偽の前に、まず本物。ユカタンにシリコテという木がある。うちにも相棒が買ってきた苗から育った木がある。とても硬くて木目が面白い木だそうで、こちらではテーブルトップなんかの材料として使われている。日本ではギターに使われる木としてジリコテの名前で知られている(知られてるところでは。ジリコテで検索すると木材の画像ばかり出てくる)。
で、そのシリコテによく似た木がある。
葉も花もそっくりだが、なる実はシリコテと違って白くて、かつ食べられない(害はないが美味しくない)。ただ、とてもいい匂いがするので、うちでは実がなると屋内の芳香剤に使っている。
フェイスブックのユカタン文化&歴史グループで、この偽物のほうの木が話題になっていた。偽物は海辺にしかないそうで、実際「海岸シリコテ」みたいに呼ばれることもあるらしい。海のぶどうみたいなもんですね。海辺にしかなくて、さらにユカタンでは開発が進みシリコテに限らず土着の植物がどんどん減って身近でなくなってきているので、違いを知らない、あるいは偽物があると知らない人も多かった。
知っている人は、咳に効くという。だいたいお婆ちゃんがそう言ってた系のコメントだったが、中に子供の頃咳が出ると飲まされた、自分の子供にも与えているという人がいた。ちょうど少し前に風邪をひいて風邪自体は治ったんだが咳が長引いていたので、これ幸い!とその人にどう飲むのか聞いて作ってみた。要は実を煎じて蜂蜜を入れて飲みやすくする、と。
確かに蜂蜜は喉にいいだろうが、甘くしたくないし偽シリコテ自体の効果を確認したかったので、普段飲んでいるライム水で割った。なんと!飲んでものの2分もしないうちに咳が止まった! おそるべしマヤの民間療法。普段は忘れてる木なんで、もしかすると真冬以外は常に咲いたり実がなったりしてるのかも。ただ、今回も、熟して白くなるまで2日待った。微妙にないときがある。あたくしほとんど風邪をひかない(今回も20年ぶりくらいだった)が、友達の子供が苦しんでる時なんかにあげられたらいいなと思うので、保存方法を調査中。
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先日樹上で完熟した実を拾ってきたのとはまた別の種類で、こちらのほうは海岸沿いの村でも時々売りに出る。多分南部に親戚が住んでいる人なんかが、どさっと採ってきて売ってるんだと思う。ただし、今回も、完熟。南部の友達のお兄さんちの庭でお兄さんが拾ってくれたもの。ってか、遠慮して5個くらい拾ってありがとうと言ったら、もっと持ってけと大きな袋いっぱいくれた。
以前梅干しにしたことがある。もどきにはなったがそんなに美味しくなかったので。ユカタンでは甘く煮る。ただ、砂糖をどっさり入れて実が茶色くなるまで煮るタイプのデザートなんでさすがにこの量を全てそれにする気にはなれない。第一、匂いがとても良くて、梅らしい爽やかさを生かしたものにしないと損だと思う。
なんとモリンガ!