La Ermita の記録

メキシコ隠遁生活の私的記録と報告
 @ユカタン半島。

不便な借家

2024年06月30日 | ユカタン諸々

新居での作業について報告していく前に、不便だった借家についても記録しておく。

 玄関。

目の前はよくバイクが通る、埃っぽい道。お向かいさんちもすぐ目の前だし外から中が丸見えなので、棚で目隠しをした。ついでに玄関スペースになるように、間仕切り代わりにもしていた。

入ってすぐに四角いスペース。その奥の方に、

  調理コーナー。

テーブルを置いただけ。流しはない。日本倶楽部で使っていた簡易ガスコンロだけ置いて、どうしても出前が嫌なときご飯を炊いたりしていた。

このスペースの脇にふた部屋ある。ちなみにどの窓にも泥棒よけの鉄格子はあるが、網戸はない。

 1つを寝室に。

西日が当たって暑いのなんの! 最高で室内気温38.8度を記録した。風通しも悪い。ってか、この家自体、建てる方角を間違えていて、風は一切抜けない。蒸し暑い。雨季に入ってからは一日中じっとり。

 奥の部屋は物置に。

新居で解くとき、虫とか入ってそうで怖い。

 裏庭に出る扉。

力を入れないとこの鉄格子の扉が開かない。

 出たとこ。

左にあるのが、トイレとシャワーの離れ。入るとき草ボーボーだったのを、草むしりして、転がってたブロックを 並べて置いて通路にした。少しはマシになったが、靴を履いたまま入るシャワーってのが、こんなに不快だとは知らなかった。

 離れの中に入ると犬。

屋根がないと暑いのと、こいつは雨が嫌いなので。おかげで床が泥でデロデロになる。シャワー浴びるとき、泥で床に足跡がついたりして、汚いところでシャワー浴びてもすっきりしないということがよくわかった。村の若い子はビッチリ化粧したりしてるが、部屋の鏡使って…とかなんだろうか。寝室がないマヤの部屋なんかだと、やっぱり外の水場でってことになるんだが、よくこんなデロデロなところで化粧できるなと思う。

 便器の奥にシャワー。

湯は出ない。水だけチョロチョロと出る。冬は辛かった。

 離れの外に洗濯機。

海辺の家で不具合が出始めて、買い手の米人から指定された「犬小屋の撤去」を手伝ってくれた村人にあげたので、こっちに来てから新しく買った。水をタンクにあげるポンプ用しか電源がないので延長コード、洗濯機用の蛇口がないのでシャワーからホースを伸ばして使う。

 洗濯機の脇に蛇口。

こちらはタンクでなく水道局の送水管に直接繋がっていて、朝から3時頃までの送水時間以外は水が出ない。

 コーヒーカップなどを洗う。

トイレの脇にある洗面台は小さくて水量も少なくて、カップだけならともかくコーヒーメーカーのポットなど大きいものは洗えない。毎日ここでしゃがんで洗った。雨が降っても。

 

というわけで、不便な借家の記録でした。新居に引っ越してとりあえずキッチンの流しやトイレの洗面台が使えるようになっても、手が汚れたりすると「ああ、あの固い鉄格子のドア開けて出てくの面倒臭い」と思って、それから「いや!もう流しあるじゃん!洗えばいいじゃん!」と気づくのに3秒くらいかかった。恐るべし、水で不便することの後遺症。


終わらせた工事 ③

2024年06月30日 | 新築

無理やり工事を終わらせたのは、いつまでに…いつまでに…が何度も延びてキリがないと思ったのもあるが、それが原因でストレスを溜めたくなかったのが大きい。彼らが今日は来ているか、明日は何をするかと考えるのも面倒くさい。彼らがするはずだった作業が残ってでも、バイバイして自分たちでする方がラクだと考えた。作業自体も、完成して落ち着くのがまだ先なのも、改めて頼んだらかかるコストもムカつくが、これ以上他人に振り回される生活よりはましだ。

 

家中ぐちゃぐちゃだが、一歩ずつ。まずは設備屋がやり残していったことに着手。

 ガス湯沸かし器の設置。

井戸のポンプを設置してくれた彼に頼んで、まずはガス管を繋げてもらう。やろうと思えば我々でもできるんだが、エアコンの取り付けについて話したかったのと、元の設備屋と親方が無視し続けた電気の配線も変えてもらいたかったので、まとめて頼むことにした。さらに、給水管が排熱パーツの真上を通っていたので、そこも直してもらう。

 完成。

 キッチンのガスコンロの下も。

きちんと繋いで動作確認をしてもらった。元の設備屋の仕事については、さすがの彼も苦笑いしていた。電気の配線は、元設備屋が何をしたか分からず、後日我々が壁を壊して確認してから、ということになった。

 

 浴槽周り。

まずは養生w。

 枠を作る。

元設備屋の作業が雑で混合栓と壁との間に隙間がある。せっかくの日本式風呂だし混合栓も日本から取り寄せたんだし、ここはビシッと仕上げたい。よって、仕上げのチュクムの前に、モルタル仕上げの形を直す。

  石鹸置き。

バスタブや排水口や混合栓の段階でゴタゴタして忘れていたので、ついでに作る。

 

キッチンのチュクム仕上げは、彼らの作業が終わっていたら着手できてたはずなんだがこれから。なので、コンロと流しは使えるが皿とか鍋とかまだ出せない。他にも、ランプシェードなどのための金具取り付けや旗を差すためのとこなど、代金に入っていたはずの細かいことが今後の作業として残った。洋服棚やら洗面台の棚やら、親方に頼む予定にしていた(追加工事で頼むとすでに話してあった)細かいものも、これから。もうそれらはおいおい片付けていく。


