La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

フィデイコミソ

2016年04月22日 | ユカタン諸々

売主(の元女房)のおばさんが契約書に記載する金額を決めるのを待っていたら、公証人から見積りが来た。ところが見積金額の前提が「おばさんが記載したくない本当の売値」だった。人の話をちゃんと聞け!ということで、「おばさんに連絡とって見積りのやり直しをせよ」と返信。メキシコではこういうことでやたらと時間がかかるもんだと知っていたので、腹も立てずに再びスタンバイ。

見積りのフォーマットは、どの公証人に頼んでも同じらしい。

1. 不動産売買利益にかかる所得税
2. 不動産取得税(連邦)
3. 不動産取得税(州)
4. 公証人手数料
5. 信託設定許可申請手数料
6. 信託設定料
7. 信託管理手数料(初年度分)

これが、売買代金以外で契約当日に必要になる金すべてだが、1.は売主側が払う額で、2.以降が買い手が払う額。契約当日に公証人に全部渡して、公証人がそれぞれ支払うべきところへ支払ってくれる。

1. から 3. は、契約書に記載する偽金額に%をかけて算出する。はっきり言って、政府がしっかり開示していれば、そんなもん計算すればわかる…はずだが、どの政府機関のHPも頑張って作ってるわりには情報の抜けが多く、我々も事前には調べきれなかった。外人相手に儲けている不動産屋の英文HPなども見つかるが、ここはコロコロ法律が変わる(そのわりにHPは放ってある)ので当てにならない。

で、問題は 5.から 7.である。これまたちゃんと説明しだすとメキシコ革命の話になっちゃうんだが、メキシコではすべての土地は国家に帰属する。ただ、メキシコ人は私的所有できる。外国人の土地所有はずっとダメだったんだけど、憲法改正を伴う何度かの緩和によって、規制区域以外は認められるようになった。規制区域とは「国境線から100キロ、海岸線から50キロ」までの地域のことで、プログレソどころかメリダもすっぽりこれに入ってしまうわけです。

日系企業の工場がいっぱいある内陸の州なんかだとまったく関係なくて、カンクンとかバジャルタなどエクスパッツ(引退外人)が好んで住むところはほとんど該当する。

規制区域内の土地を所有するには、政府にお伺いを立てて(上記の 5.)、土地を銀行に信託( 6.)しなければならない。信託は50年間有効の契約で、その間信託財産を管理する銀行に手数料を払い続けなければならない( 7.)。プログレソの米国人おばさんが話していた「年間500ドル」ってのがこの 7. です。5. が1万8千ペソ、6. が6千ペソ。2千平米以上の土地となると金額も変わるし、政府への許可申請ももっと煩雑になる。

この信託のことをフィデイコミソという。辞書ひいても「信託」としか書いてないので、何のためのどういう信託かさっぱりわからなかったが、「ガイジンが海辺の土地買うには、フィデイコミソが必要」と覚えておけば問題ありません(正確には、米国との長い国境線沿いも含まれます)。要は、外国資本による投資を促すだけでなく「そのとき政府にもお金が入るようにした」ってことですね。

これをごまかしてもガイジンにしか得にならないため、「売買金額を下げて書く」みたいなメキシコ人の協力はない。けど基本的に政府嫌いで親切なので、こっちの身になっていろいろ考えて調べてアドバイスをくれる。総額3万ペソ+消費税というのは、ほとんどのエクスパッツには「しょうがないか、そのくらい」ってな金額だが、あんな安い値段で土地を売買しているメキシコ人や怠け者の我々にとっては大金なのである。
 
ごまかすには、メキシコ人とメキシコに会社作って、その会社の所有にするのが一番手っ取り早いと言われている。ただ会社なんで、何もしなくても決算はついてくる。たぶん会計士に払う金額の方が信託手数料より安いんで、この方法をとってるエクスパッツもいる。
 
他には、メキシコ人に土地の所有者になってもらって、永年無料借地権みたいなものを設定するという方式もある。もっと言えば、実際に買ってもらって地代払えば、当然フィデイコミソは組まずに済む。
 
