La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

サポテ・ネグロなど

2022年04月25日 | ユカタン諸々

親は来て良し行って良し。いつもの2人きり(と犬猫)の生活が、どれほど快適だったか思い知る。

パパパッとここんとこ食べたものを。

 マメイのシャーベット

ここにどういう味か書いてある。いかにも美味しそうに書いてあるが、実は本心ではイモくさい果物だと思っている。なんというか、トロピカルじゃないし、もったりした果肉といい、実際焼き芋に通じるもっさりした味といい、切って食べると、美味しいけどどんくさい。

が、これが牛乳と非常に相性がよくて、上品なデザートになる。よくレシピにあるのは、エバミルクとかコンデンスミルクとかバニラエッセンスとか面倒くさいものばかりぶち込んだアイスクリームだが、ちょっとこの暑さでは甘さがきつい。潰してただの牛乳混ぜて凍らすだけのほうが美味しい。

 いつもの東大寺のキビ。

米と小麦粉とトウモロコシ粉ばかりだと、たまにこういう雑穀っぽいものが食べたくなる。

 コチニータ・ネグロのトルタ。

えー、こちらはわたくしの勘違いでして、村人が「今日これ作るよー」と投稿するFBグループで見たもの。コチニータというのはユカタンの誇る豚肉料理でわたくしも絶対間違いようがないんだが、そのネグロ(黒)なるもの?に村人も「えーっ、ほしいほしい!」と反応していたのですぐさま予約して1キロ買ってみた。

 こういう販売スタンド

 こういう料理

が、実は少し前にメリダのシェフが発表した創作料理で、伝統料理のうちのさらに通なやつ…なんてことはなく、哀れ田舎の漁村民が目新しさに飛びついていただけであった。

ユカタン料理に、レイェノ・ネグロという七面鳥の黒い煮込みがあって、なんとも複雑な味で美味しいんだが、それを豚肉にしただけ。でも、ここははっきり言って七面鳥なんかより豚肉が美味しいので、普通のレイェノ・ネグロより味自体はとてもよかった。ただ、普通のコチニータのほうが美味しいと思う。

挟んでいるパンは、ここでは「フランスの」と呼ばれているパンで、凄くふわふわして美味しい。フランス移民のレシピを受け継いでいる…と言われているが、あのバケットのバカ固さを知っている身には、???としか思えない。販売スタンドでパンも売ってるので一緒に買ってくる。

 レイェノ・ネグロ味のラード

豚肉なんで冷めると脂分が固まるので、それだけすくって取っておく。タマレスというメキシコ料理(ここのはバナナの葉で包む)があって、それを作るときに使う。…というか、ラードを使う料理は多い。

 はちみつ。

ユカタンは養蜂業が盛んだが、中でもメリポナという針がないミツバチのはちみつは高級とされる。何百年も前からマヤの人たちがしている手法。普通のミツバチみたいな巣じゃなくて、ゴルフボール大の壺を作って、そこに蜜を貯めていく(蜂が)。

 タウチ。

スペイン語で、サポテ・ネグロ。サポテというこれまた柿みたいなサツマイモみたいな果物があって、その中の黒バージョン。黒のほうが美味しいとされる。というか、この辺は木になる果物というとこのサポテ系がとても多く(確か、上に書いたマメイもそう)、白黒だけじゃなくてグラデーション的に色も大きさもいろいろある。あるにはあるが、庭に生えてる…という感じで、やっぱり市場に出回るのは白か黒。黒の方が希少。メキシコの他の地域では旬はもう少し後らしいが、ここではだいたい4月ごろに見かける。

切った写真を撮るのを忘れた。果肉が真っ黒でギョッとする。味は、熟しすぎた柿(こればっかりだなw)にダークチョコをたっぷり混ぜたプリンみたいです。複雑。2つに切ってスプーンですくって食べる。

 ハバネロ。

メリダのメルカド(市場)に行ったので、プログレソや村では叶わない「ハバネロの中でも激辛のやつだけを選る」という至上の買い物をした。ハバネロはスペイン語の発音ではアバネロになるが、もとはカリブあたりのどこかの民族の話す言語の言葉(ああ、キューバのハバナとかと同じ)で、ちゃんとハというらしい。そのためかどうか知らないが、ユカタンではハとアの中間みたいな感じで、もろスペイン語のアバネロと言う人は少ない。

 お手製の激辛サルサ

ハバネロは緑のより橙色ののほうが辛いと言われているが、全体としては間違ってないけど実は個体差が結構ある。きれいなオレンジ色をしていても全然辛くない(当社比)スカもある。見たって分からないが、実はヘタのあたりに鼻を近づけると、ちゃんと辛いやつは外からでもツンとくる。

ーーー

その他、最近のアレコレ。

 メリダ − プログレソ自動車道の出口付近。

 チラシを配るプログレソ市長。

市管轄のサービス、警察とか救急車とか(この2つは行政的には同じ組織だが、911じゃなくてローカルナンバーでは分かれている)、水道局とか市役所とかの電話番号が書かれている。セマナサンタの休みで観光客と海水浴客が押し寄せるので、ウェルカム仕草ですね。

