キッチンガ-デン「野菜栽培 美をプラス」
ガ-デニングの先輩国・英国で「キッチンガ-デン」が流行の最先端を走っている。庭に野菜を取り入れる際、実用一点張りではなく、美しさを加味する、という考え方、それが「キッチンガ-デン」だ。5月はキッチンガ-デンでも野菜の植え付けの月。今年のように野菜が高騰すると、少しでも早く種をまいて、と生活防衛策を練っている人もいるのではないだろうか。野菜作りファンは確実に増えている。私たちの周りでも、最近、自宅の花の庭を野菜の庭へとシフトする人が多い。もちろん「ガ-デン」というからには、デザインを工夫し、野菜だけでなく花も植える。エディフラワ-(食べることのできる花)やハ-ブが、野菜と一緒に植えるのに相性がよい。スイセンなど毒性の植物は避けたほうがいい。また、1度の収穫で食べてしまう野菜だと、それでおわりで、場所の有効利用ができない。狭いところには、日々収穫ができるものを植えるのが鉄則。△トマトやナス、シシトウなど、収穫してこそ次が育つもの△非結球レタスなど外側の葉からかき取り、食べていくことができる野菜△パセリ、チャイブ、パジル、シソなど、使う分だけを摘み取るもの-が、狭い庭やコンテナ栽培のキッチンガ-デンにお薦めだ。品種選びも重要。2年前くらいから大手種苗メ-カ-も一斉にトマトを中心とした野菜販売に力を入れている。一般的な大玉トマトは、北海道の露地で育てるのは難しく、寒い夏だと多収は期待できない。それに比べ、ミニ系トマトは確実に収穫できる品種が多く、ベランダのコンテナでも簡単に作ることができる。かく言う私も、10年以上前から個性的なトマトに首ったけ。トマト熱にうなされ、毎年50品種前後のトマトを試している。
個性的な野菜と出会うのはとても楽しい。育てて味わうことができる上、とても造形的。色も形にも花にはない魅力がある。育てる時には園芸家冥利、料理する時は主婦冥利、観賞する時にはア-ティスト冥利にも尽きる。そう感じているのは私だけじゃないと思う。(梅木あゆみ・ガ-デナ-)
トピックス トマトは地温が十分上がってから植えつける。実は一定の方向に付くので、花の付いた方を収穫する側にする。考えないで植えると、実が収穫しにくくなる。乾燥気味で育てたほうが甘くなる。