終わらせた工事 ②

2024年06月30日 | 新築

続きまして、彼らが帰ったときの状態についても、記録しておく。仕上げ段階の品質と引き渡しのための清掃について。前の記事に書いたように、「もうやらんでいい、ラッキー」と帰っていったんで、彼らにとっても何らかの「作業を終えていない状況」ではあるが、いつまでやらせておいても大した違いはないだろうと思われる。

 

 ゴミ拾い。

この写真は21日のもので、親方に言われて1人の青年が工事瓦礫と自分たちのゴミを片付けていた。終わった後はもちろん、日本人なら「まだ全然きれいになってないだろ!」というレベルであった。屋内も同様。

 リビング。

 廊下。

  寝室。

という感じで、使った材料の残り入っていた袋や、足場にしたブロックや、どの工程で使ったのかも不明な木片が散らばっている。

 床タイルのモルタル。

工事中に飛び散ったモルタルやコンクリのセメントがタイルにこびりついて固まっている。

 ゴミの残ったキッチン。

 埃だらけのガスコンロ。

 タイルを切った粉がついたカウンター。

 高さが揃ってない蛇口。

キッチンカウンターの下。将来的にシャワーの水圧を上げたかったらポンプをかますための蛇口。見えないところなんで、思いっきりテキトーに付けている。

 いらないものは置きっ放しの脱衣場。

ペットボトルに入っているのは、型枠作業をしていた頃に拾っていた使用済みの釘で、すでに錆び始めている。こういうのは消耗品なんでしょうがないが、新品の余りは持って帰っていた。

 ウェスがそのままの玄関。

 トイレになぜかブロック。

 

…というわけで、この状態で引っ越した。もう一度書くが、彼らにとって時間切れはあまり関係ない。まあこれよりは少しマシかもしれないが、日本人が期待する竣工引き渡しには程遠いのは確実である。

海辺の家のときは、Lさんが「いい家建ててやる!」と張り切っていたので、彼なりにきれいな新築の家を引き渡してくれた。まだドア枠屋がいるのに掃除部隊のおばさんが来たりして「一回作業すればいいってもんじゃなくて、きれいにして引き渡すための掃除なんだが…」と思ったりしたが、マヤ人とは全然違う。Lさんがしてたことは、メキシコ人と日本人の感覚の違いはあっても、フツーに普通の家を建てる土建屋の普通の仕事だったのだ。

どうしてこんなに汚すのか、どうしてこんな品質の仕上げなのかと、最近ずっと考えていた。どうして汚すのかというと、食べた後の皮や骨など、別にその辺に投げてあっても構わない生活をしているからである。放し飼いの犬が食べるか、土の肥やしになる。思うに、現代マヤ人の文化を「自然と共生している」などと称えるメリダ人はあまり意味わかってなくて、「緑や野生動物を大切にしながら暮らしている」程度の認識しかない。わたしもそうだった。実際は、基本的にゴミは出ないか出てもその辺に投げていい生活。

そこへプラスチックやコカコーラやブロック造の家など近代的なものが入り込んできたが、投げ捨てる文化は変わらないのである。「しつけがなってない、教育レベルが低い」と言うメキシコ人は多いが、親がどうとか学校がどうとかいう話ではないと思う。

ちょっと話がずれるが、日本では貝塚が発見されたじゃないですか。メキシコの何とか文明以前の「ヒトが住んでいた証拠」ってな話を読んでても、貝塚という言葉は使われていない。「貝殻を放置した跡」と書いてある。まとめて棄てたのでなく、その辺にポイっと捨ててたんじゃなかろうか。

話戻ってどうしてこんな品質の仕上げなのかというと、マヤの家やブロックを積んだだけの未完成の家に住んで、細かいところなんか気にしたことないからである。この暑さでは何かを整えるためにちまちま作業するなんてことは考えられない。厳しい自然の中でできるようにしかならない環境、遠く離れた半島という地理的条件で、何かを外へ売って儲けるには大変な苦労をする。苦労するのはやめて、自分たちさえよければ今あるものでいいという考え方。

ユカタン半島のジャングルでずっと自分たちの暮らしを続けてきて、スペイン人に侵略されて独立後も奴隷扱いされてきた数百年の歴史のせいか分からないが、マヤ人には「不便だ、改良しよう!」とかいう感覚がない。もちろん個人差はあるんで、人によってはメリダやカンクンへ出て行くが、平均像、一般的にという話です。が、アメリカの「一旗上げるぞ」文化や、最近の日本の「何でも改良、より便利に」文化は基本的にない。虐げられた時間が長すぎて(さらに焚書などで過去を抹殺され)、「いいから放っておいてくれ、自分たちは自分たちのやり方でしかできません、やりませんから」的な感覚がどんどん強まったんじゃないかと思う。社会学?とかの専門家じゃないんで分からないけど、工事に関係ないことも含めて、半年暮らしてみて、そう感じることは結構多い。

 

・・・話が飛びましたが、そういうわけでまたしても「引越!片付けさえすれば快適!」とは程遠い、やらなければならないことてんこ盛りの新居生活が始まった。メリダから海辺の家に引っ越したときより、やることが多い分、大変じゃなかろうか。