が、そういうのはすべて、誰が死んだとき…とかの話が複雑になるので、まあ、我々はフィデイコミソを組むことに決めた。他人様のお国に住まわせてもらうんだから、そこの法律に従うのが正しい移民です。
 
ついでに言うと、銀行への手数料は銀行によって違うと言われているが、そんなに違わない。ただ、ドル建てのところもあって、ペソ安の今のレートで計算するとむちゃくちゃ損になる。
 
後日「やっぱり1回くらいは銀行に直接(公証人経由でなく)説明してもらおう」と思って、ある銀行を訪ねてみた。フィデイコミソ部門はとても綺麗なビルに入っていて、とても綺麗なエリート行員が親切に対応してくれた。メキシコ人は友達にはめっちゃくちゃ親切だが、他人となると客だろうがなんだろうがサービス悪いので、こういう経験は珍しい。ガイジン相手の部署ってことですね。
 
 <銀行でもらった説明書類>

ユカタン州の運転免許

2016年04月13日 | ユカタン諸々

土地や家の話に関係ないけど、愉快な経験だったのでここに記録しておく。

ちなみにメキシコ人は、「メキシコの免許はインターナショナル。どの国行っても使えるし、どこの国のも使えるはず」と威張る。ジュネーブ条約に加入してないからテキトーなのでは?と思うんだが、とにかく威張る。ここでは米国やカナダの免許は書き換えずにそのまま使えるし、所持する免許がアルファベットで書かれていれば国際免許なしで運転(旅行者がレンタカー借りたり)できるので、逆もそうならまんざら間違いではない。だが、日本語で書かれた日本の免許はダメで、もちろん国際免許から他国の免許への書き換えはない。

 

ともあれ・・・2015年12月

ネットで調べて、公安省に行けばいいことがわかった。住所を頼りに行ってみたら(スペイン語が怪しいので電話で問い合わせるオプションはなし)、そこはなぜか市役所の支所だったが、そうとは知らずに出てきてくれた人にこちらの状況を話したら「10年以上の有効期限を持つ外国免許でないと、書き換えは不可で、新規取得になる」と説明された。「ここじゃない」と言われず、なぜ市役所の人がいろいろ教えてくれたのかは不明。

行くべきはその支所から空き地を突っ切った先にある免許センターだと教わったので、そこへ行って市役所の人の話のウラをとった。だいたい合っていた(その後で間違いだったと判明した点はなかった)。強いて言えば、10年以上という数字が正しいかはわからない。

新規取得に必要な書類は、身分証明書(選挙人カードやパスポートなど)と住所を証明できる書類(公共料金などの請求書)。うちは全部大家の名義になっていて、住所の証明ができない。賃貸契約書と何かのセットで代用できるらしいが、グアダラハラの友達の紹介だったので、賃貸契約書がない。契約書くらい交わせと言われそうだが、そうなると保証人を二人…とか言われて面倒なのでどっちもどっちですね。わたしは固定電話を契約したのでOKだが、相棒名義のものがない。

ここで、大家が登場して「免許センターの署長に話をつけて、免許とったる!」となった。まあ二人で2千ペソくらいなら渡してもいいか…と思ってたら、公安省が毎年恒例の「本当はしなきゃいけなかった手続とか罰金支払とか、今年中にやったら割引!」というわけわかんないことを発表し、混雑するから1月になってから行こうと大家に言われる。

2016年1月

大家が署長と話をするも、新しい署長はクリーンな(汚職に関わらない)女性で、取得までは認めず。書類の例外だけ認めてくれた。住所証明の代わりに、わたしの電話料金請求書とイミグレでもらった「彼はわたしと実質夫婦」という手紙でOK。実家に住んでる子供と同じような解釈なんで、例外というほどの例外じゃないと思う。クリーンな署長、やるな。

でも大家はハッピーで、「よし、じゃあ試験を頑張りたまえ」とテキスト売り場に連れてってくれた。このテキストなるものが、単なる道交法(「法律の」文章)。日本のようにフルカラーでイラスト入りの親切なものじゃなく、フォントも1種類の非常に読みづらいものだった。が、しょうがないので読み始める。

