浅田 次郎 著 「五郎治殿御始末」を読みました。
勢州桑名藩の岩井五郎治は、新政府の命で、旧藩士の整理という辛い役目についていた。
だが、それも廃藩置県によって御役御免。
すでに戊辰の戦で倅を亡くしている老武士は、家財を売り払い、幼い孫を連れて桑名を離れたが……。
800年續いた武士の時代が終焉を迎えた明治維新。
江戸から明治へ、かっての武士達とその家族達はどのやうにして己の始末をつけ、時代の垣根を乗り越えたのか。
商人になった者、官僚になった者、軍人になった者、俥曳きになった者。
新しい時代についていこうとする必死な者、ついていけずに江戸時代に殉じてしまう者。
明治維新の直後の激動の時代に名も無き武士達の生き様がひしひしと伝わってきて、興味深かったです。
全6編の短編集