万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

カジノ解禁反対-賭博と薬物は似た者同士の悪徳ビジネス

2014年05月24日 15時49分30秒 | 日本政治
シンガポールで首相カジノ視察 国内の解禁機運加速へ(産経新聞) - goo ニュース
 安倍首相は、カジノ解禁への機運を高めることを目的としてか、現状視察にシンガポールに向かったそうです。賭博と薬物とは似た者同士であり、国民から財産を巧妙に巻き上げる手段に他なりません。

 薬物が禁じられる理由の一つは、脳内の神経伝達物質の異常分泌によって快感を与えると同時に、人間から正常な思考力や脳機能を奪うことにあります。いわば、薬物とは中毒を起こす毒物であり、薬物を違法に製造したり、販売した者は、故意に他者を”精神耗弱”の状態に陥らせることで巨額の利益を得る犯罪者なのです。このため、先日、芸能人が逮捕されたように、警察が薬物の取引を厳重に取り締まっており、製造者や販売者のみならず、使用した者も罰せられます。それでは、賭博はどうでしょうか。賭博もまた、参加者に高揚感とスリルを与える一方で、脳の働きに異常をもたらします。カジノ解禁に賛成している人々は、自らの脳内の異変に無自覚ですが、薬物と同様に、病理的な症状が確認されています。賭博とは、他者の心身を蝕むことで利益を得る悪徳ビジネスなのです。経済振興のためとはいえ、人間の心身に害を与えるのみならず、財産をも失わせるようなビジネスを解禁することが正しい政策であるとは、到底思えません。

 日本国の経済は、犯罪の解禁に頼らざるを得ないほど、脆弱なのでしょうか。かつて安倍首相は”美しい国”を目指しておりましたが、禁じ手に安易に手を出したのでは、”醜い国”に向って真っ逆さまに堕ちてゆきそうです。カジノ解禁どころか、既存の賭博であるパチンコの全面禁止こそ、日本国が向かうべき道なのではないでしょうか(真面目に働き、堅実に生きることを奨励すべき…)。

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コメント (5)
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