La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

死者の日

2017年10月31日 | ユカタン諸々

メキシコで最も重要な伝統行事のひとつで、日本でいうお盆。11月1日に子供の魂が帰ってきて、2日は大人が帰ってくる。

確か、世界遺産になっている(メキシコは本当にこれが好き。そんなことよりゴミや道路の瓦礫を減らしたほうが観光産業は潤うと思う)。

我々は2年前の10月末に移住してきて、そのときは何もわからず身動きも取れず。去年はメリダの借家の契約期間(1年)が終わってここへ引っ越してきたのがやはりこの時期で、バタバタしていつのまにか終わっていた。

さあ、ことしこそ自慢の死者の日を見物するぞ!と張り切ってたんだが、わざわざメリダまで出かけて行くのも面倒だと思ってたら、うまい具合にチェレム村でも何かイベントをするという。例によって、村役場がFBで宣伝していた。

ちなみに各州でお土地柄が出るそうで、メキシコシティのは直近の007に出てきたんでしたね。だいたいこんな感じで、極彩メキシコの明るいお盆!みたいに紹介されるんじゃなかろうか。ガイコツ装束でのパレードがあって、オフレンダという祭壇飾りを競い合う。

 

 夜7時半頃。広場に村人が集まってくる。

 村の共同墓地を出発した骸骨パレード到着。

みんな子供だが、見物客の大人の中にも、ちょろちょろと骸骨メイクの人がいる。

 

 祭りだというのに暗い。さすがチェレム村。

 ちびっ子のダンス。

ユカタンの民族舞踊。ゆるいタップみたいなステップを踏みながら、手に持ったハンカチみたいな布を振って踊る。メリダでは自慢の民族舞踊お姉さんプロ達がガイコツ化粧で踊ったそうだが、ここはカワイイちびっ子たち。手古舞みたいなもん。

 

 ひどいピンボケ。

えー、祭壇を撮ってもいいか?と尋ねたら、お姉ちゃんたちが一斉にポーズを作ったので笑ってしまったため。もう1枚撮っときゃよかった。残念。

神輿小屋の小さいのみたい。屋根は採ったばかりのヤシの葉。他の州の写真と比べて、けっこう渋い感じで、日本の仏壇っぽい。

で、このイベントは村人が参加できるように29日(日)の開催で、明日明後日は家でお盆をするんだと思う。このときだけの料理もあって、死者のパンというのは全国共通。バターたっぷりな割にふわふわタイプで、ほのかにオレンジの味がして美味しい。

あと、ピブというユカタン独自のメニューがある。こちらはおそらく、日本でいうおせち料理みたいな存在で、基本は各家庭で作るものの、手間がかかるので買う人もいる。ただし、日本みたいにデパートや料亭で予約…みたいのはなくて、料理が得意な個人が「作るよー!」と宣伝してるのを探して直接注文するらしい。プログレソで見つけたんだが、家で作るので当然のことながら店舗を構えているわけではなく、全部配達で、チェレムまでは来ないとのこと、残念。


グアダラハラ

2017年10月25日 | メキシコ 日常生活

 

移住にあたりいろいろ助けてくれたグアダラハラ在住の友達のお母さんが亡くなったので、お葬式に行ってきた。

お母さんは数年前からガンと闘っていて、カンクンから30キロくらい南下したリビエラ・マヤというリゾートでの静養に合流したときに会った。息子が日本人のGFと別れて傷心してた頃よく相談に乗ったんだが、そのときのことをとても感謝された。

一生を看護士+看護学の教授として過ごした、素晴らしい人。昼過ぎに市内の大きな病院でお別れ式があり、それから墓地内の教会でお別れのミサ。QEPD。

不謹慎な話で申し訳ないが、ミサでセリフを言ったり立ったり座ったり全員揃うのは、日本人でいうと誰でもラジオ体操ができる…みたいなものか。

 墓地。

墓碑が低いというか地面に埋め込むタイプに統一されているため、供えられた花で花畑のように見える。メキシコでもあまりないスタイルでとてもいいと、友人の新しいGFのお母さんが話してくれた。

