勇気を運ぶピンクの蕾
ニリンソウと一口で言っても芽出し、蕾、花(花弁ではなく、がく片)、実といろいろな段階があって、花にも同じ形のものは一つとしてないことに気付きます。細長いものから短いもの、通常の白だけでなく緑色や先端が赤みを帯びているものもあります。今まで出会ったニリンソウの中で最も勇気と元気をもらったのは、春の太陽の柔らかな日差しを浴び、ふ「っくりとしてほんのりピンクの蕾。ファインダ-から眺めているうちに、桃太郎が生まれる瞬間のように思え、「桃太郎」と名付けてしまいました。もうすぐ春です。森へ出かけ、そこにいるニリンソウのすべてを見て、その中でご自分のお気に入りのニリンソウをぜひ見つけてください。植物は地球の元気そのもの。その生命エネルギ-を積極的に五官で取り入れることが漢方での病気予防の基本です。ニリンソウは薬用植物でもあり、根茎部分は地烏と称して疼痛、打撲傷、解毒などの効果があるとされています。ただ、猛毒のトリカブトと似ているので注意が必要です。もうすぐ4月。年に一度の植物たちの春の祭典が始まります。近くの森へ出かけ植物たちの元気をもらってください。(堀田清・北海道医療大准教授=写真も)