消失したJPEG復元写真から
2012年9月1日撮影
この日は不安定な天気だった。
それがかえって、雲がドラマティックな演出をしてくれたのかもしれない。
夕日が山の向こうに沈んだ時、細かな霧のような雨が降っていた。
ふと夕日と反対側の空を見ると、二つの虹がかかっていた。
雨はすぐやみ、空が焼けた。
ここには何度も撮影に来ているが、最もドラマティックな展開だった。
日没後、みんないなくなった後も残っていたのが、最後の写真のカップルだ。
彼等のカメラで写真を撮ってあげたが、とても感じのいい爽やかな二人だった。
六年経っているので、その後結婚し、子供もいるかもしれない。
この日のように、写真撮影に行って、満たされた気持ちで帰路につくことはなかなかない。