La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

根気と背筋

2016年07月19日 | 新築

土曜日は当方の仕事で、月曜日は5千キロ点検で丸1日車を使えなかったので、現場へ行けず。4日ぶり。

 

<本日の工事>

① 根切り(続き)
② 岩入れてモルタルでつなぐ(続き)


 道路側の穴掘りが終わっていた。柱の鉄筋も3本増えていた。

 一番南側の部屋の部分の穴掘りもほぼ終わっていた。

 大きな木が植わっていた穴掘りの難所に取り掛かる。

ここの土地では、すべての木を残して家を建てのは不可能だ。絶対とは言わないが、中庭とか変な吹き抜けとかを作らないことには無理。で、大きな木があるところはなるべく避けつつも、ほぼ予定通りのところに基礎を作っている。本日、避けられなかった大きな木の根っこ部分に、若者(ニックネームは柳沢くん)が取り掛かった。

マチェーテ(山刀)やシャベルやツルハシなどいろいろ使って、4時間くらいかかって撤去。お疲れさまでした。

 細い根っこを切ったあとでも、この大きさ。

海岸のブドウと言われている木で、そこらじゅうに生えている。ブドウとは全く違う木なんだが、小さい実がブドウみたいな形状でなっている。あと1ヶ月ほどで食べられるようになるとのこと。早熟なのを一つ食べてみたら、酸っぱくない小梅みたいな感じ。

 

 本日最大の割栗石。彼のニックネームはマヤさん。

昨日から柳沢くんより若い子も入っていて、その彼には持ち上げることさえできなかった。親方はマヤさんほど力持ちではないが、もちろん若者くんより重い岩を持ち上げる。今日の柳沢くんは掘るほう担当なんだが、先週はやっぱり大きい岩を運んでいた。3枚目の写真の柳沢くんの後方に写っているホセくんも、マヤさんと同じくらいの力持ち。

ちなみに我々だと、この写真の4分の1くらいの岩でも持ち上げるのは躊躇する。メキシコ人ワーカーを、腹の出たちんちくりんだと侮ってはいけない(ってか、侮るどころか毎日感嘆してるんだが)。そもそも、よほどの重量がない限り彼らは背を反らせない。おそるべし背筋。おそらく彼ら4人(親方・マヤさん・ホセくん・柳沢くん)で、そこらの神輿なら上がる。


化石の宝庫

2016年07月15日 | 新築

<本日の工事>

① 岩入れてモルタルでつなぐ(続き)
② 組合との取り決め完了

 

 東西に走る基礎に続き、南北のラインに着工。

 

到着した割栗石第2弾を見て、親方は「これはいい」と一言。平らな面が多くて使いやすいらしい。一方、Lさんは別の点に注目にした。貝殻が埋まっている岩があると思ったら、よく見たらサンゴらしきものやウニみたいなものや木が埋まっているものもある。みんな化石。さらに、水晶のようなキラキラ光る鉱物まで。

       

Lさんは、大昔チシュルブに落ちた隕石の衝撃で内陸部に海底のものが飛ばされたというんだが、隕石はもっと大きかったような・・・。

 

本日、プログレソの建設労働者組合との偽契約書が出来上がり(上級組織である州支部のハンコが押されていた)、みかじめ料を払って、現場に飾っとく看板をもらってきた。5月3日が何の日なのかは不明。もらってきた契約書も、コピーして現場に貼り出しておくらしい。

 プログレソの中央公園で、組合の副委員長とパチリ。

 さっそく看板を現場事務所に飾る。


マヤの遺跡と同じ

2016年07月14日 | 新築

<本日の工事>

① 岩入れてモルタルでつなぐ(続き)
② 柱の鉄筋を埋め込む
③ 道路をインベードしている木の伐採

 

 ①が完了した部分。

 隙間を埋めている。捨てコンって言うんだっけ?