 <道交法の冊子>

道交法なんてどこでも一緒だろと舐めてかかってたら、結構日本の常識が通じないことを発見。たとえばですね、「歩行者は、道を渡るときは車の邪魔にならないようにしなければならない」んですよ! で、真面目に読み始めたんだがやたらと時間がかかるので、巻末の罰則・罰金のとこだけさらうことにした。

試験当日は、

 書類提出とチェック → 視力と血液型の検査 → 学科 → 実技

という流れで、最後に写真撮って免許もらって帰る。学科だけ受かってから別の日に実技ってのはダメらしく、実技試験用の車を持ち込む。学科と実技は2週間以内に合格しないと、最初の書類提出からやり直しになる。

車は大家に借りようと思ってたら、でかいピックアップなのでやめとけと言う。要は貸したくないんだが、仕事で毎日使ってるのはこちらも知っているので、無理にとは言いづらい。ここまでの段階で「妻の免許は試験官を買収してとった」などとおちゃらけていたLさんも、裁判沙汰(民事訴訟なのに負けたらムショにぶち込まれるというMexicoチックな裁判)に巻き込まれていて、今は助けられないと言う。

しょうがない(友達も他にない)ので、大家のアドバイスに従って、先に車を買ってその車で試験を受けに行くという、先進国なら誰もが首をかしげる方法で実技を受けることにした。車を買うにも、免許がない外人だからいろいろ面倒はあったんだが、ここではその話は割愛する。

学科はパソコン端末での受験で、スペイン語か英語で受けられる。10問中8問正解で合格。しかしですね、受けてみてわかったんだけど、10分で10問答えるんじゃなくてタイムショック方式なんですよ。開始!と言われて「問題はどこだ?」なんておたおたしていると、問題でなくその上にあるデカいストップウォッチの「59、58、57…」という数字ばかりが目に入る。答えは3択で、正解をクリック。で、クリックした途端、ピンポーンなりブーッなりと鳴って、次の「59、58、57…」。結構なプレッシャーです。答えがわかってもクリックせずに、残り時間で深呼吸でもすることをお勧めします。3問間違った時点で終了、失格。

でもって、その英語が、前に会ったプログレソの米国人おばさんが言っていたとおり、すごく変な英語なんです。英会話教室に何年も通ってるような日本のお姉ちゃんなんかには、おそらくチンプンカンプンでしょう。実際、相棒は2回落ちた。

実技は縦列駐車。それだけ。持ち込んだ車を止めると、その隣で試験官が前後左右のスペースを測ってパイロンを4つ置く。車と反対側のパイロンの間には、縁石代わりの車止めがある。これがまた運転席から見てるとすごく狭く見えて、結構なプレッシャー。実際、決して広くはない。どのくらい狭いかというと、昔の重ステじゃ絶対無理(ハンドル切るときは一旦止まって最大に切ってから動かないと無理)なくらい。

この4つのパイロンの中に、縦列駐車する。パイロンに当たってパイロンが傾いたらダメ。車止めに乗り上げたらダメ。切り返しは6回まで。やり直しは4回まで。こちらも「ニガテなの〜」なんて言ってる日本のおばさんなんか、一生受からないでしょう。ついでに言うと、当然、左ハンドルで右側への縦列駐車。実際、筆者も1回落ちた。

メキシコの交通事情というと、日本人は必ずと言っていいほど「運転が荒い、マナーが悪い」と言う。ウィンカーは出さないし、車線は無視するし、その上結構なスピードを出すので、そう思うのもわからなくはない。

が、そのわりに事故は少ない。つまり運転うまいんですよ、みんな。常に四方をちゃんと見てるし、車幅感覚はいいし、反応も早いし、その反応も正しい。そういう人たちが互いに避けながら、すいすいグイグイ行く。すいすいグイグイってのは実は「譲るか譲らないか瞬時に判断し合う」ってことでもある。日本みたいに、「下手なくせに後ろさえ見てない、そのくせ信号無視は平気でする」ってな人はほとんどいない。下手な人にはわからないだろうけど。。。

