夏川 草介著 「神様のカルテ」を読みました。
栗原一止は信州の小さな病院で働く、悲しむことが苦手な内科医である。
ここでは常に医師が不足している。
専門ではない分野の診療をするのも日常茶飯事なら、睡眠を三日取れないことも日常茶飯事だ。
そんな栗原に、母校の医局から誘いの声がかかる。
大学に戻れば、休みも増え愛する妻と過ごす時間が増える。
最先端の医療を学ぶこともできる。
だが、大学病院や大病院に「手遅れ」と見放された患者たちと、精一杯向き合う医者がいてもいいのではないか。
悩む一止の背中を押してくれたのは、高齢の癌患者・安曇さんからの思いがけない贈り物だった・・・。
地方病院での多忙を極める医師の過酷な日常と彼を取り巻くほのぼのした人物たちと交流が愉快に語られます。
今話題の?シリアスな医療物とは一味違う、人と人との目に見えない絆を教えてくれる一冊です。
途中でホロリとさせられて、読後感は爽やかです。