万国時事周覧

世界中で起こっている様々な出来事について、政治学および統治学を研究する学者の視点から、寸評を書いています。

徳之島案―面子のためなら断念を

2010年05月05日 14時43分31秒 | アジア
米、徳之島案「運用上受け入れられない」(読売新聞) - goo ニュース
 普天間基地を県外・県外に移すことを公言した手前、民主党政権は、どうしても、徳之島に基地機能の一部を移設することで、面子を保ちたいようです。しかしながら、面子のためならば、やはり、この案は、断念すべきなのではないかと思うのです。

 現行案通り、辺野古の海上基地に移設となりますと、少なくとも沖縄の住民の方々の騒音被害や事故のリスクは、低減されることになります。一方、もし、徳之島に一部移設となりますと、ここでは、海上施設を建設するということではないようですので、新たな住民被害が発生します。あるいは、徳之島でも海上施設を建設するとしましても、わざわざ二つの海上基地を造ることになりますので、財政上の負担は飛躍的に拡大します。さらには、アメリカ側も指摘しておりますように、運用面での非効率が、安全保障上のリスクを高めることになるかもしれません。

 このように考えますと、辺野古の海上基地に普天間の基地機能を集中させた方が、軍隊の運用面からも、コストの面からも、望ましいようです。面子に拘ることで、リスクも負担も増大するという事態は、避けなければならないと思うのです。

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2 コメント

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Unknown (Unknown)
2010-05-05 21:11:41
 もう少し待ってから判断しましょう。自公政権が作った案も、公有水面の埋め立て許可をナカイマ知事が出した瞬間、激しいリコールにさらされ、知事が辞職に追い込まれます。こちらも、絵に描いた餅です。
 徳之島では、徳田議員が自由連合から自民党へ移動したことへの反撥があります。報道はされていませんが。彼の父の徳田虎雄氏は一大の傑物ですから、彼への根回しをしたのでしょう。徳之島は夕張状態ですから、ホンネは必ずしも反対ではないでしょう。
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Unknownさん (kuranishi masako)
2010-05-05 22:14:41
コメントをいただきまして、ありがとうございました。
 沖縄県民の本音はどうなのでしょうか。経済効果を考えますと、基地に反対している方々ばかりではないと思うのです。地政学的には、安全保障上のリスクが高いことを考えますと、沖縄を守るためにも基地は必要なのではないでしょうか。
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