万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

二大政党制の時代は過ぎ去るのか

2010年05月06日 18時41分14秒 | 国際政治
英総選挙の投票開始、92年以来の接戦となる見込み(トムソンロイター) - goo ニュース
 イギリスは、政党政治のモデルの一つである二大政党制の生誕地です。本日、実施されてた総選挙では、与党労働党の支持率が低下傾向にある一方で、保守党と並んで自由民主党も支持を伸ばしており、三つ巴の戦いになりそうです。

 歴史を振り返ってみますと、イギリスは、時代状況に合わせて、上手に二つの政党に分けれてきました。名誉革命期には王党派と議会派、大英帝国全盛期には保守党と自由党、そうして、20世紀を迎える頃には保守党と労働党というように。しかしながら、現代という時代が、多様性を深め、様々な意見や利害関係が複雑に絡むようになると、なかなか、二つの政党にクリアに二分化することは、難しくなっているようです。さらには、ブレア政権の時に指摘されてたように、労働党が保守党の政策を取り入れたり、逆に、保守党が労働党の政策を採用するなど、両者の垣根は曖昧になってきました。

 今回の総選挙の結果は、二大政党制のモデルの行方をも占う、分水嶺になるように思えるのです。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2010-05-07 06:54:57
 20年前、”二大政党制によって、政権交代のできる民主制を”と、マスコミは大声で叫んでいた。現実に政権交代したら、今度は”第三極を”だって。痴呆の症状が出ているのが、書いているとわかる。官房機密費の毒饅頭を食べ過ぎたせいだろう。
 アメリカ国民もイギリス国民も、よくもまあ、あんな、面白くもない政治に我慢できるなあと思ってしまう。二大政党、どちらも、同じ。自民党Aと自民党Bが見せかけの対立をしているだけ。中国共産党の一党独裁と、そんなに変わりない。かの党でも、上海党と共産主義青年団党の対立はある。
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Unknownさん (kuranishi masako)
2010-05-07 08:07:58
 コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 国民に選択肢がある民主的な多党制と、それが全くない共産主義の一党独裁とを、一緒に論じることはできないと思います。民主主義も完璧ではありませんので、より良い制度に改めてゆくことこそ、政治の未来を拓くのではないでしょうか。
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