終わらせた工事 ①

2024年06月29日 | 設備/外構/庭

えー、1週間たちまして、今は新居にいます。が、まだ完全に住める状態じゃないので、邪魔なんでまだ引っ越してない犬猫の世話と、シャワーを浴びるために借家に毎日通ってます。風呂とキッチンができたら奴らを連れてきて、借家の掃除をして、引越完了。

なんでまだこんなことをしているかというと、親方が20日に約束した「あと2日、22日の土曜までに全部終わらせる」が、例によってその通りにならなかったからですねw。ただ、こちらは「2日じゃダメだろ、23日の日曜も来なきゃ無理だろ」と思っていたところ、約束通り終わらなかった翌日曜、他の現場で屋根をかけていた。で、「やっぱり逃げた、あてにならん、もう来なくていい」とブチ切れた。

その前からヒルベルトに引越を手伝ってくれる人の紹介を頼んでいたんだが、24日の月曜にできるとちょうど言ってきたので、決行することにした。ちなみに、海辺の村から来たとき使ったようなきちんとした引越業者でなく、ただのこの辺の村で荷物運びをするおっちゃん達です。フレテという。車も小さいので何往復かすることになるという(全然OK)。

24日の月曜、借家で荷物を積んで新居に行ったら、親方チーム+設備屋が当然のことのような顔で作業をしている。風呂以外の設備とドアの取り付けは、彼ら自身も「しなければならない」作業と認識していたらしい(本当は他にもいろいろ直すところがあるんだが)。前の週の土曜日まで…など、まったく御構い無し。

で、あなたがした約束に合わせて引越日時を決めておいたので、今日は引越が優先だと言ったら、結果的にその日はいろいろ中途半端な仕事をして帰っていった。日中、建築資材屋の掛けを我々だけで行って清算したのも、「ああ、これ以上は延ばせないのか(バラバラといろんな物を買いに行ったりできないのか)、言い方変えればやらんでいいのか、ラッキー」と親方に思わせたんじゃなかろうか。別に関係悪化とかじゃないですよ。我々側の原因としては、マヤ人の認識を予測しきれなかったことがあるが、我々側が悪いわけじゃありません。

そういうわけで、ここ1週間の苦労を連投する。まずは、

 

【6/22, 24の作業】 風呂の蛇口、湯沸かし器設置、モップシンク、ドアノブ取付

 

  混合栓の取り付け。

途中、水が出なかったり漏れたりしてガタガタ言ってたが、日本から取り寄せたものに不要な部品も余計な部品もないことは確認済みだと言ったら、最後にはどうにか取り付けていた(もちろん少し曲がっている)。

 

  ガス湯沸かし器の設置。

給水用の管を繋いで、湯沸かし器まで水が来ることは確認したが、ガス管をつなぐパーツがないとかどうとか。結局繋げないでドロン。

 

  モップシンクの台。

 完成。

コレが曲者だった。午前中に親方が台を作って、午後は設備兼組積工に変わって、完成したかに見えた。が、排水口のために差してあるパイプは、

 下から見るとこう。

パイプは差してあるだけで、型枠代わりに使ったタイルに穴が空いてないw。午後の彼は上ばかり作業していたのでそれに気付かず。後で我々で直す。

 

 ドアノブ取り付け。

我々と引越し屋が到着したとき。奥の寝室の2ヶ所を親方とベテラン2人でつけていた。ほら、きれいに付いただろ?と言われて確認したらOKだったが、その後、引越し屋に家具や箱の搬入先を指示している間に付けたドアは、手抜きというか、ちゃんとできてないじゃんというか。海辺の家では塩害でノブが壊れて、相棒が何度か付け替えたんだが、結構大変である。ドア屋に頼めば?と言ったのに自分たちで全部できると言った結果がコレ。玄関脇トイレのドアには、

  ラッチに隙間。

どうにか閉まるようにごまかしてある。そのためか、ドア枠自体もまっすぐ付いてないし、ノブを付ける穴の位置も一度では決まらなかったらしく傷跡が残っている。おまけに開く向きも指定したのと違ってたので、ここはあとから専門業者に別のドアをつけてもらう。ちょうど別の「言っておいたのに忘れてる」箇所で扉が必要なので、このドアは取り外してそっちに流用する。

 

 水道の取水口にセメント。

こないだ水道局が来たときに付けたパイプが地面から飛び出していたので、モップシンクを作ったあまりのモルタルを打ってもらう。

 車庫の入り口。

先日よく分からなかったやり直し(前の記事の最後)。床面タイルの貼り終わりがスロープのコンクリよりタイル厚の分だけ高いので、タイルが壊れないようにモルタルで小さいスロープをつけたと言う。

ここの大工にとって重要なのは、「基礎掘り!基礎造り!ブロック壁!コンクリ屋根!床タイル!内外壁の仕上げ!」のみだとつくづく思う。だから、こうんな「竣工遅れてる!風呂台所ちゃんと終えて施主に引き渡ししなければ!」ってな段階で、こういう細かいことに人員を割く。

考えてみれば、マヤ人はたらいで行水するし調理は薪を使うような人たちなんで、家なんか壁で囲って屋根がついてればOKなのである。親方と初めて会ったとき、メリダやプログレソ方面でも工事をしたことがあると言っていたので、ある程度「今の家」も経験あるかと早合点したのが悪かった。きっと孫請けだったのであろう。


細かい作業w

2024年06月22日 | 新築

【6/14の作業】 風呂桶、階段タイル

 

