滋賀医大など 指標のタンパク質特定
乳がん患者に5年以上の心療が必要かどうかを判断する際の指標となるタンパク質を特定することに、滋賀医大と大阪府立成人センタ-のチ-ムが成功した。 再発のリスクを予測でき、チ-ムの茶野徳宏・滋賀医大准教授(診断病理学)は「完治の目安を示すことで患者に安心感を与えられる」としている。 一般的にがん治療後5年の生存が完治の指針の一つとされているが、乳がんは8~10年後に再発し死亡するケ-スがあり、いつまで心療を続けるかが課題だった。 滋賀医大はがんを抑制するタンパク質「RB1CC1」を特定。乳がん患者320人の病理組織を調べた結果、このRB1CC1と、別のがん抑制タンパク質「p53」「RB1」の三つのうち、いずれかの機能不全が細胞核内であると、5年以降の死亡リスクが高いことが判明。患者の約40%でこれらのタンパク質の機能不全がみられたという。RB1CC1は、がん細胞の増殖を迎えるRB1を増やす働きがある。成果の一部は米科学誌プロスワン電子版に掲載された。