6月に日テレでドラマ化してたのを見たとき。
ラストがいまいちピンとこなかったんで、
原作を読んでみた。
日本循環環境ラボラトリーという、有機物すべてを
水に溶かすというシステムで生ゴミ処理をする企業の研究員・真崎を
演じたのが向井理
「死の匂い」を嗅ぎ取ってしまうという奇妙な能力を持つ、
定年間近の刑事・香西に佐藤浩市
15年前に香西が死の匂いをかいだものの逮捕できなかった
代議士の息子・堂島に要潤
その15年前の堂島が起こしたと思われる事件の真相を知っているという
藤井寺里紗に多部未華子
誤って堂島を殺してしまった里紗をかばって、真崎に堂島の死体を
溶かすようたのむ香西。
何事もなかったかのように人を溶かす真崎という怪物に
一歩近づいてしまう香西という怪物
香西は、真崎という怪物の正体を暴こうとするけど、
結局自分も怪物なのではないかという思いに取り込まれていく。
テレビのラストでは、香西はすべてを告白するの?
それとも怪物に魂売っちゃうの?と読み取れなかったんだけど。
文章で読むと香西の心理描写から、
もう後戻りはできない怪物の領域にいってしまったんだなぁと
思う。
無理心中で生き残ったという過去を持つ真崎は、
生き残ったときに魂は死んでしまっていて、
それからずっと死にながら生きていたんじゃないかと。
死んだように生きるって・・・
そんなの。
「怪物として生きるか、人間として死ぬか」
っていうドラマのコピーに、そういうことかと納得してしまう
原作だった。
怪物 (集英社文庫) | |
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