 風呂桶のエプロン。

 階段タイル。

ここまでが数人で来てちんたら作業をしていた先週で、その後ハリケーンの影響の雨で昨日まで作業なし。内装と設備なんで仕事しようと思ったら来られたんだが、なし。水曜日にちょろっと来てたかもしれないが、こちらはパスポート更新のため、丸一日かけてメキシコシティに行っていた。引っ越して落ち着いた頃にと思ってたが、とんでもない。

いくら細かい作業しか残ってない(親方曰く)とはいえ、結構あちこちにあるしいろいろ忘れてるしごまかしてるし、こんなちんたらじゃいつまでたっても終わらない。で、昨日の木曜、親方を呼び出し、今までの「早く終わらせてくれ」とは違うモードでテコ入れした(また)。会う前に、同じメキシコ人のLさんにメキシコ人を説得する方法について聞いてみたが、「米人、カナダ人方式で怒鳴りつけろ」などと言う。他人事だと思ってこのヤロw。

結論だけ言うと、やっぱり功を奏したのは「助けて、アミーゴ」方式で、本日と明日の土曜で終わらせると「約束する」と言わせることができた。どう考えても、全員で来ても2日では終わらない。が、「大丈夫、任せとけ、アミーゴ」と気を良くしている人間に細かい工程を聞き出してクリティカルパスを指摘して…なんてのはやらないほうがいいので、やめておいた。おそらく日曜出勤することになると思う。

…というわけで、

 

【6/21の作業】 風呂桶、壁の色違い修正、ドア枠、湯沸かし器の台、

 

 エプロン、完成。

待った無しなので、排水口のトラップについて、指摘。とにかく何度言っても忘れているかすっとぼけているかなので、そうじゃなくて前から何度も頼んでいると、ここでもアミーゴ方式で訴える。が、親方と最後に確認して一緒に行って買った蛇腹が、案の定使えない。すでにアミーゴなのでw、俺が知恵を絞ってやるとばかり周りから口を出す人間が出てくるw。

 出てきた人。

 スラブを壊す設備屋。

ほら、やっぱりコンクリなんか打っちゃうから大変だ。ってか、地盤を埋めるときにもその後にも何度も話してあったのに。ついでに言えば、この設備屋にも何度も。

 トラップ完成。

 栓の付け方の相談。

 どうにか完成。

まぁ、市販のパスタブと違うので、このあたりは検討が必要なのは分かる。が、プッシュ(押して開け閉めする栓、この記事の最初)もずいぶん前に買って現物を渡してあった。

ともかく、風呂桶自体はできた。あとは、明日設備屋が混合栓などを取り付けるのと洗い場のスラブ、最後に我々がチュクムを塗って完成。

 

  壁の色違い修正。

結局、白セメントと石灰を混ぜて薄く溶いたものを上から塗る方式にしたらしい。この色違い(この記事の後半)については、完全に端から端まで同じトーンになることはもう諦めている。広くて明るいリビングだけは責任持って直してもらい、あとは折を見てどうにかと考えていた。この白セメント+石灰はよさげなので、我々でもあまり苦労なくできそう。最悪ペンキ塗りと覚悟していたがともあれホッとした。

 こんな感じ。

 

 ドアのサイズが合わない。

が、これは承知の上。親方の勧めで屋内のドア+ドア枠は市販のセットを買ったんだが、この国の工事で買ってきたものがピタッと嵌るわけがない。一応、ブロックや目地など考慮に入れて部屋の寸法を考えてあったが、ピタッと…というのは無理である。で、このベテランが「普通はドア枠は木工業者に現場で作らせる」とブーブー言い始めたが、「あんたの上司に言ってくれ」である。

というか、海辺の家では木のドア枠にしたが、我々が引っ越したあと1週間くらい業者が来て夜中までノコギリその他の爆音を響かせていたので、このベテランに苦労してもらったほうがいいw。

 隙間が小さいところは問題なし。

あるところは壁を延ばす。

 型枠を作って

  仕上げを削って

  モルタルを塗る。

お疲れ様だが我々のせいじゃない。

 完成。

 取った巾木を付け直す。

 

  給湯器を置く台。

洗濯場の角に台を作って、上にガス湯沸かし器、下にプロパンボンベを置く。そのための台も前から言ってあるんだが、壁の仕上げが終わって床タイルも貼った今になって。お湯用の配管とかキッチンへ続くガス管とか、壁から出てるんですけどね。基本的に作業員はその日にしろと言われたことしか頭にない。が、そういう作業員達をまとめてる上の責任というか能力なので、彼等に罪はない

  コンクリ。

その手前が洗濯機で、その手前に掃除用の流し(最近日本ではスロップシンクと呼んでるそうですね)を作る話も忘れていた。そちらは明日以降。

 

その他、細かいところ。

 

 洗面台。

洗面ボウルを乗せて配管して、我々がチュクム仕上げ。

 キッチンの流し。

固定が終わったので、あと配管。

 車庫の奥の作業台。

 車庫の入り口。

何やらやり直しをするらしい。疲れたので明日聞く。


サンゴヘビ

2024年06月17日 | ユカタン諸々

 本物が出た!