だから、学科のストップウォッチといい、狭い縦列駐車といい、実にここの道路事情に合った試験と言える。「受験用の車に乗って試験場まで行く」ってのも、「だって免許とるんなら乗れるんだろ?」って理屈なのだ。

わかりやすい。理屈がとってもストレート(笑)

そうだ、料金は受かるまで発生しない。つまり、受験料はタダ。で、面白いことに、免許には2年有効・3年・5年とチョイスがあって、1年あたり一番安いのは2年間有効のもの。おそらく犯罪抑止が目的なんだと思う。


2つの売買価格

2016年04月12日 | ユカタン諸々

買い手が外人(Lさんはただの通訳兼代理人)だと知って、おばさんが「ガイジン絡みの売買に強い公証人」を連れてきた。強いというか、何度か経験あるって程度の話だと思うが、大きいのは英語を話すこと。ありがとう。

ただし、途中から窓口は「英語を話すアシスタント」に変わって苦労した。メキシコではよく起こることだが、あっちは「英語で話しましょうか?」という親切のつもりが、その英語がいい加減なのとスペイン語なまりでめちゃくちゃ聞き取りにくいのとで、こっちがスペイン語で苦労するほうがラクなのである。公証人はまあまあな英語を話してたんだけどなぁ。

それはともかく、1回目に会ったときは公証人本人が出てきて、「ここでは双方が弁護士立てるんじゃなくて、私が間に入ってどちらの利益も守るようにするから安心しろ」と言われた。米国人なんかによくしている説明なんだと思う。つまり、おばさん側の情報が正しいか、こちら側の立場に立って調べるから大丈夫だと言いたかったらしい。

ところで、おばさんが買ったとき(ほんの3年ほど前)の登記書類に「売値は7万ペソ」とあったので、「いやー、タイミングよかったのかもしれないけど、ずいぶん儲けたな。もしかしてエヒード(前の記事参照)を買ったか? それにしても短い期間でずいぶん儲けたな」と思っていた。

公証人に会う前、おばさんが「今回の売買では金額いくらにしようか」と聞いてきた。実際の売値よりずいぶん低い価格を、例の契約書+登記用書類に記載したいのだという。売買差益があまり出ない(所得税をあまり払わなくていい)ような価格にしたいという。

細かい話は端折るが、これがメキシコのスタイルなんだそうです。LさんもLさんの知り合いの弁護士も、当然のように「そうだな〜、このケースでは1万くらい載せないと、近隣の土地も上がってるし…」なんて話していた。「変に安くしたらこっちが売るとき税金上がるよね」と聞いたら、「そのときの買い手が実際の金額しか書かないと言ったら、税金分を売値に乗せろ。でも普通そんなこと言わないから」という答えが返ってきた。

ぼったくることしか能のない政府に対して、国民は一致団結して立ち向かうのだという。もう、そこまで言われたらそうですねとしか。自国政府に対する批判が日本の比じゃないほど強い国で、ぼったくりというか汚職というか腐敗の構図というか「いいとこ取り」があるのは事実らしいので、まあ、一致団結の仲間に入れてもらうことにする。

かつ、その辺の事情は公証人も承知の上で、会合の最後に「じゃあ、契約書に入れる金額が決まったら教えて。そしたら見積り出すから。書類もすぐ作れるから」なんて言われた。公証人もこっち側の人間だってことですね。

で、所得税払うのはおばさん(と仲間の元旦那)なんで、金額は向こうが決めるんだと思って待っていた。その間、日本から両親や友達が来たり、プログレソの米国人おばさんが話していた年間500ドルの出費について調べたりして、あっと言う間に過ぎた。


土地売買や登記の書類

2016年04月11日 | ユカタン諸々

おばさんがくれた、売地に関する書類は、以下のとおり(すべてコピー)

1. 登記簿謄本
2. 所有者が変わったと申請したときの受付票
3. 所有者の変更を登録したよと述べている書類(非公式)
4. 一見「おばさんが買ったときの契約書に見える」書類
5. 日本でいう路線価の証明書
6. 役所が振り出した昨年分の固定資産税領収書

 <書類もろもろ>

Lさんは、これで必要なことは全部確認できると言う。(身の安全のために、メキシコでこのブログを読む人がいないように書いてますので、もしスペイン語の書類名を知りたい人がいたら、メッセージください)

が、日本人にはわからないことが。。。

1. 登記簿謄本に抵当権の記載がない
2. 所有者変更に関する書類2種に何の意味があるのか?
3. おばさんが買ったときの契約書に見える書類は何なのか?