 ミサのあと、火葬の建物まで移動。

霊柩車がゆっくり進み、後ろでマリアッチが音楽を奏で、参列者が続く。火葬の建物内部にお棺が入れられて散会となる。全体的に、日本の葬式のような堅苦しさがない。


そのあと、友達とその友達と神父さんと一緒に夕食を取った。グアダラハラはメキシコ第2の都市で、レベルの高い大きな大学があってその校舎が点在する、とても文化的な街だ。

 マクロブスという交通機関。

2両編成。架線がないトロリーバスみたい。決まった車線を走り、プラットフォームになった駅もある。ちなみにグアダラハラには電車も地下鉄もある。おんぼろバスだけのメリダとは大違い。

 レストラン近くの聖堂。

 ここでも何かミサをしていた。厳かだが、ヤソ臭いの怖い。

 付近にシェア自転車の乗り場。

 ピンボケだが、ミネルヴァ像のあるロータリー。

芸術とか医学とか知識とかの女神だったと思う。それだけのことはあって、大学の建物や美術館や図書館などの文化施設がとても多い。で、さらに新しい施設も建設中。

メキシコシティは空気は汚いし道路の渋滞は酷いし、小洒落てる地区もあるけど全体としては単なる大都市。住むなら断然グアダラハラのほうがいいと思った。

でもやっぱり都会はつまんない…というか、それなら東京でいいですから。夜は寒かったし。。。

 泊まったホテル。

一泊4千円ちょっと。帰りの便が翌朝の5時28分発で、3時半起き。いいホテルだったのに、チェックインしたのが11時前で、なんとももったいなかった。


チリとかタケノコととか

2017年10月17日 | メキシコ 日常生活

メキシコに来てもうすぐ2年。空がやたらと広いものだから、観察する機会が増えた。向こうの方に雨雲があるとか、こっちに向かってくるとかわかるので、天気予報がいらない。

海岸線から15キロくらいのところ、つまりプログレソとメリダ北部の中間くらいのところに、雨雲バンドがある。常に雨雲っぽいのが出ていて、この時期、他のところで降ってなくてもそこでは降っている。おそらく幅は1キロもなくて、自動車道を走っていると文字通り雨を抜けていくという感じ。

つまり、海上から内陸に向けて雲が出る場所がだいたい決まっていて、年間通して変わらない。だから、日の出の様子が季節の変化に合わせて変わる。

 最近の日の出。

夏のあいだはスッキリ明るい日の出で、紺色から乳白色へのグラデーションがキレイ。最近、少しずつ赤く焼けるようになってきた。冬至に向けて、どんどん鮮やかになる。こっちに来た当時はまだ朝焼け=不吉というイメージに縛られていたが、なにしろキレイなので好きになってきた。

 

 相棒が馴染みの植木屋で買ってきたチリ。

あいにくユカタンのシンボルハバネロではなかったようだが、出てきた実の中で二つがめでたく完熟! 今日味見する。

 

 借家の裏庭で育てていた竹から出たタケノコ。

あっちでうまく育ったものでも、こっちでは蟻や犬やイグアナなど天敵多しでなかなかうまく成長しないのがある。竹は結果が出るのが遅く、こっちに植え替えて1年。ようやく根がしっかり付いたようで、これからはどんどん繁殖してくれるだろう。お向かいさんとのあいだの、お互いちょうどいい感じの目隠しになる。

 

 ビール。死者の日バージョン。

死者の日ってのは日本のお盆みたいなもの。飾りつけとか行列の衣装とか食事のメニューとか、地方によって少しずつ違うらしい。

一昨年はメキシコ着の3日後くらいで、タクシーで共同墓地の横を通り過ぎたとき墓参りの人で溢れていたのを見た以外、何もわからないまま終わった。昨年は完成とは程遠いこの家に引っ越してきてすぐで、知らないあいだに終わっていた。チェレム村でもいろいろ出し物があるようで、メキシコ3年目突入の今年、ようやく見物に行けそう。