夜中に猫が何かと戦ってたなと思って朝見たら、こいつが床で死んでいた。ギョッとした。本物のサンゴヘビ、毒ヘビである。メリダに住んでいたとき、近所で偽サンゴヘビ(毒なし)を見たことがあったが、本物は初めて見た。ちなみに、どの色の隣がどうとかどの色とどの色が並んでるとかいうと忘れちゃうので、「黄色で挟んでいるのが毒あり」と覚えるといいです。

よくいる黒いサソリと違って(専用の抗生物質を薬局で買ってある)、この毒蛇に噛まれたら保健所か医者に処置してもらわないとひどいことになる。米大陸に棲むヘビなんでこんな田舎ならいてもおかしくないが、やっぱり家の中で見つけるのはちょっと…。猫ども、ありがとう。

 ヒヨコ、若鶏一歩手前。

 村の放送用スピーカー。

日本でも田舎に行くとまだあるんだろうか。うちの村では公的な告知でもプブリモト(この記事の中ほど)が使われることが多いが、村役場と市場の上にこういうのが立っている。ハリケーン以外大した天災はないので、普段は「村役場に眼鏡屋さんが来ています」とか「小学校の何々イベントはいついつです」などのアナウンスを流している。ときどき、市場の前に駐車して商売してる車のスピーカーから出るバカでかい音にかき消されているw。

スペイン語の先生が「昔、役所の前で音楽を奏でていた人がいた。それみたいだ」と言っていた。派手な服を着て、音を鳴らしたあと役所のお知らせなどを喋っていたらしい。呼び名は忘れてしまったが、その説明の最後の方に、文盲の住民のためと書いてあった。うちの村もそうだと思う。

 折りたたみ椅子(奥)

 黒いカゴに続き、

村のほぼ全ての世帯が持っている物シリーズ、木製家具。だいたい、折りたたみ椅子と折りたたみテーブルのセットか、背もたれなしのスツールのみいくつか持っていて、子供がいれば専用のもある。とにかく、みんな持っていて、みんな同じもの。形もサイズも全く同じ。

普段はハンモックに腰掛けていて、知り合いが家に来ると出す。このハンモックという物、余所者は気持ちよさそうとかああとか言うが、よく観察していて、「ここの気候や環境に即している、気持ちいいとか関係ない」と思うようになった。最初に書いたヘビや虫などから身を守るため。レンジャーなんかと同じですね。

いろんな生物が入りたい放題の借家や、雨が降っていろんな生物の天国になっている新居の庭にいると、はっきり言ってノイローゼになる人もいそうだと思う。非常時オタクとしてはこんなことで負けるわけにはいかない。強く生きなければw。

…というわけで、ユカタンでいちばんの楽しみ、美味しいものを。

ヒルベルトんちでピビル。

急に食べたくなったんだそうな。写真は熱い岩の準備中。

焼くもの。牛の頭。

毛を取って、真ん中でかち割ってある。マリアが牛タンの準備もしていた。

現場飯。

日本で言うブリトー。

…の大きいやつなので、ブロという。伝統的なメキシコ料理じゃないという意見もある。小麦粉のトルティーヤで巻くので、ユカタンの料理ではない。その小麦粉のトルティーヤがなければタコライス。いつまでたっても、米=野菜という考えにはついていけない。


自然との共生

2024年06月15日 | 新築

【6/13の作業】 風呂桶、階段タイル

 

  浴槽の底。

前から何度も言ってある排水トラップを付けずに進める気だったらしい。風呂の栓はゴムでもよかったんだが、ここには風呂自体がないので浴槽といえばジャクジーという贅沢品になり、プッシュと呼ばれる押して開け閉めするやつしか売ってなかった。プッシュだろうと何だろうと、防臭措置がないのは以ての外(下水道に繋がるんじゃないですよ、肥溜めに直接繋がってるんですよ、奥さん💢)。写真の状態だろうと諦めるわけがない。

案の定、閉めておけば匂いが…などと言い訳していたが、排水し終わったあと即閉めるとは限らないと説明して、付けてもらう。

コンクリが固まる前に壊してつけてしまえばと思うんだが、大丈夫まかせておけとごまかしていた。メキシコ人の「聞き手をその場で喜ばせる」親切心はありがたいが、ときにそんなに意地にならんでも…と思うことがあるw。ちなみに「その場で喜ばせる」が顕著に出る例が、道を尋ねると知らなくても行き方を説明するというやつ。最近はナビがあるが、5人捕まえて聞かないと本当の行き方は分からない…などと言われていた。おそらく、日時を守らないのも、聞かれたときにほとんどダメだとわかっていても一番早い可能性を答えてるんだと思う。

  おまけにエプロンまでw。

囲ってしまったら作業がしにくくなると思うが、この彼はこれからトラップを作ることを知らないんじゃなかろうか。こっちももう疲れてどうにでもしろ…なので(ほら、何言っても大丈夫大丈夫と答えるから)、彼とはニコニコ「鉄筋入れるよね?」「そうだな、余ってるし」と会話して終わりにした。そう、鉄筋がいっぱい余っているのもムカつく。高かったのに。ちなみに壁でも塀でもここはブロックは積むだけで鉄筋もコンクリも入れない。地震がないので。

 

 屋内のドア到着。

来週の配達便だと言ってたのに、来たw。

 

 飲み物カウンターのマシヤ。

 壁の穴埋め。

マシヤを塗るのはアリが入ってこないようにと言ってあったので、他の穴も埋めてくれた。が、こうやってモルタルが継ぎはぎの状態で引き渡しになる気がする。

 ガスコンロを確認する面々。

…と思ったら、こういう設置型は見たことがないらしく、つまみをいじったりして「料理ごっこ」をしていたw。よく売ってるのはこういう置き型で、住む人の家具扱いなので、工事で据付けることはない。おまけに彼らはお母さんが薪で調理していた…という世代。

