La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

落ち着いた生活

2024年07月15日 | ユカタン諸々

とにかく「早く新居で落ち着いた」生活を確立しないと、次の計画が始まらない。工事は終わらせたが、本当にいろいろあるもんですね。キリがないので書いておきたいことだけ書く。

内壁の仕上げの雑さがどうしても気になるので手を入れた。色が違うのは明るくて目立ちやすいリビングだけ直していったが、本人たちは「フツーの仕事」をしたつもりになっている仕上げが、ムラがありすぎてどうにも気に入らない。

 元。

今思えばマシヤの混ぜ方が雑なのと、バケツの中のマシヤが少なくなってきてもかき混ぜて柔らかくせずにそのまま塗ってた作業員がいたのと、表面を均すのに硬いスポンジを使いすぎて粒々が出すぎたせい。塗り壁なんで「味がある」というかそういうもんなんだが、あまりに凸凹で雑なので、リビング以外のすべての天井と壁をヘラでこすった。

 削った後。

家全体が少し明るくなった。が、降ってきた粒まみれになるし、首や腕が痛くなるし、エライ大変だった。

 照明器具取り付け。

相棒は、親方チームがする予定だった、蛇口や金具などの取り付けで毎日ドリル。海辺の村で作り付けだった棚やフックなども、ないと物が収まらなくて細かいことなんだがいちいち時間を取られる。おまけに、年寄りなんで午後には力が入らないと文句を言っていた。

暮らすとこ(屋内)を優先してたので、これから敷地内をきれいにしていかなければならない。あと、先週は強力なハリケーン・ベリルが来るというので気が休まらなかった。なぜ休まらないかというと、建設ゴミをまだ片付けていないからである。そこらじゅうに転がってる小さ目の岩も不安材料。なるべく自然なままにしたいんだが、ハリケーンの風で吹き飛ばされたりしないんだろうか。

 ジャングルに戻ってしまった。

 うちで生まれたヒヨコ。

餌だけあげて放っておいたが、無事住み着いた。が、卵目的のちゃんとした小屋を作らなければならない。

 マンゴーの芽。

作業員がうちの木から採って手で皮をむいて食べて捨てた、殻付きの種からも芽が出ている。見ただけで10本くらいあるんじゃなかろうか。そんなのはいらないんで引っこ抜くが、マンゴーだけでなくとにかく敷地全体でガンガン芽が出て伸びているので、マジでどうにかしなければならない。

後ろに見えるパイプから、少し漏水している(ずさんな設備工事)のも直さなければならない。その辺に散らばってるのは飛び散らせて固まったモルタルとかだが、他にも型枠にした木材の切れ端とか、山のように積み上げたままの壊れたタイルとか、ずいぶん余った鉄筋とかパイプ(結構な種類と長さ)とかも、片付けなければならない。

でもまあ、借家が快適じゃなかった分、今の状態でも天国です。グラインドで飛び散ったチュクムの粉も、家中の床を水洗いしてなんとかキレイになった。ついでに作業が雑であちこちにこびりついてる各種モルタルや糊なんかも、今取る気になる分だけは取った。

現場として最後までやって竣工引渡しという形だったら、どんな状態まできれいにしてたんだろう。まさか壁中にこびりついたモルタルをいちいち削り取るとは思えない。こういうシミとか、本当に気にならないのか?模様程度に考えているんだろうか。そのくせ、借家のRをつけた窓だの仕切り壁だの宗教系のものだの、飾り付けには熱心なの、本当に理解できない。文化の違いといえばそれまでだが。

あと、出前からは解放されたが(ときどき疲れて頼むこともあるが)、借家よりはマシになったとはいえ、まだ限定的な炊事しかできてない。買ってある食器棚とかが届いて、まだ箱に入っている皿や鍋を収めたら、料理も本格的に再開できる。こういうの、気にならない人は気にならないのかもしれない。我が家は片付いてないとダメなんで、あと1週間といったところでしょうか。

 石垣にシール。

住んでいれば訪問者もある。「蚊を増やしそうな水が溜まる物(古タイヤやプラの器ゴミなど)が庭に放ってないか、あるなら水を捨てろ」という役場の指導が回ってきて、確認が終わったという印をつけていった。ラテンアメリカではデング熱が増えているが、まだ村では感染確認はないという。蚊に関しては、自然に囲まれている割には、近くにラグーンがあった海辺の村より圧倒的に少ない。


