宮本 輝 著 「優駿」 を紹介します。
吉川英治文学賞受賞作。
生れる仔馬が牡馬でありますように。風の申し子のように速く、嵐みたいに烈しく、名馬の天命をたずさえて生れますように…。
若者の祈りに応えて、北海道の小さな牧場に、1頭のサラブレッドが誕生した。
オラシオン(祈り)と名づけられた仔馬は、緑と光の原野のなかで育ち、順調に競走馬への道を歩みはじめるが、それと共に、登場人物ひとりひとりの宿命的な劇が、幕を開けた―。
母の肉は子の肉、子の骨は母の骨なり…。
いのちの哀しさ尊さに突き当りながらも、虚無と喧噪のなかで人間の業から逃れられない男たち、女たち。
だが、そういう彼らも、いつしかオラシオンの美しさ危うさに魅せられて一体化し、自らの愛と祈り、ついには運命そのものを賭けていった。
やがて迎えるダービー決戦―。
本書は、一頭のサラブレットに関わる様々な人々の人間模様を温かく描いてます。
主人公、トカイファームの跡取り息子・博正。
オラシオンの持ち主となる和具平八郎という中小企業の社長とその娘・久美子。
オラシオンの騎手となる奈良。
この他にも魅力的な登場人物たちが、自分の悩みをぶつけ合い、成長していく様が描かれている。
出演: 斉藤由貴, 緒方直人, 吉岡秀隆, 加賀まりこ, 石橋凌 他