 

 階段の一番下。

少し低くなっていたらしく、モルタルで高さ調整してあった。2階の踊り場が少し高くなっていた(この記事のはじめ)のは、数字を丸めたからでなく垂直方向に少しずつずれていたからであった。親方が階段の墨出しを2時間で終えた、どうだすごいだろと自慢したとき、いや、図面に寸法書いてあるんだから現場との調整こそあっても大した計算はいらんだろと思ったんだが、時間に無頓着な人が急ぐと、こういうことが起きてしまうw。

 サイズを合わせて切る。

 貼り始め。

途中の踊り場まで貼り終えた。その後、蹴込み板のところにもタイルを貼るらしい。今回の現場ではペンキを全く使わないのでそうなるか。別にマシヤでもいいんだけど、今さらあれこれ言うとまたサイズがおかしくなるので、タイルを貼ってもらう。ただ、海辺の家と違って、角のところ(鼻になってないけど段鼻のとこ)の仕上げが違うらしい。なんか面取りというかそんな感じ。最初のうち、上り下りするとき変な感じがするかもしれない。

 

 車庫の目地。

 しずく処理に水漏れ。

しずく処理はよかったんだが、その中の屋根ブロックの穴埋めがいい加減だったんだと思う。凄い雨だったので、マシヤを通してブロック内部に雨が入り込み、室内でもちょっと濡れていた。マシヤに関しては、親方は大丈夫と言い張ったが、日本人の感覚では防水機能はないに等しいので、いずれ我々で屋根と庇に防水塗料を塗る。もしかすると壁にも塗るかも。

とにかく、マヤ人の「自然と共生」な感覚は、想像以上である。これはここに引っ越してきた我々がよく解ってなかったのが悪い。天井が多少濡れても、乾くのならばOKなのである。土足文化なだけでなく、ジャングルの中でのキャンプと同じである。うちには網戸がついているが、窓を開けるとき彼らはいつも網戸を閉めていない。何となく邪魔なんだと思う。虫とかサソリなどいて当然。だからハンモックで寝る。

 親方んちのマヤの家。

 外壁(内壁はない)。

屋内の湿気も気にしない。借家はもろ雨漏りしているので壁に跡がついていて、それを見た親方は工事の質がどうとか言ってたが、実際のところは跡になるのは見栄えが悪い程度の話で、室内環境がどうという認識はなかったんだろうと思う。

湿気も虫も衛生面も何もかも、彼らはヒトにとって厳しい環境を生き延びてきた免疫強者である。逆に清潔にする方向へ走ったニホンジンとは違う生物なのである。いやはや。

  ゴミの山。

食べたマンゴー(ほら、うちに木があるから熟したのを地面から拾ってささっと手で皮をむいて食べる)の種なんかもその辺に捨ててある。工事が始まった頃は拾って回っていたが、何しろ彼らの方が人数が多いので追っつかない。それに海辺の家の工事をしてくれた「メリダ近郊の村に住むマヤ人」と違って、こっちはディープ・マヤである。捨てる量が違う。絶対に自分たちでまとめて掃除してもらう。そして彼らがいなくなったら日本人レベルの掃除をする。

コツコツやっていけば、いつかはきれいな庭になる。それに、この村は好きなんだが、家の中は「自然と共生な」周囲からの避難所的に、バリバリ快適にするつもり。


市の水道

2024年06月14日 | 設備/外構/庭

本日は、市の水道が来る日。12月頭に申し込んで、ウェイティング・リストに乗っていた。申し込んだときには2ヶ月後と言われたが、延び延びになって本日。

 トゥクトゥクとバイク3台。

道具を運ぶトゥクトゥクのお兄ちゃんと、同じくお兄ちゃん3人が来た。現場の若い衆(ほとんど子供)と同じくらいなのでビックリした。配水管は、うち(写真左側)でなく、道を渡ったお向かいさん側を通っているという。

 PVCの配水管。

海辺の村では金属管だったが、こちらは水道が整備されたのがもっと最近なのでPVC。さらに、海辺の村では黒ホースで各戸まで引いていたが、やはりそれ用のPVCだった。あちらでは管が破裂して水漏れして、その結果圧が下がって水が来ないなんてことがしょっちゅうだったが、こちらではそんなことはなさそう。

  それ用の管、埋め込み。

 電源はうちから。

4人のうち2人はアスファルト掘り部隊だったようで、それ用の管を埋めたら帰っていった。

 配水管に取水口を付ける

 取水口を開ける。

 縦管を繋ぐ。

長さは合わないし、固すぎて差せない様子。というか、そのへんを確認してから取水口を開ければこうして手で押さえてなくていいんだがw。

 親方がホースを広げる。

 完成。

うちの石塀の中まで引いて、とりあえず蛇口をつけた。新しい石塀を作ってから、しっかり固定する。

井戸があるので、実のところ水道はいらない。が、メキシコでは免許の更新とか税務署でのやり取りとか銀行口座開設とか、ときに公的でないものまで、住所を証明する書類が必要で、手っ取り早いのが電気や水道の請求書なのである。それがないと必要書類が2種類になったり、我々の場合わざわざ移民局まで行って一筆書いてもらったりしていたので、それぞれの名前が載っている住所証明をさくっと提出できるように、水道も申し込んだ。