 1人が鉄筋を支えて、もう1人がコンクリを流し込む。

鉄筋は4本を四角く組んだものを買って、時間の節約。錆止めは昨日のうちに終えてあった。コンクリは開けたところでスコップを使って練って、バケツ缶で運んでザァーっと流し込む。すべて手作業。

 埋まっている部分の深さは、ここで1メートル40センチ。

 別の基礎部分のフーチング。

この「岩の積み方」はどこかで見たと思ったら、チチェンイツァその他のマヤ遺跡で見たものとまったく同じ。おそるべし、メキシコ2千年の歴史。

 うちの前の道が木でボーボーなので、伐採。

 先月撮った写真。左側を広げたの、わかってくださる?

我々は初日からうろうろ見学しているだけで、現場にはもちろんタッチしない。ただ、昨日までにゴミ拾いをほぼ終えて、本日は道の木(というか枝)を少し切り倒した。

上の写真の道に見える部分は実はうちの土地で、まだ木が植わってるところから左5メートル(以上)が、本来の道なのである(親方とLさんの計測で判明)。だんだん木が威張ってきて、車が避けて通っているあいだに道の位置が変わってしまったらしい。通るったって、前の持ち主であるおじさんがたまーに来たくらいであろう。さらに、この先も木がボーボーで行き止まり状態だが、そこは放っておく。

日曜・月曜とワーカー君たちのマチェーテ使いを見学していたので真似してみたんだが、すごいです、山刀。バッサバッサとイケる。が、使う側の我々がやわすぎて長続きしない。振り下ろすのはいいんだが、しっかり握っているのが大変で、手首の上のあたりの筋肉が疲れてくる。

あと、例の猛毒植物の大物が植わってるのを発見してちょっと怖くなったので、長さ3メートル分くらい道幅を広げて、本日はここまで。

 

 おまけ。プログレソまでの自動車道にて。荷台で寝ている。


力持ち

2016年07月13日 | 新築

<本日の工事>

① 根切り(続き)
② 割栗石を投げ入れる
③ モルタルでくっつけていく

 

 運び込まれた割栗石を一つずつ運ぶ。足に落ちないか、ひやひや。

  投げ入れる。

 根切りの幅は60から70センチくらい。岩の大きさがわかる。

 根切り底にコテでモルタルを塗る。モルタルもバケツ缶で下ろす。

 岩の隙間にコテでモルタルを詰める。

  できてきた。

 

ちなみに、大きな隙間にはある程度小さい岩を詰めていくものの、基本的に置いていくだけで、砂利を詰めたりしない。突き固めもせず、モルタルも単なる接着のために使うといったところ。なので、結構隙間がある。

とにかくあの重そうな岩をよく持ち上げ(続け)ると感心する。こちらは、彼らが岩を落とすときのサンダル履きの足元が気になってしょうがない!


地鎮祭

2016年07月12日 | 新築

<本日の行事と工事>

① 地鎮祭
② 地縄張り
③ 根切り

 

 地縄を張って、石灰でマーク。

 基礎部分の掘削開始。

 人海戦術で、1メートル40センチくらいまで掘る。

 ようやく、貝殻の混ざったコンチュラという硬い層に当たる。

 水も出る。将来、自分で井戸を掘ってみようと野望を抱く。

 基礎に使う割栗石の到着。すごくデカイ。

 壁に使うブロックの到着。

 ブロックをトラックから下ろすのも人海戦術。お約束のサンダル履き。

 

表面は砂地で、どのくらいの深さでコンチュラに当たるかは、掘ってみないとわからない。Lさんから聞いてはいたが、実際に彼らが「スコップで地面を掘り始める」のを見ると驚愕する。なんと力強い人々なのかと、マジで尊敬する。ちなみに気温は37度くらい。 

