著 「サウス・バウンド」を読みました。
小学校六年生になった長男の僕の名前は二郎。
父の名前は一郎。
誰が聞いても「変わってる」と言う。
父が会社員だったことはない。
物心ついたときからたいてい家にいる。
父親とはそういうものだと思っていたら、小学生になって級友ができ、ほかの家はそうではないらしいことを知った。
父はどうやら国が嫌いらしい。
むかし、過激派とかいうのをやっていて、税金なんか払わない、無理して学校に行く必要などないとかよく言っている。
家族でどこかの南の島に移住する計画を立てているようなのだが…。
過激派の型破りな父に翻弄され、沖縄に移住した家族の物語。
第一部は主人公の二郎くんの家族が元過激派の父親に翻弄され中野から転居せざるを得なくなるまでが描かれています。
中野界隈のガキどもの模様、ちょっと変わった家族たち、学校での友人関係、中学生からのいじめ、幼い恋愛。そして母親の謎の過去・・・。
第二部は東京から、沖縄の西表島へ転居後の生活。
(南へバウンド → サウス・バウンド!!)
自然の中でいきいきとしていく家族の姿が描かれています。
ストーリーが無駄なくテンポよく展開していくので、 軽く読めますが、その中に結構奥深い問題も絡んでいたりしていて、主張が盛り込まれています。
この小説を読んで私も若い頃一人旅で行った西表島の事を思い出しました。
今度、その時の事をブログに書こうかな・・・。
中学生から大人まで楽しめる読後感がすごくいい作品です!
2007年 豊川悦司主演で映画化