浴室チュクム仕上げ ②

2024年07月13日 | 新築

 好きなサイズと形の浴槽。

  完成したお風呂。

もっときれいに撮れないのが悔しいw。

 

撮り忘れたと思っていた写真があったので、少し遡ります。先日の記事に足しておいたので、この部分は後から消す。新しいことはその下に。

ーーここからーー

 チュクム液。

  完成より少し肌色が濃い。

乾くともう少し白くなる。ちなみに、20キロの専用セメント3袋と18リットルのチュクム液タンク1つのワンセットで買うのが便利。チュクム液は、表面仕上げに吹き付けたりするので、混ぜ合わせる必要な分より多めになっている。腕にもよるがw、1セットで10平米くらい塗れる。糊は、1セット分に合う量のボトルで売られている。

 グラインドかけて粉だらけ。

家中に粉が飛び散って掃除が大変だったが、快適な風呂には変えられない。

 高圧洗浄機で掃除。

グラインドをかけた面だけでなく、最後の最後に作った排水トラップの中も念入りにキレイにする。ちなみに、設備工事がひどくて施工中に出たゴミが結構パイプの中に残っていて、他のところも蛇口がすぐ詰まったりして大変だった。この後、栓をつけておしまい。

ーーここまでーー

 

風呂に関しては、とにかく苦労した甲斐があった。チュクムの足裏の気持ちよさだけでなく、日本から取り寄せたTOTOの混合栓にも感動している。シャワーと蛇口の切り替えの間にある「止める」に合わせると微かに聞こえるカチッという音、カチッという感触。あれ、日本にいた頃は気にしたことなかったが、感動ものです。こっちはカチッがない原始的な物でさえ結構すぐ壊れるし、漏れがないなどの心配をしなければならない。が、ほんの少しのことで、快適さ便利さ安心感が違う…というのは、日本の十八番ですね。マヤ人が体験したら、ほしいと思うんだろうか?

で、チュクムは浴室以外にも使えて便利だった。海辺の家の経験から、家の中でなるべく木材を使いたくない。喰われにくい木材がない上に防虫加工がいい加減なので、シロアリのリスクが半端ない。が、プラやPVC素材も、高い割にこの品質?というものが多くて使う気にならない。施工もそうだが、材料の製造にも難があると思われる。

左官仕事の練習台にもできたし、ほしいサイズにするためのちょっとした隙間埋めとか、親方チームの仕事を待っていてはキリがないもの(最後の方には、避けたいので伸ばし伸ばしにしてるとしか思えないとストレスを溜めたもの)など、全部チュクムで仕上げた。

 テレビ台の2層目。

 モップシンク。

この後、作ってなかった(パイプが刺さってるだけで穴が空いてなかった)排水溝を作って完成。大型で使いやすい。

 飲み物カウンター。

  キッチンカウンター。

カウンター面に大きいタイルを貼った奥と、側面。奥は、特に流しの奥など水が跳ねて掃除が面倒なところにバッチリだった。塗れてもすぐ乾く。それに加えてなめらかだけど滑らないという性質で、少しだけ余ったチュクムで石鹸受けを作ってみたんだが、これも正解だった。ヌルヌルしないようにどうやって水を切るかとか形の心配もないし、ヌルヌルしないんで石鹸が妙に減っていくこともない。

…というわけで、チュクムを使ったのは面白い体験、かつ大成功であった。マヤの素材、自然と共生するマヤのどうのこうのとオサレな住宅などで持て囃されているが、肝心のマヤの…の部分がイマイチ分からない。一体いつどこで使われていたのか。「多分昔モルタルを作るのに」と言う人がいるが、ピラミッドなどだろうか。それに、スペイン侵攻以降、どうやって生き残ってきたのか? 一旦忘れられて、マヤブルーの顔料のように復活させた人がいるのか? それとも細々と使い続けられてきたのか。今後、暇になったらこの辺の疑問をクリアにしたい。

あ、あと、最近読んだ記事には、保温性もあると書かれていた。気泡みたいなもののおかげだろうか。それこそお風呂にぴったりじゃないか。日本人にどのくらいもつのかと聞かれたが、そもそも耐久性は普通のモルタルより高いというのがウリである。素人の施工でも大丈夫かw、そのへんは今後の楽しみとする。