通勤

2017年10月10日 | ユカタン諸々

わたくし、メリダ市内の語学学校(メインは英語、他に日本語含めて6言語)で教師をしております。

8月までまた〜りと2クラス教えてたのが、先月から3クラスになってしまった。かつ、これまでは日本政府も協力して作った世界中で日本語のテキストといえばこれ!みたいな本を使っていたのが、日本語も他のコースで使ってるメソッドに合わせると校長が言い出して、教材作成にも携わることに。

8言語を教える資格を持った校長が編み出した独自メソッドで、どの生徒も1年そこそこでペラペラになる。で、まあ詳しい話は端折りますが、印欧語でない日本語でどれほどの成果が出るか、わたしも興味あるんで、校長に付き合うことにした。

 これは学校のノベルティグッズ。

生徒を増やすためにいろいろ新しいことも始めたようで、他にも日能研みたいなバッグとか、ボールペンとかいろいろ作ったらしい。

 

それはいいんだが、週に一回とはいえ、終わるのが夜の7時半。帰る頃には暗くなる。はい、一人でバスで帰ってきますよ。給料安いんで、車なんかで行ってたらバカみたいですから。メキシコで、それどうよ!と言われそうですが、メリダはけっこう安全な街です。

ただ、ヘッドライトギラギラでぶっ飛ばしてくるバスを止めるのは一苦労。せっかくチェレムに引っ越してきて、見分けるのが困難なメリダの黄色いバス(乗るところでは10路線くらい走ってる)でなく、白い車体のプログレソ行きのバスを拾えばよくなったのに、夜では白もへったくれもない。

まあ、メリダのバスに慣れたように、そのうち白いバスの夜でも判別可能な特徴も何か見つかるであろう。

 プログレソ・チェレムの間の橋の上から。

こちらは、プログレソで白いバスを降りた後に乗る、コンビという乗合タクシーみたいなバスから撮った写真。日没ギリギリの時間。降りるところ(21号線沿い、うちに続く小道の角)に着く頃には真っ暗。

でも、暗い空に向かって真っ暗な椰子の木の葉が揺れていて、ロマンチックな景色ですよ。道端のゴミも目に入らないし。


グアダルーペ

2017年10月03日 | ユカタン諸々

いよいよ、日が短くなってきた。朝は、7時前くらいまで暗い。朝型人間には嫌な季節だが、今月末にサマータイムが終わるので、こんな北欧かぁ?みたいな朝とはおさらば。

昼間は相変わらず30℃を超えて、明け方は26℃くらいまで下がる。とっても快適。

ふと思ったんだが、各国のGDP、寒い国のは割り引いて考えたほうがいいんではなかろうか。輸入か自前か知らないが、経済活動のうち暖房に使われるものは、言ってみれば暖かいところでは不要なわけで。GDPが同じ国があるとして、寒いところの「気温を変える」ことで生じた経済活動は、暖かいところでは他のことで数字を稼いでいるはずじゃん。せっせと暖房してるだけでGDPが大きくなったってどうよ?と思ったりする。どうでもいいけど。

 

 シフトレバーの先っぽ。

またまたバスの話で恐縮。よくルームミラーに十字架とかマリア様(ここでは聖母グアダルーペという)がぶら下がってるのを見るが、こんなところにも。

室内に大きな祭壇を作ってあるボロ家もけっこう多い。というか、お洒落な高級住宅なんかでは絶対見ない。ボロ家のほうがグアダルーペ出現率は高い。カトリックみたいな「神様がこの世を作った」系の宗教は我々にはよくわからん世界だが、そういうのに限って人々の生活にビッチリ根ざしている。

そういえば、去年借家に住んでた頃、最寄りのバス停近くにある教会でギョッとしたことがある。なんか、人間らしきものが吊るされている!ナルコの見せしめ死体か!とビビったんだが、よく見たら磔のキリスト像だった。なんのイベントか知らないが、突然教会の外で礼拝をしたらしく、像もろとも祭壇を移動させていたのであった。

ここメキシコじゃぁ洒落にならないよ〜。おどかすな。