「希望の国」
現在公開中
出演:夏八木勲、大谷直子、村上淳、神楽坂恵、清水優、梶原ひかり、でんでん
酪農家の小野泰彦は、妻や息子夫婦と平和でつつましい日々を送っていた。
一方、隣家の息子は家業を手伝わずに恋人と遊んでばかり。
そんなある日、大地震が発生し原発の近くに住む住民は避難を強いられるが、泰彦らは長く住み着いた家を離れることができない。
そんな中、息子の妻いずみが妊娠していることが発覚する・・・。
「愛のむきだし」や「冷たい熱帯魚」、「ヒミズ」などの作品で国内外の映画ファンに衝撃を与え続けている園子温(そのしおん)監督の最新作。
3・11と福島第一原発事故後をテーマに、実際に被災地で撮影された日本で初めての劇映画です。
映画では長島県大葉町と言う架空の原発所在地で再び原発爆発が起こり、放射能が蔓延し、そこに生きる人々の苦悩の姿が描写されています。
原発から20km圏内の住民は強制避難、しかしすぐ隣りに住む圏外の人間はどうすればよいのか・・・
見えざる放射能の恐怖 ・・・
日々の生活と折り合いをつけることが可能なのか、子供をどう守るのか、先祖代々受け継いてきた土地を捨てる事が出来るのか・・・
観ているものにさまざまなテーマが突きつけられます。
その土地で生きてきた老夫婦、待望の子供が授かった若夫婦、津波により家族を奪われた彼女とその彼氏。
それぞれが、自分たちのこれからの生き方を模索し苦悩する・・・。
この設定は良いけれども、その描き方に常に不快感が付きまとう・・・。
役者陣が熱演すればするほど、観ている側としては”なんかちょっと違うんじゃないかな~”と思ってしまいました。
「希望の国」というタイトルで、逆に「絶望の国」を描くのが監督の意図だったのか・・・。
声高に原発反対を訴えている映画ではないだけに、その描き方に中途半端感が残りました。
この映画のお勧め度:☆☆☆