残念ながら、人気が出て人工物が増えただけで、本格的なチュクムの製造業者が増えたという話は聞かない。中にはヨーロッパまで送ってくれと言って買う人もいるらしいが、重いものだし輸送量が半端じゃないと思う。ユカタン半島で開発が進むせいで、生えている木も減っているらしい。エネケン(サイザル麻)といい建材としてのポテンシャルが高いんで、是非ともユカタンの企業家や政府に頑張ってもらいたいが、彼らは世界に向けて…となると明後日の方向を向きがちだからどうか。。。


浴室チュクム仕上げ ①

2024年07月07日 | 新築

コンクリとセメントの箱を家と認識するマヤ人土建屋が撤収してくれた後、いよいよ日本式の家として完成すべくニホンジンの我々で作業を開始した。まずは風呂。しばらく借家にシャワーを浴びに行ってたが、とりあえず湯水を使える状態になったので、そこまでの記録。ああ、きれいな風呂場のシャワーは快適だ〜。

湯船など滅多になく、あってもジャクジーしか売ってないユカタンで、日本のお風呂を作るためにチュクムというマヤの建材(漆喰の素)を選んだ話はこちら。内陸部に引っ越したので、海風のない暑い夏を水風呂で乗り切るのと、冬は結構寒いので温まりたいため、日本のお風呂を作る。

(7/13 追記 ないと思ってた写真を足しました)

 チュクムの店。

勇んで買ったのは確か5月上旬w。建材として本物を売るところは、メリダに3軒くらいある(他は人工セメントの紛い物)。オサレな現代建築で人気が出たのがここ数年なので、マヤの素材なのにマヤ人の親方たちは扱った経験がなく、左官工事を請け負いたくないという。まあ、当然だ。が、売ってる店ではメリダあるいはその近郊でしか施工まで請けない。動画をいろいろ見て、後はこの店のお兄さんが何か疑問があったらビデオ通話でフォローしてくれるという状況で、レッツゴー。

  下地のモルタル。

ここまでは親方チームの仕事で、チュクム仕上げにすると言ったところは手を抜いてあるのできれいにするのは結構大変だった。凸凹を取って、出た粉などを払って(洗い流して)、水を含ませる。ここまでは普通のモルタル仕上げの準備と同じ。その後、糊を塗る。素人がするんで、一応、この店で専用の物を買ってきたが、保水性のモルタルの下地材ならなんでもいいんじゃないですかね。

  混ぜる。

チュクム液と専用のセメントを混ぜる。

 チュクム液。

  完成より少し肌色が濃い。

乾くともう少し白くなる。ちなみに、20キロの専用セメント3袋と18リットルのチュクム液のワンセットで買う。チュクム液は、表面仕上げに吹き付けたりするので、混合割合より多め。腕にもよるが、1セットで10平米くらい塗れる。糊は、1セット分に合う4リットルボトルで売られている。

 

 まずは簡単なテレビ台で練習。

 続いて本番の浴室。

当たり前だが、素人なんで左官仕事が難しいのなんの。まずは表面をチュクムで均す的な1層目を塗る。

 設備の不具合が発覚したとこ。

混合栓がきちんと付くように壁の形状を変えたところも、漆喰なので対応できる。浴槽の形といい、好きなように成形できてかつ水回りにバッチリという素材に出会えたのは本当にラッキーだった。

 キッチンカウンターの端。

 洗面台。

浴室の2層目に入る前に、また練習。細かいところは手こずるかと思ったが、広い面の方が下手がバレて難しい。まして、浴室となると凸凹していては使いにくいし掃除もしづらいんで、ここはつるんと仕上げたい。

 真ん中の部分が合格。

 

  このくらいまでが限界。

素人のコテ使いでは全面満遍なくつるんとまでは行かない。試行錯誤(恥ずかしいので写真なし。というか、撮ってる余裕なし)を繰り返して、結局一部グラインダーをかけることにした。

 粉だらけ。

家中粉だらけで掃除が大変だったが、快適な風呂には変えられない。

 ほぼ完成。

 高圧洗浄機で掃除。

グラインドをかけた面だけでなく、最後の最後に作った排水トラップの中も念入りにキレイにする。ちなみに、設備工事がひどくて施工中に出たゴミが結構パイプの中に残っていて、他のところも蛇口がすぐ詰まったりして大変だった。この後、栓をつけておしまい。

いやあ、素晴らしい!  水がだいたいはけた後、残りは染み込んでいって、それからすぐ乾く。だから全然ジメジメしない。表面は滑らかだけどまったく滑る心配なく、足裏がとても気持ちいい。えーと、天気がいい日の、高級ホテルのプールサイドみたいな感じです。