ってか、上の写真で見るように停めて配ってるもんだから、さらなる渋滞を生んでるんだが、そんなことはお構いなし。

 

  口腔外科のクリニック。

2年前相棒が世話になった医者で、老母がインプラントを入れた。いつもはクラゲとかサンゴ礁とかの動画が流れてるんだが、最後の診察のときはなぜか桜のになっていた。日本贔屓のメキシコ人は、「ニホン=サクラ!」と1年中写真なんかを見て喜んでいる。同様に、今の時期に紅葉の写真なんかも回ってくるが、日本人にはうざくて仕方ない。が、年老いて長時間の治療に何度も耐えたので、ドクターが気を回したらしい。まあ、きれいですよね、ホントは。いつ見ても。

 

 仏像ホテル。

ここでも何度か進捗を報告している、アジア料理レストラン(本人たち曰く)が、ようやくオープンし、アジア料理でさえないスナックのセクションの他に、なんちゃって中華(メキシコ中華)のほうも持ち帰りサービスだけは始まった。で、まあ、こんなもんか…と思っていたら、相変わらず笑わせてくれる。晒し首ですよ、奥さん。お釈迦様のバチが当たるよ…


チクシュルーブ・クレーター

2022年04月14日 | ユカタン諸々

(来週の老親の帰国を控えて忙しくなるので、忘れないうちに書く)

Wiki に書いてあるのでこういうタイトルにしたが、地元の発音ではチッシュルブまたはチシュルブ、あるいはチクシュルブである。グーグル先生は「次の検索結果を表示しています:チチュルブクレーター」と言ってくるが、これは地元的には間違い。

さて、約6,600万年前、小惑星が現在のユカタン半島あたりに衝突し、第5大量絶滅の引き金になったと考えられている。

このときの衝撃でできたのが、ユカタン半島の誇る観光資源セノーテである。洞窟の中に綺麗な水が溜まってて、洞窟に降下してったり泳いだりできるアレですね。メリダから一番近いところにあるセノーテは、地上にあって洞窟らしい部分は水中でちょっと横に伸びてます。

 こんなの。

ちなみにこのセノーテがあるのはツィビルチャルトゥンという遺跡で、チチェン・イッツァみたいな春分のときどうのこうという建物や、民家跡(土台)や、よくある段々の僧院などのほかミニ博物館とこのセノーテがあって、こじんまりしてる割にてんこ盛りだしメリダから近いので結構おすすめです。

が、小惑星の「衝撃」でできたんで、衝突した中心点あたりにセノーテは一切なく、あわれプログレソ市はその恩恵に預かれないのである。

 セノーテは丸い線のあたりに集中している。

あ、この図はユカタン半島の北半分くらいの部分です。で、落下の中心点とされているのが、プログレソ市内のチシュルブという地域。小惑星は、直径15キロくらいとか言われている。

セノーテがユカタン半島にしかない理由はこちら

 一応、記念碑?が立っている。

以前はもっと、市が作ったけど誰も見向きもしないような、コンクリブロックのそっけないものだった。そこで、近年観光客誘致に熱心な市がひねり出したのが、恐竜と結びつけること。

プログレソの海岸通りに博物館を作ったり、恐竜オブジェを配置したジュラシック散歩道を作ったりした。

さらにトークイベントをするというので、行ってきた(前振り長かった)。第一部が「チシュルブクレーターと大量絶滅」、第二部が「クレーターの研究は何に役立つか」みたいな話。

 市長のツィッターで見た宣伝。

プログレソの工科大学院(こじんまりしている)で開催され、そこの学生がちらほら、地元の高校生が先生に引率されてどさっと、その他の大学生っぽい子たちがちらほら、一般客はなんと、我々(老父とあたし)のみであった。面白かったのに。

 こんな規模。

地元のネット報道メディアの記事なんで写真が小さいですが、1枚目が第一部の講師で、4枚目が第二部の講師。2枚目と3枚目は同じ写真で、我々も写っている。うまい具合に変なアジア人がいるってことで、「いろんな客が…」に使われましたねw。

ちなみに講師はメキシコ国立自治大学から呼んだ博士で、チチュルブと発音していた。マヤ語の xu(チシュルブ=Chicxulub)が発音できないか無視してるか学会ではチュで通ってるのか知らないが。地元では、マヤ語を話さないスペイン語人もみんな、ちゃんとシュと発音する。

地元を愛する移民としてクレーターには以前から興味があったんだが、今回トークイベントで初めて知ったことがあった。

 その時代の南米大陸とアフリカ大陸

 ユカタン半島がある位置。

まず! 隕石が落ちた中心点は「現在の」チシュルブのあたりで、当時はユカタン半島そのものがない! 現在の半島部分の形そのまま海の色が薄くなっているが、「ああ、隆起した(海面が下がった?)んだな」と分かる部分は、海底だったのである。

