サッポロビ-ルと旭医大 活性物質、防御機能に作用
サッポロビ-ルは13日、旭川医大の高後裕教授と共同で、乳酸菌の整腸作用において、乳酸菌が出す活性物質が大きな役割を果たしていることを突き止めた、と明らかにした。サッポロは今回の成果を生かし、3~4年以内にサプリメントなどの健康機能性食品を開発する方針だ。 研究では、大麦に付着していた乳酸菌を基にサッポロが培養はた「SBL乳酸菌」を使用。マウスによる実験を通し、乳酸菌そのものではなく、乳酸菌が出す特定の種類の活性物質の刺激で、病原菌などから自らを守る腸の防御機能が働くことが分かった。研究成果は、近く出版される海外の英文学術誌に掲載される。こうした植物由来の乳酸菌はビ-ル会社にとって、近年までビ-ルを濁らせる「邪魔者」として扱われてきた。高後教授は「活性物質の特定で、乳酸菌の用途が格段に広がる可能性がある」と話す。 これまで乳酸菌の整腸効果は研究が進んでおらず、「生きて腸に届くため、何らかのプラス効果を及ぼすという程度の認識だった」(サッポロビ-ル)。 研究は文部科学省の「知的クラスタ-創成事業」のひとつとして実施されている産学官連携プロジェクト「さっぽろバイオクラスタ-」の一環。サッポロは乳酸菌事業を新規事業の柱のひとつに位置づけており、乳業中堅の協同乳業と資本業務提携を行ったほかベトナムで新種の乳酸菌の採取に乗り出している。