地元老舗店が商品化 素材の風味損なわず
[石狩]石狩の老舗石狩鍋店「あいはら」(弁天町番外地)は、石狩鍋を冷凍食品にすることに成功し、販売を開始した。石狩鍋の冷凍食品化は初めてで長期保存できることから今後、観光土産としても注目を集めそうだ。本場の石狩鍋を家庭でも気軽に味わってもらおうと、あいはらは20年ほど前からサケと野菜、汁などを入れた「生セット」を販売してきたが、日持ちしないのが難点だった。冷凍食品化も、氷点下20~30度の瞬間冷凍では豆腐が高野豆腐のようになり、見送られてきたが、店主の相原武典さん(66)の知り合いから氷点下60度で瞬間冷凍できる設備を備えた冷凍機メ-カ-を紹介され、昨年10月から実験をスタ-ト。2月中旬に厚田区で開かれた石狩冬まつり会場で、小分けにしていったん冷凍した石狩鍋を提供したところ、「店で食べる味と変わらない」との声が寄せられたことから販売することにした。冷凍食品の石狩鍋は、ツキコンニャクだけは固くなるため入っていないが、サケはもちろん、キャベツや豆腐、長ネギなど店頭で販売しているのと同じ材料で作られ、汁の量だけ増やしたという。相原さんは「氷点下60度で瞬間冷凍することで食材の風味が損なわれず、満足できる商品ができた。秋サケの時期に向け、PRしていきたい」と話している。商品は「北海道石狩『あいはら』石狩鍋」(1人前750㌘入り)で、価格は店頭と同じ1260円。温めるだけで食べることができる。店頭で販売するほか、電話注文で配送も行う。問い合わせは、あいはら℡0133・62・3019へ。