後は小物を取り付けて完成。


引越その他

2024年07月06日 | ユカタン諸々

6月24日に借家から大物を移して、今週4日に犬猫の移動と大掃除を終えて、借家から完全に撤収した。犬猫を置いてあった大きい理由は、浴室での作業中邪魔だから。

  ピックアップより少し大きい車。

 

半月ぐらい遡るが、これまでのユカタン諸々。

  洪水。

 マヤの家の中。

州中央部(メリダの東、うちから見ると北のほう)は、大雨が降ると冠水しやすい地域で、雨季に入ってからの大雨で例によってこんな状態になった。この後(昨日)ハリケーン・バリルが通過したので、めちゃくちゃなことになっているだろう。うちは、当初の直撃予想が外れて、ずいぶん北のほうを通過していったため、ほぼ影響ゼロ。ただでさえバタバタしているから助かった。

 

  村の支援。

保健省管轄の食料品分配でなく、社会発展目的で提供される。農業や畜産業の規模拡大のために使えということだと思われる。

 

 サンドイッチョンのパン。

サンドイッチョンという料理?、ユカタンにしかないと思われる。食パンの間にいろいろ挟んでケーキみたいな形に整えたもので、甘いのはほとんどない。マヨと何かを合わせたクリームを使う。隣村に食べ物を作って売る個人向けのルゴという店があって、大量で安価なのでたまに行く。やっぱり売ってた、耳なしの専用パン。

 スーパー・ハイジにて。

JASマーク付きのを売っていた。つまり、米大陸人向け現地生産モノではない。日本で国内市場向けに作られた商品の輸入。美味しいですね、サッポロ一番みそラーメン。なんと、メキシコ国内の大都市では売ってないらしい。恐るべし、スーパー・ハイジ。

 マリアのチキンスープ。

出前に飽きたし、かといってやることが多すぎてご飯を作る気力がないので、マリアんちの昼ごはんを多めに作ってもらって買って、夜ご飯に。最初からこうすればよかった。

 思えば最後の現場飯。

ユカタン人みんな大好きなフリホル・コン・プエルコ(豚肉と黒豆の煮物)。これじゃ「ユカタン料理ベスト10」とかに入らないのも分かる。付け合わせの野菜がなければ、ただのどす黒い茶色の料理。

 マリアが梅を干していた。

甘く煮るという。落ち着いたら梅干し作りを復活させたい。来年だけど。

 

先月、パスポートの更新にメキシコシティに行った。が、そもそもメキシコシティにあまり興味がないのと、家が落ち着かないのに数日滞在して観光ってな気にならず、日帰り。飛行機で片道2時間くらい。ユカタンでは自分で作らなければ美味しいラーメンにはありつけないので、日本人がやってる店で食べよう!と期待して行った。

結果は、期待しすぎたせいもあるが、ガッカリ。日本でいうと中の中くらいのレベルなのに、円安抜きでペソでも「ゲーッ!高い!これで!?」という価格。日本人が作っているので、なんちゃって盛り付け(焼豚とナルトと卵あたりを真似して載せてあるけどなんか変)じゃないが、お味が。。。 ちなみに外国人の盛り付けがなんとなく変なのは「正面がないから」です。彼らは皿を上から見て盛り付けるので、「中心」がある盛り付けになる。盆栽とフラワーアレンジメントの差みたいなもんですね。

さらに、白飯を頼んだら、ツイッターで「メキシコでも国産米が輸入されるようにになった!うちでも!」と自慢していたのに、ジャー臭いご飯が出てきた。やっぱ、日本のものは日本で食べるか自分で作ったほうがいい。

  

興味がないんで、どこだか分からない。ユカタンでは流しのタクシーがちゃんとしているので、ウーバーの必要性をあまり感じない。時間があったので公共交通機関でも使ってみるか(ユカタンにない地下鉄とか)と思ってウロウロしたときに撮った。ユカタンと違って治安が悪い!というイメージが強すぎて、道端で携帯をいじる気にならない。いろいろ見所がある都市と言われているが、いかんせん興味が…。すみません。

 メリダ着陸。

  機内。

機内の減圧が終わった途端、ドライアイス演出か!と思うような水蒸気(写真より幻想的でした)。ああ、湿度の高い暑いとこへ帰ってきた!という感じ。