2005年にアカデミー賞を総なめにした「ミリオンダラー・ベイビー」に続く、クリント・イーストウッド監督の作品です。
製作にスティーブン・スピルバーグが名を連ねています。
「硫黄島2部作」とは、第二次世界大戦の大きな転機となった悲劇的な硫黄島の戦いを、日米双方の視点から描く前例のない2部作です。
「硫黄島からの手紙」
2006年、硫黄島。地中から発見された数百通もの手紙。
それは、61年前にこの島で戦った男たちが家族に宛てて書き残したものだった。届くことのなかった手紙に、彼らは何を託したのか。
日本側から見た硫黄島の闘いを描き、そこで何か起こったのか、兵士たちは何を思って闘ったのか、戦場での兵士たちの日常がつづられます。
今までのアメリカ映画ような、日本人に対する偏見や誤解による描写や表現がほとんど見られず、当時の日本の状況を忠実に表現されています。
逆に日本の戦争物映画に良くある、お涙ちょうだい的な感情はありません。
戦争映画に感動を求める人向きではありませんね。
俳優は全員日本人で会話も日本語です。渡辺謙・伊原剛志・中村獅童・二宮和也・加瀬亮・裕木奈江など。
この映画のお勧め度:☆☆☆☆
「父親たちの星条旗」
米国内における「硫黄島の闘い」の意味を描いてます。
そこには、日本側では知り得ない「米国の国内事情」が隠されてました。
太平洋戦争末期、硫黄島に上陸した米軍は日本軍の壮絶な攻めに苦戦をしいられつつも、圧倒的な戦力で山の頂上に星条旗を立てた。
その写真は米国の勝利を映し出し、旗を立てた3人は、帰国すると英雄となっていた。
しかし、そこには写真に映らない事実があり・・・・。
硫黄島であった悲惨な経験と、帰国後、彼らが政府から受けた扱いの醜さ、それがどんなに兵士たちを苦しめたかという事実が観る人の胸に迫ります。
この作品だけでも十分面白いですが、「硫黄島からの手紙」を観てから、こちらの作品を観ると戦争の悲惨さがさらに浮き彫りになります。
この映画のお勧め度:☆☆☆☆