とはいえ、それだけというわけではなく、井戸から配管したり長いホースを伸ばして木に水やりするのは大変なので(敷地の長い方の辺が40m)、道側にも蛇口があれば便利なのである。海辺と同じく、メーターなし。料金は月々300円くらい。

 

 浄化槽掘り、着々と。

前日までと変わって、最初から掘っていた作業員が来た。正の字が増えて、終わりが見えてきた。

 問題発生。

手抜きして挿してあった排水管のルートを変えようとしたら、準備しておいた太い管のすぐ外に、ラハ発見。すでにいろいろ造ってあるため、基礎掘りと違って力任せに砕くことができない。

 太い管を抜く。

さらに周囲のモルタルと岩1つを取り除いて、排水管を通す。

 家から出る方。

直角にならず無理やり繋げたが、何とか完了。

 蓋も。

容量が15立米もある(海辺の家のは2立米弱)ので、汲み取りの必要はほとんどない。我々が死んだ後のことは知らない…というくらい。万が一必要になったら、この辺の業者なら何も気にせずどこか壊してホースをぶち込むのであろう。

 

 西側外壁の脇。

とにかく足場の悪いところ。ほぼ屋内工事を残すだけになったので、これ以上庭にモルタルや瓦礫を落とされることはないということで、集めて埋め始めた。

  芽。

雨季が来て結構な雨が降った翌日、庭中にいろんな芽が出ていた。大きな木になるものやつる草などいろいろ。これが全部育ったら本当にジャングルになる。なる前でも厄介なので、目についたらひっこ抜く。


外に出るとき靴を履く

2024年06月13日 | 新築

【6/10-12の作業】 床タイル(続き)、土間&車庫タイル(続き)、キッチンカウンター

 

 脱衣場、完了。

  メイントイレ、完了。

 2階、完了。

 洗濯場のドア部分。

  無事完了。

この細かい作業を担当している子が、巾木を忘れていたり逆にドアがつく部分につけてしまったのを取ったりして、室内床面タイルはすべて完了。

 車庫にも巾木。

さあ、つけてくれたのはいいんだが、

 今朝見たら、こう。

写真左が三和土、ドアを出た右が車庫。三和土に室内(上がったとこ)のタイルを貼ってしまっている。玄関ドアを入ったときには気づかなかったんだが、玄関上がったとき、上と下で同じタイルになっていることに違和感を感じた。む?と思ってから、あ、これはタイルが指定通りじゃないんだと気が付いた。長年の習慣が生んだ感覚ってすごい。

親方の積算は合っていたので、階段に貼る分の室内用タイルが不足、土間タイルが5箱余っている状態だった。そこで変だと思わないのか。とにかく、自分たちに馴染みのある家以外の家については、あまり頭を使わないで注意も払わないでやってしまうw。

玄関の間違えたタイルを剥がすのはともかく(やり直し自体はあまり気にならない人達)、割らないように注意深く剥がすのを面倒だと思ったようで、普通はまたタイルを買ってくるなどとほざいていたが、オノレの間違いをカバーするための追加コストなど以ての外。が、割れてしまったため庭とかその辺に放ってあるタイルを我々が拾い集めてきたのを見て、心を入れ替えたらしい。少し残っているのと慎重に剥がして割れなかったのとで、何とか階段部分用の数を確保できると、ニコニコやり直しを始めたw。

日本式の家を知ったからといって、彼らがこの村でその知識を活かす機会はない。今回の現場は普段のノリだけで進まずあれこれ面倒臭いと思うのはわかる。それにしても、いつも思うんだが、土足文化の人たちに靴を脱いで上がることの本質をわかってもらうのは難しい。思うに「家では靴を脱ぐ」という言い方が悪いんじゃなかろうか。だから自称日本通な人でさえ誤解して、裸足で外に出て行ってそのまま汚い足で平気で入ってくるなんてことをするのだ。今後は「家では靴を脱ぐ」でなく、「我々の家の中はきれいで衛生的で、裸足で心地よく暮らしている。外は汚いので【靴を履いて】出るのである」と言い換えたほうがいいんじゃなかろうか。

 やれやれ。

 

  キッチン。

カウンターの両脇のブロック完了。

 カウンタートップ完了。

石は高いからエポキシにしようかなどとずいぶん悩んだが、変なこと頼むとミスを呼ぶのでw、大きいタイルを貼ることにした。ここの流行りの石風(石模様のタイル)が嫌いなので、真っ白のを探すのに苦労した(結局メリダでしか見つからなかった)。

 下側のマシヤ。

海辺の家ではコンクリ打放しだったんだが、もちろん日本の打放し仕上げのようにきれいじゃなく隙間があって、そこから蟻が入ってきて大変だった。とにかく隙間を気にしない人たち…というか、よく言えば自然の中で暮らしている、悪く言えば土人。パイプが通っているところなど細かい隙間は今後我々で埋めていくが、上向きの佐官は大変なのでこれはお願いしてあった。

 

 電気の引き込み線。

あれだけ洗濯場の東側の壁を通せと言ってあったのに、設備屋が道から丸見えの南側から通して、それも配線管がビローンと飛び出ていた。もう、早く引っ越したいので諦めていたら、親方が土台部分を掘って埋めて、あとはモルタルで隠してくれるらしい。なんというか、気分にムラがあるんだろうか。テメエが間違えたくせに面倒だと思ってるときそれを顔に出すかと思えば、黙っていても(諦めて言うのをやめたのに)突然ニコニコと「直したよ!」と言ってくるときがある。ようわからん。


マヤ仮名

2024年06月11日 | 設備/外構/庭

浄化槽のために掘り出している礫岩の中から、黄色い粘土(この記事の真ん中へん)に続き、薄緑色の粘土を発見した。

 薄緑色。

 黄色。

あと庭には赤い岩も転がってるんだが、そちらは砕いてみないと粘土になるか分からない。でもマヤの陶器に使われてるから、可能性はある。

で、その薄緑。遺物の青・緑系の色はマヤブルーか翡翠(ここ産ではない)が多そうだが、長い年月で欠け落ちたり劣化したりすることもあるだろうから、こういう色の粘土も使ったかもしれない。古代文明はともかく、面白そう。(ただ、どうやって焼く?)