なんとなく地面が押されてセノーテが…みたいに薄ぼんやり考えていたので、ちょっとびっくりした。関係ないけど、ヒマラヤで貝の化石が見つかったりするんですよね、あれと同じロマンを感じる。

それから、みんな大好きティラノサウルス=Rex がいたジュラ紀は衝突よりずーっと前で、衝突は後期白亜紀。チシュルブ隕石が原因で絶滅した恐竜は、飛ぶやつとか嘴や首が長いやつとか、犀みたいなやつとか。ってか、時代名はいた生物で分けてるのか。まぁつまり、市が作った「ジュラシック遊歩道」という名前はちょっと違う…と講師が苦笑いしていた。

あと、衝撃の大きさを比較するのに「みんな、気温45℃で暑い暑いって言ってますね〜。この隕石が衝突したときのレベルは500℃くらいです」という比較にはみんなへぇ〜って感じだったが、「ヒロシマの10億倍です」に反応したのは我々だけであった。広島の原爆を知らない子もいたんじゃなかろうか。

メキシコのとことん地方州のこれまた地方都市(人口たったの5万人程度)の高校生、考えたら当たり前かも。むかーし修学旅行で見学したの、それこそショックだったので、500℃くらいの話で納得しないでぜひ衝撃を受けてもらいたかった。

 

その他、写真を…。

 第一部の講師。

周りの子たちは絵じゃなくて字になるととたんに横を向き出してたが、資料の方が面白かった。

 第二部の講師。

要は、チシュルブクレーターの研究は、環境問題や生物学など幅広い学問に役立っているという話を詳しく。

 表彰者一同。

講師以外に、会場となった大学院の教授やら事務方やらと、博物館で展示するアニメーションを作った大学生チームなど。プログレソ市からの感謝状ですね。


最近の村の様子

2022年04月11日 | ユカタン諸々

老親の帰国が近づきバタバタしているので、ささっと近況を。

 メリダのアメリカ公園。

オベリスク…というのか?先っぽが尖ってないからただの柱か。いくつもあって、すべてに「アメリカ」の国々の名前が書いてある。バハマもあって、ああ、そうだな…と。

  柱サボテンの一種。

あたしのサボテンパークに移植したもの。初めて花というか実らしきものをつけた。写真撮ってすでに3週間ほど経過したが、何も変わらない。リュウゼツランの一種アガベは花が咲くと寿命が終わるサインだが、食用のうちわサボテン類は毎年花が咲いて実がなる。よくわからない。

 メリダにできたビリア・ラーメンの店。

ビリアというのはハリスコ州の美味なるシチューみたいな料理で、以前メキシコシティーのラーメン屋がスープをビリアのにしたというニュースを読んだことがある。あちらの方では市民権を得つつあるのか、メリダにも進出。

ユカタン地方は鶏・七面鳥も食べるが圧倒的に豚肉が多いし美味しい。逆にいうと牛肉はてんでダメ。なのでビリアも豚肉だけ使ってるのか、どうにかして美味しい牛肉を仕入れているのか(だったら仕入先を知りたい)、美味くねえ牛肉を使ってるのか、わからない。

 巻貝の一種。

夏にはもっと大きいのが見つかったけど、確か貝殻の内側が白かったから、この時期にだけ見つかるのか。

 ブッダホテル→カーサブッダ

…というアジア料理レストランになる予定。中がどのくらい完成しているのか知らないが、「もうすぐオープン!」という宣伝を見たのは2週間ほど前で、まだオープンしてない。

 トゥクトゥクにのってご機嫌の老親。

ここではモトタクシという。老親は輪タクと呼んだw。バイクの後部を改造してある。観光客が増えてモトタクシの数も増えた。組合もあるし村の中心部には乗り場もあるが、呼んだりその辺にいればつかまえたりする方が手取り早い。これは村の市場でご飯を食べてたとき、その外に一台停まってて運ちゃんはどこかなぁ?とあたりを見回したら、隣のテーブルに座ってコーラを飲んでたおっちゃんが「どこまで?」と聞いてきた。

  椰子の流行り病。

この冬から、なぜか突然一本だけ枯れる現象が進行中。ユカタン半島で…と聞いたが、他州でも見られるらしい。全国かどうかはわからない。メリダと村の友達曰く「原因は虫。10年に一回くらい発生する。隣(すぐ近く)の椰子は枯れない」そうだが、お向かいさんちのは2本とも枯れた。てっぺんの葉が元気ないなーと思ってたら徐々に下に向かって枯れていって、最終的には死んだ。2枚目の写真の矢印のところ、ほんの5メートルくらい離れた椰子は枯れてないのが分かります。

  犬ども。

  最近の海。

水が澄んできたので初泳ぎした。首くらいの深さで、足の指がはっきり見えるくらい。夏になると、足の指のシワまでくっきり見えるくらい澄む。

まだ海藻はいない。アジは小さいのが少々。イワシも少々。フグとエボダイみたいのはいなかった。