公開前からかなり話題になってましたので絶対観なきゃと、映画館へ・・・。
原題の「バベル」とは『旧約聖書』にある町の名前です。
その町の人々は天まで届くを「バレスの塔」建てようとしたが神はそれを快く思わず、人々に別々の言葉を話させるようにした。
その結果、人々は統制がとれずばらばらになり、全世界に散っていった。
映画ではこれを背景として、
「言葉が通じない」「心が通じない」世界における人間のストーリーを浮き上がらせていきます。
モロッコで発せられた一発の銃弾が、モロッコ、メキシコ、日本のまったくお互い見知らぬはずの人達の人生に次々と暗い影を落とす。
人生は突然、思いがけない事態に陥り、人々は悩み、苦しみ、ときには地獄を見る。しかし、そこから何かが生まれることもある。
かなり暗めの映画です。
特に日本を舞台にしたストーリーはめちゃ暗いです!!
役所広司と菊池凛子。
菊池凛子が聾唖(ろうあ)の女子高生役で印象に残る演技をしています。
少女の孤独が痛々しく胸に突き刺ります。
世界の人に「現代の日本人ってこんな人種ばっかりか!」と思われるのではと心配になるくらいです。
最後まで先の読めない展開ですが、「観終わってすっきり!」と言う映画ではないです。
この映画のお勧め度:☆☆☆☆
「21グラム」
ちなみに、この映画のアレハンドロ・ゴンザレス・イニャリトゥ監督の過去の作品に「21g(グラム)」があります。
この作品も交差する時間のなかから物語を浮かび上がらせる作品です。
人は死んだ時に、魂の重さの分の「21g(グラム)」だけ体重が軽くなるという・・・。
肉体的にはたった21グラムの差かもしれないが、生きている人間と死んでしまった人間の差はかけがえない。
「バベル」の後は、こちらも観てみては。