軟便だったり、一応毎日便は出るには出るが残便感て゛苦労したりするのも特徴的な症状です。常用している薬が結腸性便秘の原因となっているこもあります。腸への刺激が強い下剤、例えばセンナ、アロエ、大黄などが成分に含まれている下剤を長期間使用していると、腸のぜん動運動が弱くなってしまい、結腸性便秘しまいます。また抗うつ薬、精神安定剤、パ-キンソン病薬、モルヒネ剤、一部の降圧剤なども結腸性便秘の原因となる薬です。特に腹筋運動や骨盤内の筋肉を鍛えるような運動が効果的です。また朝のウォ-キングもお勧めです。長時間歩くことで血行が促進され腸のぜん動運動が活発になり、また腹筋の強化にもなります。結腸性便秘になると食後におなかが張りやすいので食事の量を控える傾向にありますが、結腸性便秘の人ほど食物繊維を多く含んでいる物をたくさん食べ、腸を刺激することが大切です。(札幌いしやま病院副院長)