Lさんは、「売っているのは本当に現在の持ち主である」と確認することが、最も重要なことだとしつこく言う。で、まあそれはOKだと。いや、正確にはおばさんの元旦那が持ち主で、ふたりで土地ころがしをしているんだが、その話が本当かどうかは買うときサインするために持ち主が現れるから、そのときわかる、大丈夫だとLさんが言う。

そのときじゃ遅いっちゅうか時間を無駄にしたくないが、とりあえずメキシコ土地事情に詳しいLさんの言うことを信じる。話を進めるかどうか決めるのに、ニホンジンはまず土地の素性を確認したい。元旦那云々の話は後だ。

所有者名や所在地や面積や土地の形の絵(手書きの絵ですよ)が書かれたペラ一枚(謄本?)には、抵当権の記載はない。こっちは抵当がくっついてるかが一番心配なので、いろんな人にしつこく質問してみた。おばさん以外の土地を調査したときも役所を含めいろんな人と話した。

が、抵当についての我々の心配は、Lさんだけでなくなかなかわかってもらえない。というのも、もともと「抵当権」という言葉は日本のもので、法律が違えば定義も違うので、ほとんどの国で「ズバリ、訳語」というものは存在しないのである。管轄であるプログレソの役所のお兄さんも、隣のお姉さんにわたしが言った言葉の意味を尋ねていた。権利と義務がどうなってるかが各国で微妙に違うので、本当は一言で言うより何を知りたいか説明するほうが早いのである(が、スペイン語がおぼつかなかったのであろう)。

かろうじて「心配はわからんでもないよ」的に理解してくれたメキシコ人がいたが、「固定資産税と電気料金と水道料金の未払いがない」証明をもらうべきだというアドバイスをくれた。そういう細かい話じゃなーくーてー。

結論を言うと、メキシコでは「そもそも土地に抵当がくっついていること」がほとんどなさそう。おそらく土地が安いからだと思う。車の値段と大して変わらない。車のほうは犯罪に利用されることがないようにディーラーが「誰にいくらで売った」なんて書類を発行するし、質入れも可能みたいなんだが、土地ははただ「現在の持ち主は誰それさん」ってことが問題らしい。(大きな土地のことは知りません)

一応、土地売買詐欺に関して調べてみたが、仰るとおり持ち主絡みか、シンプルな手口のものしかみつからなかった。

あとからわかったのは、3.の「おばさんが買ったときの契約書に見える書類」は、「売買契約を公証人が認めた」という書類。この書類が、日本でいう「登記をする」って流れの主役なのである。売買契約と所有者移転登記の流れは、

1. 売買の意思の確認
2. 公証人(ノタリオ)に書類作ってもらう
3. 公証人の前で金払って、双方がサインする
4. 公証人が書類持って登記所に行く。
5. 5〜6週間で、登録終わる。

(2017年追記)5〜6週間でなくて、実際は半年以上だった。おばさんの弁護士がいい加減なことを言っていた。

つまり売買契約書と思ったのは、公証人が作ってサインさせて役所に持ってって役所のハンコをもらった…書類。で、おばさんにもらった 1. の紙切れは、そもそも日本でいう謄本とは別物か、あんまり意味はない書類で、この「移転登記申請および登記完了記録付き売買契約書」が重要というわけです。

おばさんにもらった書類の中では、非公式ながら役所が発行した 3.より、公証人が作った 4.のほうが公的証明能力が高いということか? 日本で公証人役場に用があったことは数回しかないが、公証?してもらうことより、その先の各種申請が目的だったので、なんとなくピンとこない。

心情的にはどうしても「それはその売買のとき(だけ)の書類でしょ」という疑問が残る。登記所(市役所)が現在の登記事項を出してくれたら簡単だと思うんだけど、そういうもんなんだからしょうがない。