で、本日は地鎮祭もどきをした。ワーカー君たちにも我々が安全を願っているとわかってもらうために、Lさんに言ってみんなに勢ぞろいしてもらって、スペイン語で。

カソリックとは相容れないだろうが、マヤ文化は多神教なので、この土地の神様もいるはず。さすがに本職じゃないので、お祓いとか「おおー、おおー」というのはせず、「降りてきてください、家建てるのでよろしく、こちらがお供えです、お帰りください」程度にさらっと。

  マジで、安全無事に建ちますように。


現場事務所(続き)と伐採(続き)

2016年07月11日 | 新築

<本日の工事>

① 現場事務所の続き
② 家を建てるところの木を伐採

 

 波板で屋根を作っていく。

 完成。(裏の家の手前)

 続いて家を建てるところの伐採。

 人海戦術にもかかわらず、結構早く開けてくる。

 サボテン。

 別のサボテン。

 誰も名前を知らない植物。

 チェチェンという名の、猛毒植物。

 

このチェチェンですが、触るとすぐに熱傷ができて、実を一粒食べるだけで死に至るという凄いものなのに、平気であちこちに生えている。調べてみると漆の仲間だそうで、中米からカリブ諸国に分布。葉っぱや枝の切り口の黒くなったところも危ない。実際、切り倒したときに比較的危なくない部分にちょっと触れてしまったアシスタント君の腕に、あっという間にミミズ腫れができた。

マヤの世界では世の中すべてバランスが取れると言われていて(昼と夜とか)、このチェチェンのそばには解毒になる木が生えているという。けど、現代は「そんなことより早く病院へ」というわけで、誰もその解毒の木は知らないそうな。


現場事務所(小屋)

2016年07月10日 | 新築

Lさんが(途中まで)描いた図面で積算が可能となり、概算見積も出てきた。ちょっと予算オーバーだったので、天井高を15センチ(ブロック一段分)下げ、一部床面を上げた。が、さあこれで!と決まった6月末にLさん一家に3人目が生まれ、かつ別のデカイ仕事を受注できそうだの何だのと言って、当初彼が言っていた日から2週間遅れで、現場事務所の建設と相成った。

本当は、Lさん自身は3人目誕生の翌週半ばにはOKだったんだが、始まったのはキッチリ2週間後。Lさんが予定している親方に電話して「明日からならOKだけど…」と言ったら、親方は「わかった、今度の月曜日な」と答えた。ユカタンの親方はみんな、「仕事始めるのは、なぜか絶対に月曜日」なんだそうな。

で、9日(土)に現場事務所の材料を発注し、本日10日、現場事務所を建てる準備をした。11日(月)から本格的に始まる。

 

<本日の工事>

① 裏の家の角を基準に、だいたいの敷地境界を決める
② 現場事務所を建てるところの木を伐採する
③ 現場事務所の柱を立てる

 「ここで10メートル」の印。とても大雑把。

 「ここで20メートル」の印。ますます大雑把。

 土地の三分の2は、こんな原生林。

 植生はこんな感じ。

 使うのは、マチェーテ(山刀)。

 木を切り倒した後、事務所の柱を立てる。

 

えー、ご覧のように現場事務所とは小屋のことです。夜中に資材などを盗まれないよう、親方はここで寝泊まりする。昼間は日陰を提供(重要!)してワーカーの休憩場所になる。

建材は使い古した木材と、何でできてるのかよくわからない波板。木材は長さがバラバラなのを買ってきて、切ったり繋いだりして使う。だいたい何平米用って感じのパッケージになっているらしい。本来は、工事が終わったら解体して別の現場小屋用に売れるんだが、うちは鶏小屋か物置にするためにそのままにしておいてもらう。波板はトタンでもPVCでもないよくわからない素材で、ゴムみたいに見えるが石油製品なんだそうな。こちらも使いまわす。

親方や親方が連れてきたワーカーのお兄さんの服装が、なんともラフ。Tシャツに膝下くらいの短パン、野球帽にビーサン。ここでは典型的な労働者(肉体)の格好だが、まさか建設現場でもサンダル履きとは!