その浄化槽は、残り2立米を掘り始めた。

 地上あたり。

  ズームしていくと

 こう。

底で水平方向に穴を広げている。

 立ち上がり。

風呂の外に坪庭を作るのでリクエストしたんだが、それに排水管が刺さっている。

 引っこ抜いた。

掘り始めに縁を固めたとき、排水管の傾斜を考えて太い管を挿してあった。

 準備しておいた管(4月)。

掘り出した礫岩で埋まってるので手抜きして立ち上がりを通してあった(勾配が取れない)が、これは手抜き工事なため当然やり直し。

 

 エアコン室外機を載せる台。

 完成。

わざわざ大きい岩を砕いてコンクリに混ぜようとしていたので、庭に散らばっている割れたブロックや割れたタイルやセメントが固まったものなどを入れるように指示した。瓦礫が残ったって困るだけなのに、何考えてるんだか…。

 

 切り倒した木のあたり。

先日、切り倒してもらった(この記事の後半)木のあたりに埋まっているゴミを片付けて地面を均してたら、さっそく休憩場所にしていたw。自分達はゴミをポイ捨てするくせに、我々がきれいにしたところへ飲み物休憩や昼ごはんを食べる場所を移動する。まったくw。

 

  サクベ、ここまで。

 

前にきれいにしたミニ・セノーテは、きれいな岩肌の大きな穴になってたんだが、知らないうちに「鳥や動物が飲めるように」と作業員が水を入れていた。2日くらい放ってあったんだが、案の定、ボウフラが湧いた。それも大量!

井戸から流れ出る水を見て、所詮たまり水なんで一気に興味を失ってしまっていたのもあるが、ボウフラはとんでもない。工事が終わっても、雨季には防ぎようがない。

 埋めた。

いらない岩を入れたかったが、蚊の野郎はほんの小さい水たまりでも卵を産む。土ではつまらないので、岩混じりの砂の砂だけを入れた。ついでに、マヤ仮名で我が家のイニシャル(一文字目)を描いた。

ちなみにマヤ仮名というのは古代のマヤ文字を単純化したもの。マヤ語の勉強を始めたとき、ローマン・アルファベットで a だの á だの a´ だの  áa だの tza だの tz´a だの dza だの書くのが非常にうざったく、どうにかならないかと思っていた。実際、マヤ文化好きーなメリダ人の間に起こる「それ間違ってる」や「その語源、違う、別の言葉」といった議論の原因は、彼らは自覚していないが絶対にこの面倒くささにある。

 こんなの。

それでとりあえずカタカナで書き始めたんだが、ふと、なんでマヤ文字があるのに仮名を作らないのかと不思議に思った。ランダという宣教師が焚書したせいでマヤ文字は歴史上の過去のものになっている。考古学の範疇。それは分かるが、解読が進んだのだから、西洋のアルファベットを使ってこんな面倒臭い書き方をするより、表音文字くらいリバイバルさせればいいのにと思ったのだ。ほら、漢字から平仮名やカタカナを作ったみたいに。

 古代マヤ文字のカレンダー。

ある日、マヤ人の友達とその話になって、1人が「いや、マヤ語にも文字がある」と言って上のみたいな káabá とか書き始めたので、「違うそれはマヤ語じゃない、ローマン・アルファベットだ、君たちが侵略だなんだと批判しているスペイン語での表記だ」と言った(ついでにカタカナでマヤ語を書いて、日本語で表記したらこうなるんだと説明した)ら、もう1人が非常に興味を持った。他にも「そういうふうに考えたこともなかったが、確かに」と言う人が数人出てきた。

が、彼らは学校でスペイン語を覚えた母語=マヤ語話者で今では完全なバイリンガルだが、文字セットはローマン・アルファベットしか知らない。マヤ語の専門家でもない。マヤ語は基本的に話すためのもので、何か書くときはマヤ語を使わずスペイン語で書く。人によっては上の黄色いやつみたいになら書ける(逆に言えば、スペイン語を解しないマヤ人は、実質文盲である)。

自分たちにはマヤ仮名というものが分からないからちょっと作ってみてと言われてしまって、ある日本人に協力を求めた。結果、わたしがテキトーに単純化するよりすごいものができた。由緒正しい古代マヤ文字とその決まりに則った、かつ文字セットとしてもとても美しい仮名。

これまでアルファベットで書くことに何の疑問も持たず、日本語の漢字→仮名の知識などまったくない社会への提案なので、すぐに「さあ、使いましょう!」とはならない。少しずつ話を聞いてくれる人を探して、どうか?と聞いていくつもりなんだが、いかんせん家ができて落ち着くまでは身動きが取れない💢。とりあえず、自分ちにだけ書き記したというわけです。