かぼちゃは以前「カンボジアがなまってカボチャになった」などといって東南アジア原産だと思われていたが、今の認識は中南米が原産地ですね。メキシコ産かぼちゃも日本のスーパーにたくさん並んでいると聞く。不思議なのが、ユカタンに限らず「メキシコのかぼちゃは水っぽい。よって煮物などしにくい」というのが、在墨日本人の共通認識であること。その上、ユカタンのかぼちゃは小さくて平たくて、日本のかぼちゃのような形に切りづらい。種類が違うのを輸出してるんだろうか。
そのユカタンかぼちゃには食べるために買うのとは別の種類がもうひとつあって(身も食べるのかもしれないけどここではほとんどない)、こちらは種を使う。隣のマリアが作ってくれたのがこれ。
かぼちゃの種(ペピタ)で作る粉を使って作ったスープみたいなもの。とうもろこし粉を使ってもっと粘り気があるようにして、サルサのように肉などにかけることもある。左の皿が、ポーチドエッグのスタイルで調理された玉子。
ゆで卵を作ってそれを入れる。マリアは「ときどき上手くいかない」と言ってたので、ハナからゆで卵式では作らないんだと思う。で、そのかぼちゃの種の粉。
ああ、干す前に洗ってワタを取るのが大変。で、干したあと乾煎りして挽いて粉にする。この粉を使っていろんな料理を作る。中南米の他の国にも似たような料理があって、要は先住民の伝統料理です。ピピアンの他には、ディップみたいなのとか、肉や卵と炒めた料理がある。
粉といっても、他の食品と同様、結構粗挽きだし硬い部分も混ざってるんで普通の小麦粉みたいじゃなくてすりごまみたいな感じだが、スーパーには工場で挽いたきめの細かい粉も売られている。ちなみに乾燥工程が短くてかつ乾煎り(トースト)しないで挽いた粉は、薄い緑色をしている。ユカタン料理として有名な(例によってマヤ人はあまり作らない)パパツレスは、同じかぼちゃの種の粉でもそちらを使っている。
少し塩味をつけることもあって、挽いたあとに足したり、隣のおじいちゃんのように乾燥させる前に塩水に漬けてから干すこともある(保存目的もあるのか?)。
マリアは、ただの粉を作って、料理を作るときに塩で味を整えるやり方。
豆乳や水羊羹みたいに布で濾す方が簡単なんだが、調理用の布がどこかに行ってしまったとかなんとか。ハンカチや手拭いを使わない人たちなんで、タオルか服しかなかったのであろう。
味は…、別に馴染みがないとかヘンな味ってことはないが、なんとも形容しがたい。味自体は違うけど、味付けなしのゴマだれを想像してもらえば。。。ユカタン人は大好きだが、この手間のかけようなので、丁寧に作った美味しいピピアンを食べる機会は少ないんだと思われる。人んちで見たの初めて。
メリポナ(針なしミツバチ)は結構種類が多いそうで、これは全長3、4ミリの極小(岩の、右側の白いところに見える黒い粒が蜂)。幼虫は数の子みたいな粒くらいだった(黒いところにある黄色い粒々)。なんと、岩の中に巣を作っていた。普通のメリポナ(普通の蜂蜜より栄養価が高いとかなんとか)の蜂蜜よりさらに希少で甘いらしい。
なんでもそうだが、どんなに希少だとか可愛いとか大切な動物だと話していても、基本的に彼らにとって食料であるものは、きっぱり食料扱い。前に見学に行ったメリポナ養蜂場は文化保存の目的から伝統的な巣を作っているが、こちらは将来蜂蜜を取りやすいような形で巣箱を作っていた。
こないだ借家のゴミになっているドアに描かれた絵について書いたが、
考えてみたらこの辺にはトラ模様の犬が少なくない。半分野良みたいな飼い方なので単に遺伝だと思うが、結構いる。
トラ吉と呼んでいる。もっと模様が薄かったり、茶色にトラ模様だったり。なかなか凛々しい。